ほぼカニ女にキスの花束を
まずはイラストです。
香坂くん
では、本編をどうぞ(^_-)-☆
言っても詮無き事と言われてしまうかもしれない。
でも私はどうして思ってしまう。
“初めて”の時も“出産”の時も
苦通は女性の側ばかり!!
そう!
私は怖い。
凄く怖い!!
自分の体の中から
赤ちゃんを産み出すなんて
あり得ないんですけど!!
世のお母さん(私の母も含めて)はすごいなあって思ってしまう…
なので…
“子供を我が身に抱くなんて全く考えられない”
って思っていたのだけれど…
ミクちゃんにベビーができて…
初めて抱かせてもらい
その甘い匂いに五感をくすぐられ
私の目は♡になった。
『赤ちゃん欲しいかも』
不意にそんな言葉が心に浮かんだけど…
現実の私は“ほぼカニ女”で…
“恋愛”は鳴かず飛ばず…
ましてや“結婚”なんて何光年も彼方だわ
こうして私は“おひとりさま”になって行くんだろうねぇ
それに引きかえ
今、隣で飲んでいるこの子は
そのうちお嫁さんをもらって
家庭を築いて
「ウチの家内は」…とか、「子供が…」とか、のたまうんだ。
その頃には私は会社に居ないのが
救いだわ…
えっ?!
救い??
なんで救い??
何、考えているんだろう
私…
さっきもこの子の言葉に変な反応をしてしまったし…
それにしてもこの子!
何だかサバサバしちゃってさ!
その顔を元カノと付き合っている時にできてれば良かったのにね…
こんなことをぼんやり考えていると…
私の視線に気付いた香坂くんは…
「主任!どうかしました?」
って生意気にも言う。
だから私は指導してやることにした。
「『どうかしました?』じゃないよ! さっきのあれは何?? 会食の時のさ!
まるで好々爺みたいに二人のおのろけを聞いちゃって!
負け犬の遠吠えよりイタイよ!!
あんなミエミエのリア充のフリはさ!!
そんなキミに甲斐甲斐しくしていた私!
バカ丸出しじゃん!!
目で人が刺せるんなら私の視線で今頃キミは穴だらけだよ!!」
「ホントですか? 穴が開くほどに見つめてくれていたんですか?」
「そんな事、言ってない!! 大体キミは仕事でも押しが弱いんだよ!! だから成約に手間取るし、余計な事まで請けてしまうんだ!!」
「あの、主任!」
「何よ!」
「ご指導は肝に銘じますけど…仕事と関係のない会話もしてみません?」
クーッ!! ナマイキ!!!!
「キミは私が『仕事しかできないヤツ』って言いたいんだ?!」
「そんな事、言ってません」
「言ってる!!
ハイハイ確かにそうですよ! 私は仕事以外なんにもない、つまらない人間ですよ!! でもね!! 今のうちにキミに言っておかなきゃいけないから! 言ってるのよ!!」
「あの、意味不なんですけど…」
私、完全にカチン!ときた
「キミがあんまり不甲斐ないから!!このままじゃ心残りで辞めるに辞められないから!!」
「えっ??!!」
カレの顔色が変わった。
しまった!!口走ってしまった!!
ええい!! 押し切ろう!!
「というわけだから、その時計、今日の記念にキミにあげるよ」
香坂くんはグラスを脇にやって私を睨みつける
「どういうことですか!!」
うう!! このオトコの子視線、圧が強いんですけど…
「どうもこうも、私が…会社辞めるって事よ」
「ヘッドハンティングされたんですか?」
「ハハハ、私らごときの仕事で?? それは無いよ」
「まさか…まさか…結婚退職??」
私、同じように笑い飛ばそうとしたが
…気が変わる
「だとしたら?」
香坂くん、信じられないって顔で目を背ける。
そうだよねえ、私だって信じられないもん。
でも、何だか
そう思われてしまうのが
今はとても悲しい…
「別に驚く事はないでしょ? 浮いた噂がなくたって結婚できるんだから!お見合いとか…」
「困ります!!」
カレ、顔を背けたまま必死に言葉を絞り出そうとしている…その顔、さっきまでのサバサバした表情とまるで違う。
「…オレはまだまだなんでしょ? だったらもっとちゃんと指導してください…いや、違う!そうじゃない!! オレは仕事の話をしたいんじゃない!!」
「仕事の話以外にキミと何を話すと言うの? さっきも言ったでしょ?! 私は仕事以外なんにもない つまらない人間…」
「つまらなくない!!」カレの言葉が覆いかぶさった。
「主任はとても素敵な人です!!人として!!そして女性として…」
「うひぇ?!」
想定外のカレの発言に私は変な発語をした。
頭の周りをいっぱい『?』が飛び回っている私の肩を両手でつかんでカレは私にとんでもない言葉を浴びせた。
「好きです!! どうしようもないくらい!! だから結婚しないでください!!」
私の頭の中はグシャグシャで…でも言葉だけは独り立ちしている
「それって、おかしくない? つい先日までキミは他の子にプロポーズするつもりだったんだよ。いくらなんでもこんないい加減な事言うのは私に失礼だと思わない?」
カレ、一所懸命なにか言おうとしてて…私はその様を見て…自分でカレを責めて置いて…涙ぐんでいる。
「…失礼だとは思いません。だってそれがオレの嘘偽らない気持ちだから…ただ主任の愛が…あまりにも大きくて自然だから…それに甘えてしまっていて…自分の心に気が付かなくてスミマセン」
「アハハハ!バカだねえ!!私がキミの事を? おめでたい勘違いしちゃってるよ!! まあ部下としては可愛いと思ってるよ。それだけ。だからこんな私からさっさと独り立ちしな! 私の得意先引継ぐんだから厳しいよ!! 明日からビシバシやるかんね! 今日みたいな…あれっ?…」
気がついたら夕立みたいに涙がハラハラ零れ落ちている…
さっき…うっかり涙ぐんだせいだ! でも涙があとからあとから止まらないよぉ
私、とうとう両手で顔を覆ったらカレがそっと抱きしめてくれた。
「ダメなオレを許すって言って下さい! 主任も…『好きだよ』って言って下さい」
って涙声じゃん! だらしないなあ!!
「図々しいなあ~ そんなヤツの事、好きって言うのぉ~?確かにキミは私のタイプだけど…キミがBLのキャラならね…」
私の憎まれ口も涙がらみで…ふたり抱き合ったまま、しばらくは…みっともなくグシュグシュしてた。
「ねえ主任!」
「何よぉ~色気ないなあ…でも私に囁くんじゃそうなるかぁ~?」
カレ、ズズッ!と息を吸って囁いた。
「惺子!」
私、名前を呼ばれてドキン!と弾かれた。
「…ハイ…」
「キスしていい?」
私、涙でモヤモヤしている目を開けて泣き笑いのカレを見上げ、確かめて
そっと
目を閉じた。
<おしまい>
p.s.
さてさて
それから
どのくらい後なのでしょう??
その後の
ふたりです。
結局三部作となりましたが…ひとえにお立ち寄りいただいた皆様のおかげです。
お礼申し上げます<m(__)m>
このカップル(言葉古い??)いい感じで、好きなので
いつか話をひとまとめにしようかな…
あと、イラスト以外はあまりエッチにならなくて
良かった??(^_-)-☆




