103.ボスのもとへ
俺は敵の攻撃を自動で防ぎながら、ずんずんと迷宮の奥へと進んでいく。
だが……。
「まずいな」
「どうしたの?」
「ふむ……通路が変形し続けている。いつまでも、ゴールへと到着できん」
天網恢々を発動。マップをアーネストにも見えるようにする。
一定時間ごとに通路がまるきり違う物へと変貌している。
「へ、変形ってレベルじゃあないわ! まるきり別のダンジョンに、一瞬で変わってるじゃあないの!」
「そうだな。変形というか、空間ごとランダムに入れ替わってるのだろう」
空間のブロックを、ごちゃまぜにしてるようなイメージだ。
「まあ、問題ないだろう」
「そんな……問題大ありじゃない! このままじゃ一生かかっても、目的地にはたどり着けないのよ?」
「そうだな」
「そうだなって……」
ふむ……そろそろかな。
「このまま何もしないのなら……な」
そのときだ。
ぴたっ、と通路の変形が止まったのだ。
それどころか、壁の質感が、生物っぽさのあったものから、通常の、金属で出来たものへと変質する。
「ダンジョン化が……解けた!?」
「ああ。彼女らがやってくれたのだろう。そして……」
目の前を、指さす。
そこには、ちょうど大きな扉があった。
「この向こうにボスがいる」
「え、え? まさか……ボスの部屋がちょうどここに来るタイミングで、ミュゼちゃんたちに敵を倒させ、迷宮化を解除させるようにしてた……ってこと!?」
「そういうことだ」
「す、すごい……なんて先見の明。どんだけ先を読んでるのよ」
ここまで時間がかかったのはあえてだ。
こうして最高のタイミングで、俺の前に、ボス部屋がくるまでのな。
「さて、幕引きといこうか」
俺はボス部屋の扉に手を置いて、ぐいっとおして、中に入るのだった。




