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女商人は幕末から歴史を変える  作者: ネムノキ
女商人は変わった歴史に困惑する
26/29

 インドシナ半島から清を攻めている、本来主戦線となるべきフランスがぼろ負けした、というニュースが流れてきた。この戦線の清軍の主力を担っているのは、士気の高い志願兵なので、そこにイギリスからの武器が加われば、フランスといえど容易には勝てないだろう、と日露が予測していたら案の定だった。

 そして、満州を往くロシア軍から、嫌な報告が。

「焦土作戦かあ……」

 撤退していく清軍を追いかけると、徹底的に略奪され困窮した村や街が広がっていたそうな。あまりに酷すぎる、と彼らに最低限の住居や食料、薬を用意しているものの、その影響でなかなか進軍出来ないようだ。それでも、何回か会戦を行って清軍を蹴散らしているみたいだけどね。……その度に捕虜が増えて大変らしい。

 この食糧難を解決したのは、カナダだ。大量に食料を売ってくれ、更に赤十字社を結成して満州戦線に送ってきてくれた。お陰で、ロシア軍やイスラエル軍の食と医療はかなり改善された。

 でもさ、そんなに大規模に送ってきていいの? カナダの宗主国のイギリスは清寄りの立場だよ?

『既に我々カナダはロシアや日本が無ければ成り立ちませんからね。心配してくれてありがとうございます』

 ああなるほどね。経済的に無視出来ない、と。

 でも、イギリスから何か言われたらどうするつもりなの?

『その時はイギリス連邦を抜けるだけです』

 ……え本気で? 軍事的に悪手でしょそれ。

『その時は助けてくれるでしょう?』

 いや出来る範囲でなら助けるけどさ。東海岸はどうしようもないよ?

『大丈夫ですよ。モントリオールからバンクーバーまでの鉄道がそろそろ全線開通するので』

 何それ初耳。さては隠蔽していたな?

『情報はあげましたので、代価を』

 うわああくどいねえ。……そうだねえ、メープルシロップに投資したいんだけど、どう?

『……ま、それで手を打ちましょう』

 また上から目線な。

『これでも国政に携わる者なので、面子というものがあるのですよ』

 まあ、駐日大使だしねえ。そういうことにしとくかあ。


 こうしてカナダの協力を得た連合軍は、ゆっくりと清へ侵攻していく。その代価として、『奥州グループ』はカナダへの影響力をさらに強めていくこととなった。

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