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0004 非日常への前夜祭

「ふぁぁぁ、そこ。そこが気持ちぃ」

「これで最後だからな。次からは絶対にしないからな」


 翼をシャンプーで洗い、温水で流している最中である。ちなみに翼には、ボディーソープがいいか、シャンプーがいいか迷った。最終的には勘でシャンプーにした。



 ベリアルの後ろには着替えたレイがひたすら翼だけを見ていた。それ以外は一切見ていない。一応、前は隠して貰っているが。

 翼は意外と暖かく、癖になりそうな柔らかさではあった。だがものすごく疲れる。なんと言うか、形容しがたい疲れが洗っているだけなのに訪れる。




「ふぅ。気持ち良かったよ。ありがとね、レイ」

「そりゃどーも。こっちはヘトヘトだがな」

 ベリアルの着替えなんて、と言うよりも女物の服なんてまったく持っていないので俺のジャージを貸している。


 翼が地味に干渉するらしく、腰の辺りがかなりモゾモゾしているが。



「あ、そうだ。ベリアル、お前の姿って俺以外からはどう見えるのか?」

「えっとね、そのまんまだよ。翼以外は全部見えるよ」


 そうなのか。翼は俺にしか見えないと。なるほど、なんか凄いな。ダボダボのジャージ着て、強そうには見えないが。




「そうかい。今日はもう疲れたから。寝るけど、ベリアルはそもそも睡眠が必要なのか?」

「いや、要らないよ。そもそもに寝るっていう概念ないしね」


「ポテト食えるのに?」

「ほら、道楽として? 消化されずに分解されるだけだよ。一応、五感はあるからね」


 まだ覚えていたのか、と小さくベリアルが呟いていたのはばっちり聞こえていたがあえて無視した。



「んじゃ、お休み」

「お休み~」




 隣の部屋に行き、ベッドに横になった。いきなり現れた堕天使と会って数時間しか経っていないのに、随分と仲良くなったものだ。まるで、昔からの幼馴染が家を訪ねてきたような感覚だった。実際、俺にはそんな経験は無いから分からないが。


 だが、心のどこかで裏切られるかも知れないと囁いている。利用するために近づいてきたのかもしれないと、そんな風にも思ってしまう。



「まぁ、いっか。その時はその時で考えれば……」

 考えるのを放棄して微睡みの中に意識を埋めていく。ゆったりと、夢の中へと旅立っていった。





「ねぇ、レイ。起きてる?」

 ガチャリと扉を開けて、ベリアルが入ってきた。レイからの返答はない。完全に眠ってしまっているのだろう。



 すたすたと歩いて、レイの顔を覗き込む。すやすやと眠っているレイの顔がそこにはあった。



「ボクは眠らなくても良いからね。キミが寝ると暇なんだよ。だからさ、独り言を呟いておくよ。聞こえていても構わないさ」


 ベッドに腰かけて、ポツリポツリと語り始めた。それは、昔話のような、物語のような話だった。だが、それを聞いていた者は誰一人としていない。

レイ「なぁ、ベリアル。自己紹介しようぜ。互いにな」

ベリアル「いいよっ。じゃぁ、ボクからするよ!」

レイ「いいぞ」


ベリアル「ボクはベリアル。生まれてから84年は経ってるよ。生まれたのは5/4だよ。好きな食べ物はカルピヌの原液だよ」

レイ「ちょっと待て、あの白い乳酸菌飲料の原液をそのまま飲むのか? カルピヌウォーターじゃだめなのか?」


ベリアル「ボクからしたら、カルピヌウォーターなんて邪道だよ! 真のカルピヌ好きは原液を生で飲まなくちゃ!」

※あくまでも堕天使の考えです。真似したら多分いけません。


レイ「俺は、天津 澪。16歳で1/1が誕生日だ。好きな食べ物とゆーか、飲み物は麦茶だな。嫌いな食べ物は何もないな」

ベリアル「うわっ。普通。しかも麦茶って。お爺ちゃんなの?」


レイ「うるせっ。ベリアル、お前だってカルピヌの原液が好きってガキか」

※あくまで天津 澪の意見です。


ベリアル「なにぃーっ。カルピヌの良さが分からないなんて!」

レイ「お前こそ、麦茶の良さが分からないのか」


暁月夜「いやっ、炭酸水が一番だぁっ!」

※あくまで作者の意見です。人それぞれ好みによります。



レイ&ベリアル「いや、お前誰だよ!」

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