ヨハネ先輩は鋭い方です
丁度、梅香の君と別れ、家路に向かおうとしていた時だった。駅のホームで迫り来る電車を眺めていた時だった。不意に電話が鳴る。空気の分子さえ攪拌するような音。少し迷って相手の名前を見る。どうやら家路に着くのはまだ先になりそうだ。
「はい、栞です。はい、大丈夫ですよ。場所は何時もの純喫茶で宜しいでしょうか。はい」
黒に近い焦げ茶のアーチドアを抜ける。店内に入ると蜜色のステンドグラス。床には寄木細工模様のタイル。その上を歩きながら、奥のテーブル席を目指す。 喫茶。先日 先輩とお茶をしたところだ。今回会うのは 先輩じゃないけれど。
「お久しぶりです。ヨハネ先輩」
「やぁ後輩。元気にしてたかい?」
腰まで伸ばした黒の長髪、丸こい双眸。外見だけ見れば大人しい文系女子だ。本当は結構サバサバしたアクティブ系女子だけど。
彼女は壁際の席に腰掛けて、頬杖を着いていた。傍に頁を開いて置いてあるのは『首都圏 御朱印巡り』と書かれた本。雑誌と言うには小さく、文庫本と言うには写真が多い。観光本のようなものだろうか。行動範囲の広いヨハネ先輩らしい本だ。
私はヨハネ先輩と向かい合うように腰掛けると、両手をテーブルの上に置いた。
「元気ですよ。今日は何か御用でしょうか?」
午後三時。おやつ時。何処かの甘味処、もしくは喫茶店でお茶をするには良い頃合だ。ヨハネ先輩は呼び鈴を鳴らしてアイスコーヒーを頼む。私も乗じてアイスココアを頼んだ。
女子キャラの好きな所全部入れたのがヨハネです。
お気に入りの子にはダル絡みするし、ウザったいけれども、加減を分かってるというか、時と場所は弁えてそうな所が良いですよね。




