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リカーナの学園生活  作者: 中沢 文人
1学期
27/47

計画と星の権限

11月分

「さて、ピクニックに持ってくものや予定をまとめていくわよ。」

「うん。まず予定を決めてから必要なものを出していこっか。」

「そうね。」

「出発は朝の8時。魔車で3時間かけて龍霊山に行って、2時間くらいかけて山を登る。花畑についたら一旦昼食にして、終わったら少し遊ぼう。遊び終わったら温泉付近と小川が近くて2つのちょうど間にあるツリーハウスにいって荷物を置く。たしかツリーハウス、空間広げて4人寝泊まりできる部屋が40あったっけ。晩御飯は現地で取るとして…必要なのは着替え、シャンプーとかの洗面用具、調味料、釣具、ボールとかの遊べるものかな。」

「そうね。探索や冒険じゃないのだし、持っていくものはそんなにないわ。」

「それに、よく行く所だから庭みたいなものだしね。…あ、でも皆は初めての場所なんだった。だったら…期間限定でツリーハウスに矢印が向く装置を創造しておこう。」

「なに?そんなことができるの?」

「うん。あ、でもルーシャには作れないと思う。」

「それは…どういう意味?」

「ルーシャの実力が足りないんじゃなくて、単純に理解ができない、ルーシャの力の反対側だから。ルーシャは魔法を編むとき、過程から結果を生み出すでしょ?でも、パパや香奈とかがする創造は、結果しか生み出さない。…うーんとね、要は機械を作るとき、生物は部品からつくるけど、香奈たちはそのまま機械を生み出しちゃうの。」

「理屈がないということ?」

「そう。それはそうある、という概念だから、真似ができない。まぁそんな感じ。生物は創造しても機械みたいになっちゃうから意味ないんだけどね。話がそれちゃったけど、とりあえず用意しておいてもらう物は着替えと洗面用具だけかな?あとは遊べるおすすめの物。ボールとか基本的な物は香奈たちがもっていくとして。」


『コンコン』


と、ここでドアにノックが。


「はーい。」

「香奈たち、パンケーキ忘れてるわよね?持ってきたわ。」

「あ、お風呂上がりに食べに行こうと思っていたんだけど…」

「まだあまりはたくさんあるし、話も続きそうだし。シロップは色んなのがなかに入っていたからまた後で食べましょう。たぶん、味見もかねてだから後で感想を書いておかないと。」

「あ、ママも一緒に食べる?」

「そうね。お邪魔じゃない?」

「いえ、話も大方まとまりましたし、そろそろ甘いものが欲しかったところです。」

「そう、それはいいタイミングね。ちょっとまっててね、いまお茶も淹れてくるから。」

「ありがとうございます。」


5分ほどしてママが戻ってきました。


「ではいただきましょうか。」

「はーい、いただきます。」

「「いただきます。」」


はむはむ。しっとりとしていて、かつふわふわの食感。口のなかで粘っこくなり、甘味が増したと思ったら溶けて消えていく。ビスケット等の口の端に残るあの感じがまったくなく、お腹にもあまりたまらない、本当に別腹としてのパンケーキです。このパンケーキだけでもすごく美味しいのですが、さらにシロップがかかっているところを食べると…


「えへぇ~」


こんな顔になります。


「ルーシャ、顔、顔。」

「はっ!?油断したわ。」


ブルーベリーのような酸味が蜜柑を数倍甘くしたような柑橘系の甘味をパンケーキの甘味と同時に際立たせ、口のなかにしつこく残らないようになっています。そこにママが淹れたミントのような風味のハーブティーを飲むと…


「はふぁ~」


このような顔になります。


「ルーシャ、顔。」

「はっ!?」


ルーシャは顔に出やすいタイプなのです。


「いつ食べても美味しいわね…毎日食べても飽きないわ。それにお母さんの淹れたお茶が合わさると…兵器よこれは。」

「ふふ、ルーシャちゃんもお茶淹れるの上手いのに。」

「いえ、お母さんほどでも。これは本心です。」

「ありがとう。あ、そうそう。ルーシャちゃんは私のことをお母さんと呼ぶけど、リリーと同じでややこしくない?名前で呼んでくれてもいいのよ?」

「そうですね…ではシャルナさんと。ラピスさんは…ヴァーンさんでいいのですよね?」


ルーシャがちらりとこちらを見ました。


「そう。いい機会だとはおもったけれど、香奈も決心したのね。」

「うん。」

「これでもう、隠し事はなくなったわ。ルーシャちゃん、いつか話さなければならないとおもっていたけど…どのタイミングが最適かを考えていたの。ごめんなさい。」

「いえ、驚きもしましたが、納得もしました。そして…安心しました。」

「安心?」


さっきは言ってなかったことです。


「はい。高位龍、最高位龍はその存在が確定した瞬間に死が確定すると本で読みました。」

「えぇ、高位、最高位龍種は多次元時空同一存在。下位、中位の龍種は多次元同一存在だから、一緒に説明しちゃうわね。ルーシャちゃんはどこまで?」

「龍種は高位になった瞬間に死が確定する個体とそうでない個体がいるということだけです。」

「そう。それじゃ、もっと詳しく言うわ。多次元時空同一存在というのは、すべての次元と過去、現在、未来の自分は全て同じ存在ということ。異次元でその個体が殺されたら現次元でも原因が無くても殺されるし、過去、現在、未来全ての自分が今の自分だから未来に殺される予定の存在は高位になった時点で殺される。まぁ殺されても必ず死ぬ訳じゃないんだけどね。」

「ということは…中位、下位龍種は殺される可能性がとても高いと?」

「そう。だからアルヴテリアではあまり龍種が増えない。けど、龍種は簡単に殺せる相手じゃないのは分かるでしょう?」


天地を創造できるほどのお兄ちゃんお姉ちゃんほどではないですが、王位龍さんたちもそれなりに強いです。まぁ王位龍といっても高位龍のなかで一番強い、というだけですが。中位龍だけでも今の技術力でも大国が1月で半壊しますし、下位龍だけでも壊滅的な打撃が与えられます。


「中位、下位龍種は多次元同一存在というデメリットを負うことで叡智というメリットを得るの。」

「よく考えると…高位龍種は力が強ければ強いだけ将来的に殺される可能性が高い…ので、あまり害がない高位龍が残るから、今いる高位龍はあまり強くないのでは?」

「そうなるけど…力にあぐらをかかない、狡猾な龍ということよ。」

「単純に力が弱いとは?」

「ならないわ。るーくん…いえ、アルスヴァーンの力が発生した龍種の力を取り込もうとするの。けど、あまり消耗したくないのか一定の強さを持った化身を仕向けるの。それに勝ったのが今いる龍種。」

「でも、何回も仕向けるか、何倍も強くしてしまえばいいのでは?」


まったくもってその通りなのですが…


「たぶん、アルスヴァーンの力…いえ、これも話しましょう。アルスヴァーンから離れた力、魔力は選別をしているのでしょう。アルスヴァーンの有益となる存在なのかを。まぁその選別する場はアルヴテリア自身が持つ異空間だから、地上は荒れないのだけど。」


ここでアルヴテリアが持つ権限を紹介します。1つは『選別』。これはすべてアルスヴァーンという存在に有益かを選ぶための権限です。ここでいうアルスヴァーンとは、神龍アルスヴァーンのことで、終焉戦争に駆り出すための存在や使徒とするための存在を『選別』するのです。そして2つ目が『異空間保持』です。これは名前のままで、異空間を持てる権限です。3つ目は『強制転移・限』です。強制転移を限定的に使える能力で、選別対象を異空間に転移させる能力です。限定されているのは、有効範囲と使用条件。有効範囲は現次元で、使用条件は選別時に限る、です。4つ目は『スーパーノヴァ』。自発的にスーパーノヴァを発生させる権限で、人間でたとえちゃうと、奴隷にいつでも死ねる権限(他人を巻き込みながら)を持たせている感じです。これはどの星も持っているやつです。5つ目は『星・地球』で、ある一定条件下でだけ地球と同じ条件を持つ権限です。例えば、公転、自転、地軸、重力、気象気圧等々。権限というより制限ですね。しかし太陽は神々の炎でできているので、北極南極はないです。レストお姉ちゃんが今度極地でも作ろうかなと言っていました。そして最後に、『再起』です。地上のすべてを喰らい喰らい喰らいつくして星の糧とし、生命誕生からやり直せる権限です。判断は、星の化身が。星の化身とは、アルヴテリアの万物を司る物…いってしまえばお兄ちゃんお姉ちゃん達です。

ヴァーンはシャルナとリカーナに教えてないですが、最高位龍種と高位龍種には違いがあります。


最高位龍種:死ぬ未来が確定した瞬間次元が別れ、別れた次元の自分が反映される


高位龍種:死ぬ事象がない個体なので、そもそんな事がない。


後々リリーナの後天性の邪神についての話の続きも載せます

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