101.記録の宝珠
隔壁を突破しながら、俺は最短、最速で敵の元へ向かおうとする。
と、そのときだった。
がきききん!
「な、なになに!? 何が起きたの!?」
「敵の攻撃だろう」
ステータスが自動で開いて、結界が自動展開されていた。(空間ステータスに進入禁止を加えることでできる結界)
ミュゼがいないため不意打ちはどうしても避けられない。
ならばと考えたのが、敵の攻撃に対し、一時的に空間のステータスを、自動で書き換えるという手段だ。
「て、敵……? でも……敵なんてどこに……」
「あれだな」
俺はレーヴァテインを手に取って、しゅっ、と横に振る。
氷の矢が飛んでいき、部屋の隅に設置されていた、発射台をつぶした。
「どうやらこの工場内には、敵の侵入に反応して、自動で迎撃するシステムが組み込まれているらしいな」
「エイダの作ったシステムを、敵が悪用してるってことなのね……なんてやつ……!」
女王の作ったシステムを乗っ取られて、アーネストがご立腹のようだ。
俺は発射台の隣にある、妙な魔道具を見やる。
ステータスを開く……。
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記録の宝珠
→映像を記録し保存しておく魔道具。その映像を転写、遠くで確認することが可能。
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「なるほど……あれで俺たちの動向を、観察してるってことか」
記録の宝珠が一個だけってことはないだろう。
おそらく、この工場内にいくつも置いてある違いない。
……ふむ。
時間が経てば経つほど、相手に手の内をさらすことになってしまうな。
「急ごう」




