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0006 悪魔を殺すということ=◯◯

 そして、破壊されたドアから見えるのは悪魔がこちらに向かって歩いてきていること。それも、二桁は余裕でいる。


 生徒会長は、気絶はしていないようだが痛みで呻いていた。勇ましく数分前に出ていった姿には見えなかった。



「眷器顕現:聖癒乃杖(チユノツエ)

 ベリアルの真似をして、眷器を取り出すことができた。だが、出したもののどうやって使えば良いのか、まったく分からない。


『レイ。念じてみて、回復しろ~って。そうすれば良いからね』

「アドバイスどうも。的確だな……」


 回復しろ~。回復しろ~。と言われたように念じて見る。あら不思議、少しずつ傷が癒えていく。


 全身の傷は塞がり、生徒会長は立てるようにまで回復した。そして、聖癒乃杖は役目を終えたかのようにすぅ、と消えていった。無くなった訳ではないのは感覚的にわかる。



「えっと。あなた、所属は? そんな力を持つ眷器、見たこと無いのだけど」

「すいませんね。無所属のフリーな契約者で。それと、あくまで助けたのは俺のエゴです」


 ゆっくりと生徒会長が、弓を構え矢を放つ。的確に悪魔の心臓部を貫いた。消えるように悪魔が倒されていく。それと同時に、生徒会長の顔が少し青くなった気がした。


「なるほど。心臓が弱点なのか」

「手伝って貰える? 契約者さん」


 生徒会長が俺に向かってそう言った。断る筋合いもないので、コクリと頷いて外へと走っていく。



「ベリアルっ!」

「はいよっ。レイ」

 なんとなく叫べば、返事が返って来た。校門の前にはいるらしい、小さくて悪魔の影に隠れているようだが。


 スパッ、スパッと音がすれば悪魔が倒されていく。だが、心臓ではなく



「眷器顕現:堕天乃刄(ダテンノハ)

 昨日、見た灰色の刀剣が現れる。それを持って悪魔へと走っていく。近くで見ると確かに禍々しい。発狂しそうな程に怖い。それに、レイよりも2mは余裕で大きい。


 それよりも、家族の仇だと考えると少しはマシになった気がする。剣道なんてやったことはない。喧嘩などはしないように生きてきた。



「家族を殺された恨みだっ」

「ギャっ。」

 思いっきり心臓が斬れるように斜めに切り落とす。案外、硬くはなくすっぱりと切り落とせた。


 なにか石のような物をパキッと切った感覚があった。



『どうして、僕は悪くない。悪くないよ。アイツらが悪いんだ。僕を馬鹿にするのがいけないんだ。特別でありたかった。強くなりたかっただけなのに。馬鹿にするヤツは皆、死んでしまえ!』

 切った途端に、そんなドロドロとした負の感情が流れ込んできた。死、恐怖、不安、私怨、様々な思いが眷器を通じて流れてきた。



 その一瞬の硬直を、悪魔が見逃す訳はなく、多くの悪魔が俺を殺そうと襲ってくる。


「レイっ」

 ベリアルが一瞬にして、悪魔達の心臓を切り捨てる。そこにはレイと同じ、堕天乃刄が握られていた。



「言ってなくて。うんん。黙っててごめん。悪魔は殺したらその人の思いが聞こえてしまう……」

「そう、みたいだな。驚いた」


 だが、レイの目には恐怖は宿っては居なかった。直ぐに悪魔に対して堕天乃刄を向けた。


「悪魔になった奴の思い? 僕は悪くない、だぁ? 知ったことかっ。引き金を引いて良いのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」



「かかってこいっ! 悪魔共ぉっ。俺はここに立っているぞ」

 悪魔の心臓を、今度は明確な意思の元で引き裂いた。またも同じように聞こえてくる怨嗟の声。だが、それをも無視して刃を振るっていく。



 それでも悪魔は減らない。レイは一人で恐らく数十もの悪魔を殺している。それでも、全然減らないのだ。どこからか供給されているかのように。



「ホォ、人間ノ中ニモ、骨ノ有ル奴ガ居タカ。来イ、勇マシキ天使ノ傀儡ヨ。我ガ相手シテヤロウ」


「ぐぅ、なんだコイツ」

 そこには、先程の悪魔とは比べ物にならない程に小さいが、圧倒的な存在感を持つまさに親玉という悪魔が立っていた。




「イッツ、ショウタァ~イム」

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