表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リカーナの学園生活  作者: 中沢 文人
1学期
28/47

話の続き

リリーナ視点で会話が多くなっています。ちょっとキャラ崩壊。下ネタも入ってますので気をつけて下さい。

「で?いつなんだ?」

「まぁ急ぐな。いつかって言われると…そうだな。3600年前くらいか。」


もうそんな前なんだっけ。大分寝てたから、よくわかんない。


「俺が時空転移したのが約3500年くらいだから、俺が時空転移する100年前か。知らないわけだ。」

「まぁ俺が魔法の力を伸ばすことに貪欲になるきっかけだからな。」

「あの時のお前は狂っていたようだったしな。」


私はよくわからないけど、お兄ちゃんがお兄ちゃんじゃなかったような気がするのはよく覚えてる。あのときからよく寝てたけど、優しくしてくれたっけ。あのときの表情や景色がどんなふうだったのかは目が見えなかったから分からなかったけど、迷惑も一杯かけたよね。


「リリーナ・クルス・レン・リュ・フォード。フォード王国の第一王女のリリーとフェルオス公爵家の長男だった俺は、まぁ政治的な付き合いでもよく会っていたが、それなりに仲が良かった。まぁ将来政略的に結婚させられるということは薄々分かってはいたが、悪くは思っていなかったな。」


その時の記憶はないけれど、記憶のない私にも優しくしてくれたお兄ちゃん。


「だがまぁそんな日常はヴァーン、お前がフォード王国を知らないんだから続いてないって裏付けるようなもんだよな。俺が8歳、リリーが6歳のときだ。周辺国がいきなり戦争を吹っ掛けてきやがった。王はリリーを王城はあぶないからと公爵家に預けたきり帰って来ず、俺の父親も戦争で指揮を取るといって出ていったきりだった。そんな環境でも無邪気でいたリリーに救われたことは何度あったか。けどまぁある日、敵兵が街まで来てな。すぐに燃やし尽くされた。当然、それだけじゃ終わらねぇ。屋敷まで敵の兵が入ってきた。母親は俺らを隠し通路から逃がすために無様に逃げ回ったさ。そして壁一枚隔てた先で犯されながら殺された。そっから先はまぁ…本物の地獄(邪龍顕現)を見てきたあとじゃなんだが、苦しい日々だったさ。なに不自由のない公爵の坊っちゃんが途方にくれ、女子供1人連れて放浪。1日食う飯もあったもんじゃねぇ。それでもリリーがいたから頑張った。森の奥の巨木の上に隠れ家を作って、狩りをして。その頃になると食えるもんと食えねぇもんも見分けがつくようになってたな。その後何年かして暮らしも安定してきたある日、街に生理用品もろもろ生活必需品を買いにいって帰ったとき、なんかリリーが邪神になってた。」

「いや軽くない!?」

「いまじゃ驚いたなぁで済ませられるが、当時は正体もわからず焦ったもんだ。医者にかかるよりも自分で調合した薬のが効き目があるものを作れた俺だが、それでも原因が不明でそんときゃ邪神なんて概念もなかったからな。」

「で、なんでその邪神の名前が分かったんだ?」

「あぁ、それは最近知ったんだよ。リリーが人間としての体を安定させられるようになってからだ。だから子作りもできた訳だしな。そのことは後で話す。」


その時のことを思い出すと、すっごく恥ずかしい…けど、幸せだった。


「リリーの脳内の過去を見た。見えた景色の先は、結構はっきりしていた。俺が狩りで狩った獲物を街に捌きに出ていった後しばらくして、日課だった花畑で薬草を取りに行く途中、空間の歪みを見つけた。」

「どうでもいいが森んなかだろ?危なくないか?」

「俺の縄張りっぽくなって、獰猛な生物なんかも手下の奴以外近寄りもしなくなってたんだよ。で、その空間の歪みの近くに倒れている女性を助けに行ったところ」

「体を乗っ取られたと?」

「いや、根っこが絡まって転んだ拍子にとどめをさした事が原因だ。」

「どっかの誰かさんと同じね。」

「う、うるさいなシャナ。」

「で、罪悪感を覚えたリリーナは女性に倒れている原因を聞き出し、空腹ということを知って、食べ物を取りにいたのはいいが全部毒があり、知らずに全部食った女性はさらに瀕死に追い込まれたとさ。」

「ますます同じね。」

「うっ」

「そっから体を差し出し宿主となることで女性の回復を助ける作戦を遂行。だがまぁ食い尽くす勢いで体に入られ見事邪神化ってわけだ。」

「で、本当のところは?」

「空間の歪みで泣いている女性にどうしたのと聞き、死にたいというから諦めちゃだめと励ましたけど駄目で、ならどうすれば死ぬのと聞いたら代わりに力を引き受けてと言われたので了解したら邪神を継承したっぽい。これは過去の記憶を映像として読み出す魔法から知ったことで、リリーは邪神化にともなってそれ以前のことは忘れている。」


お兄ちゃんがなにか懐かしい感じがしていたのはわかってたけど。


「あん時は大変だった。リリーは記憶を失い視力も喪って、俺がいなけりゃなにもできない奴になってた。手下のトラに食料調達させなきゃ食うもんなくて死んでた。」

「だがまだ魔法の道を進んでなかったんだろ?」

「あぁ。きっかけはまた戦争だ。森が焼き払われ、なすすべもなくすべて焼け落ちた。必要なものだけを、といっても持てる物には限りがあった。なんせ背中にはリリーを背負ってんだかんな。まぁそれでも数日分の食料を持てたのは狩りで培った肉体様々だろう。でもまぁ不運は続くもんだ。逃げる途中で兵士にみつかり、殺されそうになった。リリーもいやらしい目付きで見られてたがな。いつかの再来ってわけだ。悟ったさ。神に見放されていると。まぁそんときゃ神なんてのは不在だったわけだがなくそったれ。」

「悪かったな。時空転移しちまって。俺も心がやられてたんだよあん時は。」

「まぁいまじゃ恨んでもねぇよ。で、そんな危機的状況での救いが邪神の魔法だ。さっきまで俺たちを殺そう、犯そうとしていたやつらが一瞬で肉塊どころか灰になって風に吹かれて消えていった。人間とはなんともまぁ儚い物なのかと思ったなぁあんときは。そっからだ。魔法の前には人間など塵に等しいと思ったのは。魔法にできない事はないと思ったのは。そうして俺は魔法を極めると誓った。リリーを救うために。リリーを守るために。」


は、恥ずかしい…


「うん。あのさ。お前の過去話を聞きたいわけじゃなくてね?邪神の名前と正体を知りたいの。」

「まぁまて。その誓いから…」

「お前語りたいだけだよね?」

「まぁそうでもある。その誓いから俺は魔法を極める道をひたすらに進んだ。最初は初歩中の初歩。熱魔法からだ。ある程度操れるようになったら今度は与える方ではなく奪う方へ。次は…まぁ当時はよくわからん魔法と呼んでいたが、運動力魔法。次は大地、空間、闇、時魔法の順だ。時魔法が難しくてな。時の流れを限界まで遅くするというのはできていたが、時の流れを逆流するのは無理だった。対物にはかけられていたんだが。リリーもそれを応用して肉体の老化を遅延し、意識を無くすことで長引かせていたわけだが。」

「まぁお前のいうある程度が世間でいう天才の域ということはともかく。それで?」

「とりあえず俺は肉体の老化を止める方法を探した。」

「うん、大事だよな。でも今は肉体の若返りに成功しているよな?どんな方法で?」

「ひたすら反復練習のみ、だ。200年くらいで1秒に1,2秒だけ肉体を若返らせることができるようになり、800年くらいになると1秒に2秒は若返らせることができるようになった。それを他者にかけるようにするのに2000年かかったな。」

「へぇ、お前が。魔王と呼ばれるお前がか。」

「あぁ。なにより権限が足りなかった。魔力が言うことを聞かなかった時は無理やり言うことを聞かせ魔法を使っていたが、いつからだろうか…思えば勝手に魔法になっていたのは。いつしか俺がやると思った時点で魔法が発動するようになった。しかも魔力回路も使わず、念じれば勝手にその事象が起こる。」

「おい、その時点でもう俺とやってること一緒じゃねぇか。要はあれだろ?お前、体内の魔力だけじゃなく、星の魔力が勝手に魔法を発動させるようになったってことだろ?そりゃもう魔法じゃなくて天災だ。」

「あぁ、俺もそう思ったから魔理(まこと)と呼んでいる。だがまぁ…星を出ちゃ魔理なんか使えねぇよな。」

「星が代わりに魔法使ってるようなもんだからな。星から出ちゃなんもできない。魔力がないのだから。」

「そうだ。だから俺は体内の魔力を増やすために肉体改造をした。」

「肉体改造?なんだそれ。お前人間の体じゃないのか?」

「いいや。日々ひたすら筋トレ体幹トレーニングをやり食生活を見直せば魔力回路も図太くなる。」

「なにそれ知らねぇんだけど。歴史的大発見じゃね?てかそんなんで魔力貯蔵量が増えるのか?」

「いや増えないけど。ただ魔力回路が肉体に引っ張られるように強固になり、魔法の威力が上がるだけだ。魔力貯蔵量は関係ない。ただ肉体の強度が上がることによって身に過ぎた魔力を体に取り込んでも体が崩壊しないようになる。ルーシャの場合も肉体が未熟だからまだ上手く魔力をコントロール出来ていないわけだな。さて、話を戻そう。そうして俺は魔理の域に達し、過去を見れるようになったわけだ。そしてリリーの肉体も安定させられるようになった。リリーを眠りから目覚めさせたのが10年前。リリーの記憶を見たのが6年前だ。」

「その4年間は?」

「リリーの体を隅々まで調べた。」

「ロリコン」

「ヘンタイ」

「エロスケベ」

「おいシャルナ。茶淹れに来ただけなんだから話わかってねぇのにヘンタイとか罵倒すんな。それとリリーお前まで?『お…兄ちゃ…んな…ら……いい…よ?』とか言ってたじゃんかふざけんな。エロスケベとかなに考えてんだこのむっつりが。」

「そんなこといってない。」


脳内お花畑はこれだから困る。魔法のことしか頭にないんだ。それとロリコンも否定しろ。私は身長も胸もお尻も小さいけど3600年は生きてるんだぞ。…いまの肉体年齢は24歳でしかもほとんど寝てたから精神年齢も若いけど……


「冗談はさておき。」

「冗談だったの?」

「冗談じゃねぇけど。」

「ふっ、冗談?」

「いいからシャルナお前は茶入れたらどっかいけ!ヴァーンもリリーも黙ってろ!調べたのは体構造、遺伝子、組織、成分、配置、何から何まで全てだ。肉体機能を阻害している原因を探り、それを最適化してやる。そうすりゃ目も見えるようになった。今日も好調だろ?リリー」

「うん。今日ヤれば双子ができる。来週は安全日。何発でもオッケー。」

「とまぁ自分でも体調の自覚ができるようになった。あとで覚えとけリリー。当然脳ミソも隅々まで調べた結果、邪神は記憶を司るところを中心として体を組み換えているとわかった。記憶が無くなったのもその記憶が邪神になったのだから筋が通る。物覚えができるのも邪神が記録しているのだから筋が通る。こんなもんだ。邪神を調べることで過去の記憶を知れた。」

「やっときたか。邪神の正体。」

「邪神の正体、それは『ダークネスルーラー』が 1柱。魔女達の支配者、ダークロンド・マスターオブワルプルギスだ。」

「ま、まて!!『ダークネスルーラー』だと!?6柱いるうちの1柱が行方不明だと聞いているが、それをリリーが継承したのか!?」

「そうだ。」

「神の…神々の天敵にして仇敵だぞ!!?こいつは…リリーは一生…いや、永久に神々から命を、他の邪神から命を狙われることになるんだぞ!!っ!?…だからか。だから侵略者が多いのか!!」

「落ち着け。」

「落ち着いていられるか!この世界は敵に侵略されることを永久に約束されているということになるんだぞ!!」

「不便はあったか?」

「むしろ楽しいまである。続けてどうぞ。」


なんという変わり身の速さ。殺されちゃうのかな、追い出されちゃうのかなってちょこっと……いや、本当は凄く怖かったけど、ヴァーンらしい。


「で?そのダークロンド・マスターオブワルプルギスがどうしてこの世界に?」

「それは本人に聞いてくれ。」

「ほう。」

「初めまして、かな?神龍アルス。私はダークロンド・マスターオブワルプルギス。名前長いからダクロンでいいよ。人間の頃の名前は忘れちゃったし。」

「オッケーダクロン。で、なんでこの世界に?」

「最初はあなたに殺されに来たんだよね。運命を書き換えるドジで約束…制限された未来を変えるというあなたに。でも来たときは居なかった。絶望したよ。本当はいなかったんだって。殺してくれるという希望が大きかっただけに、絶望も大きかった。だからなりふり構わなかったんだろうね。リリナンにこの辛さ、苦しみを押し付けて消えてしまいたいと思った。まぁ結局消えられなかったんだけど。」

「なんで死にたいと?」

「永遠の命なんて寂しいだけ。下手に強大な力を持ってるから皆と遊べもしないどころか殺しにかかってくる始末。そんな殺伐とした日常が嫌になっちゃって。一応魔女の中では頂点の存在だから既知外達の集まりにも参加してたけど、あいつらうざったいし。魔女歴の、年に1回は開かないといけないワルプルギスなんか企画考えんのだるいし今年は面白くないとかまた似たような企画かよとか合コン企画まだとかうざったいのなんの。何億回も繰り返してんだから企画考えんの大変なんだよこっちは。それに?なによババアって。外見年齢16歳よババアじゃないわ。くたばっちまえまったくもう。まぁいまは肉体年齢24歳のくせして外見年齢10歳の体だけど。小さいとちやほやされるんだね。リリナンの暮らし見てて思った。」

「なんだお前。覗き魔かおい。」

「大丈夫。あなたとのあーんなことやこーんなことは体が一緒だから痛みや快感も感じてた。3600年未経験で、しかも目の前の寝たきりで不自由な女を襲わないとかやるよねあなたも。どんな精神してるのやら」

「うっせぇ!昨日急に出てきやがったと思ったらなめてんのか。やりたいならやるぞ?」

「あら不潔。リリナンがかわいそう。」

「いいぜ表でろ。」

「いいの?あなた確実に死ぬわよ?嫁に殺されるなんて可哀想な末路ね。」

「やめとけ魔王。負けるのは確実にお前だ。」

「死ぬ前に腕の1本くらいは持っていけるぞ?」

「嫁の体を死んでも離さない…いい話ね。」

「オーケー分かった。もうスコーンも焼いてやらねえし遊んでもあげねぇ。」

「ご、ごめんなさいそれだけは勘弁してくださいなんでもしますから!(なんでもするとはいってない)」


いままで生きていきた中で格別に美味しかったこの男のスコーンには中毒性がある。全世界(・・・)の魔女が一番美味しいと感じてワルプルギスに持ってきたお菓子でも比べ物にならないんだもの。それにやっと見つけた初めて対等に遊べる存在。無くすのは惜しい。というか無くなったらまた鬱って死ぬ。


「そんじゃ、知りたいことも知れたしそろそろ開くか。」

「そうだな。おい、帰るぞ。」

「はーい。」


私たちは息をするように転移し、部屋に戻った…のはいいけどなんか一瞬で縛り上げられてた。


「お前ら共々お仕置きだ。スコーン置いといてやるからな。」


とぎりぎりのところで置かれるスコーン。これじゃ生殺しじゃん!


「ま、まってよお兄ちゃ~ん」

「お前まだワルプルギスだろうが。魔法もここだけ使えないようになってるかんな。そんじゃお休み。」


ごめん、ごめんて!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ