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リカーナの学園生活  作者: 中沢 文人
1学期
3/47

入学式2

心臓に悪いおじさんと別れたあと、私たちの秘密の通路を通ります。ここは小学生が通れるくらいの通り道があるのです。そこを通ると、学園に向かう通りに出るのです。


「カーナ、あのおじさんにこの道を教えちゃったけど、ちゃんとわかってもらえたかな?」

「たぶん、わかってくれたと思うよ。」

「そう?ならいいわ。」


すこし進むと何台か止まっている車を見ます。お嬢様学校なので、レッドカーペットがよく敷かれるのです。ここは超大国、龍霊国。しかし王の正体はあまりしられていません。が、私は知っています。だって、お兄ちゃんとお姉ちゃんが王様をやっているんだもん。天龍学園の理事長もお兄ちゃんです。けど、別に香菜は裏口をつかう入学はしていません。ちゃんとお勉強もしましたし、テストも受けました。


「ねぇ、あの子…」

「うわ、何あれ。」


こういう言葉にはなれています。というよりも、気にしていません。大切なお友達は、オッドアイも気にしないのです。


「あら、見かけない顔ね。どこの令嬢かしら?」


6歳児とは思えない高圧的なオーラです。


「私はヴァーン・リカーナです。」


相手の礼にすかさず返します。ルーシャは最初の名前で呼ばれているのに、なぜ香菜は後の名前でよばれているかと言うと、どっちも名前なので、どっちでもいいからです。しかし、急にクォルドヴァーンっていわれても反応できないので、リカーナ、という名前で通しています。


「へぇ、聞いたこともない名前ね。それにその目も、気持ち悪いわ。」

「そーですねー。」

「隣の貴方は?」

「ルーシャ・レストです。」

「そう。貴方も聞いたこともないわね。裏口入学ですの?卑しいことですわ。」

「そーですねー。」

「いいですわ。わたくしはニーナ・フェン・ノットですの。以後お見知りおきを。といっても、あなた方のような庶民からの成り上がりにはもう会わないと思いますけど。では。」

「そーですねー。」


天龍学園がいいっていったのは香菜だけど、こういうのは面倒だなぁ。それに聞いたことも無いのは当然で、ファミリーネームを言ってないですし。


「カーナ、あの令嬢、私達のファミリーネームを聞いてもいないのにあんな態度をしていたわね。けど、ヴァーンは流石にわかったと思うんだけど…あとで必ず悔やむわ。」

「うん。だって、魔王さんたちに救われた世界は何回あったかわかんないもんね。」

「邪龍顕現が一番大きい出来事でしょうね。」


邪龍、すこし心が病気のお姉ちゃんです。何回も何回も呼び出されては利用されて、もうこの世界がいやになって本気で顕現したそうです。そのときアルヴテリアは2つにわれました。…主にパパが原因で…


「けど、オッドアイが気味悪いのはその通りだし…」

「私は綺麗だと思うんだけどなぁ。」


香菜がオッドアイになった理由は、パパのドジが原因だそうです。パパの力の半分の要領のはずが、パパの要領そのままが受け継がれて、それとママの要領も合わさって、力を制御できないそうです。なので、その力を目と髪飾りに分けているのです。神様の力と、その神様の一部のはずの時の力が合わさって、香菜は時に特化したのだそう。なので、パパよりも時に関しては得意なのです。それと、パパの要領がすべて受け継がれているので、パパと同じくらい力が使えます。


「それじゃ、学園のなかに入ろっか。」


正面玄関には、下駄箱がおいてあります。ですが、これにはパスワードがかかっています。靴の盗難や、爆発物、手紙とかを置かれないためです。そのパスワードには、パパの直系の魔法の刻印魔法がつかわれています。パパ、すごいです。


「えっと、たしか魔力を通すだけでいいんだよね。」

「うん。刻印が登録者の魔力を識別しているんだって。」

「識別って?」

「うーん…分けてるって意味かなぁ。」


香菜もよくわかっていません。ですが、大体はわかります。幼生学園を卒園したので。


「うわぁ、上履き、かっちかちの革靴だわ。すっごく硬い。」

「本当だ。でも、足のサイズにあわせてぴったりだとはきやすいよね。」

「そうね。靴下の厚さ分も空けてあるし。」


ちなみに、香菜は赤のリボンが靴下の上の方についてる、白いニーハイソックスです。ルーシャは黒で、膝下らへんまでのハイソックスです。薄さは5ミリです。


「さて…いよいよクラス分けを見に行く時が来たわよ…ドキドキするわね。」

「うん。緊張するね。」


さて、香菜のクラスは…A,B,C,DのうちのAでした。実技試験が良かったからでしょうか。ルーシャは魔法、香菜は体法です。体法とは、要は体術です。香菜は体育が得意なのです。しかし、ルーシャほどではありませんが魔王さんから教わっている魔法も使えます。時が得意です。


「ルーシャ、何組だった?」

「…Aよ。カーナは?」

「うん!やったねルーシャ、香奈もAだよ!」

「ふん、まぁ当然ね。」


とか言っているルーシャですが、幼なじみの香菜からみると、すっごく安心した顔をしています。


「じゃ、A組のクラスにいこっか。」

「そうね。どっちだったかしら。」


今のルーシャはお嬢様言葉です。でも、香菜はお嬢様言葉は使いません。お嬢様じゃないので。


「あ、ルーシャ、こっちみたい。」


A組、B組、C組、D組はそれぞれ教室が離れています。ここはお嬢様学校なので、成績下位の人を見下すような人がいっぱいいるからというのもありますし、実技授業の時間になると教室を変えるのですが、その教室が筆記授業の隣になっているのです。A組、B組、C組、D組の実技教室にはそれぞれの実力にあった障壁があるのです。その障壁を試験で破れたら、いまの組よりも上の組へと行けるのです。しかしA組は上がる組がないので、特A組へのポイント集めになるのですけど…特A組とは、もっと実践的なことをする組です。特A組は初等部3年生からなので、それまでにポイントを貯めないといけません。初等部3年生になったあとでも、ポイントが一定値を超えたら特A組にいけるようになるそうですけど。ポイントの貯め方は、A組の実技教室の障壁を破る、体法魔偶ていほうまぐを破壊する、等がポイント集めの基本だそうです。体法魔偶は体法の授業のテスト専用の道具で、普通は壊せるものじゃないのです。体法魔偶でのテストは体法魔偶とどれだけ打ち合えるか、どれだけ持ちこたえられるかなどです。この体法魔偶は、組ごとに耐久力がちがうので、体法で成績上位の組にいきたいのであれば破壊しないといけるようになりません。


「また得意げな顔して、本当にどうしたのよ。」

「あ、ううん。なんでもないよ。」


ちなみに飛び級はありません。1年で学ぶ学習を教えきれていないそうなので、飛び級できるほどなら教えきれてないものも学べ、ということで飛び級どころではないからだそうです。天龍お兄ちゃんがいってました。


「席はどこかしら。」

「あ、あそこじゃない?あ、ちょうど前がルーシャ、後ろが香菜みたい。一番近くでよかったね、ルーシャ。」

「そうね。同じ組といっても、席が遠いのは心細いものね。」


席順は、魔法成績上位が1列目、体法成績上位者が2列目と交互になっているようです。あと、女子成績と男子成績にもわけていて、

黒板

魔法成績上位の:女子男子女子男子…。←横1列目

体法成績上位の:女子男子女子男子…。←横2列目

魔法成績中位の:女子男子女子男子…。←横3列目

体法成績中位の:女子男子女子男子…。←横4列目


という席順です。左から順に成績上位者です。席の形は大学生がよく使う扇状ではなく、四角形です。横1列に合計4人というわけではなく、12人です。なぜこの席順になったかというと、成績上位者同士が交流することで、もっと発展させていこう。ということなのだそうです。交互になっている理由は、自分の位に近いべつの体法・魔法者と交流をして高めあおう、という意味があるそうです。天龍お兄ちゃんがいってました。


「…カーナ、行かないの?」

「あ、うん。ごめんルーシャ。」

「今日はどうしたのよ。」

「あ、ううん。神の見えざる手が、今朝から働いてるみたいかなぁ。」

「なによそれ。」

「ううん、なんでもない。」

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