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リカーナの学園生活  作者: 中沢 文人
1学期
25/47

ハンバーグとリリーと親の形

「それじゃ、そろそろ晩飯にするか。」

「うん!今日の晩御飯は?」

「ハンバーグだよ。ルーシャちゃんの分も十分にあるから、いっぱい食べてね。」

「ありがとうございます。」

「ちなみに?」

「もちろん、るーくんも香奈も好きなチーズが入ってるやつ。」

「おっしゃ!手伝うぞ沙梛。」

「ふふ、るーくんと香奈の好物だからね。それじゃぁお手伝い、お願いしようかな。」

「私にもやらせてください。」

「それじゃ、ルーシャちゃんはリリーを呼んできてくれる?」


ママが言うリリーとは、リリーナ・トゥウェイス・フェルオス。ルーシャのお母さんのことです。


「分かりました。では行ってきます。」


そういってルーシャは転移門を開き、消えて行きました。転移門は残ったままなので、すぐに戻ってくるでしょう。


「よし、準備するか。」


久しぶりのママのハンバーグです。ルーシャのも美味しいですが、ママのハンバーグは格別です。



「それじゃ、空気抜いてくれる?」

「はーい。パパお願い。」

「おう。」


パパが異世界への穴をあけ、そこに肉だねをのせたトレーを持っていきます。


ここはパパが管理する世界の1つでパパの仕事とも関係しています。パパの仕事とは、ここ最近多発している終焉戦争の緩和、つまり終焉戦争の時の相手側の戦力を削り、最終的な被害を少なくする仕事です。これが神としての仕事で、アルヴテリアでの仕事は、投資家として活動しています。パパは無職ではないのです。


「んじゃ、まずは4つからいこうか。」

「はーい。」


この星は空気も澄んでいて、いずれ人類が生まれ、あと何億年かしたら近代文明になることが予想できます。地球より少し小さいくらいなので、重力も問題なし、空気も問題なし、海もあるので生命誕生の条件としては揃っています。唯一月がないですが、時が来ればパパが持ってくるでしょう。月がない星の生命も見たことがあると言っていましたが、不定形だったといっていました。


「香奈からいいぞ。」


肉だねを掴み、パパに向かって軽く投げます。続けて2、3、4と投げていきます。それをパパが受け止め、形が崩れないように4つの間隔が一定になるように調整して投げてきます。30秒くらい続け、慣れてきたころに。


「よし、これらはもう大丈夫だろう。やり過ぎても固くなるだけだしな。次は10個でやってみようか。」

「はーい。」


肉だねを浮かせ、さっきと同じように投げて投げ返されます。これを40秒つづけました。


「そろそろもどるか。」

「はーい。」


穴をくぐり、家に戻るとルーシャとリリーナさんがいました。


「お帰りなさい。」

「ただいまママ。それとリリーナさんこんばんわ。」

「こんばんわリリー。」

「こん……ばん…わ。カーナ…ちゃん……と…ヴァーン…」


リリーナさんはあまり喋らない方なのです。


「はいママこれ。」

「ありがとう二人とも。それじゃ焼いちゃうわね。」


ママがキッチンに行き、ハンバーグを焼き始めます。美味しい匂いが部屋いっぱいに広がり、これだけでもお腹がギューっと締め付けられるように破壊力があります。


「おっ今日はハンバーグか。ん、なんだリリーもいるじゃねぇか。」

「お…兄…ちゃん、お帰…り…」

「おっとすまん忘れてた。」


魔王さんがリリーナさんに魔法をかけました。


「おい魔王お前なにナチュラルに勝手に入ってきてるんだ。」

「いいだろ別に減るもんじゃねぇし。」

「ヴァーン、許してあげて?」

「リリーが言うなら…今回だけだぞ?」


魔法をかけられたあとのリリーナさんは普通の人が普通に話しているようで、とても聞きやすいです。それに声も澄んでいて、とても綺麗です。これはリリーナさんが出そうとしている音を魔法が読み取り、声帯をそれにあわせてふるわせるという魔法で、リリーナさんは言う、と決めた言葉にあわせてふるえる声帯と同時に口を動かし息を吐くだけでスムーズな会話ができると魔王さんが解説してくれました。


ちなみに、リリーナさんが魔王さんを兄、と呼ぶのは、兄妹だからです。近親婚は普通に認められている龍霊国ですし、アドお兄ちゃんとレストお姉ちゃんも言っちゃえば近親婚ですし。


「ハンバーグかぁ…ハンバーグかぁ…」


魔王さんがにやけています。魔王さんにも子どもっぽいところがあるということですね。


「ちゃんとディオの分もあるわよ。じゃないと作りおきの分があっても14個も作らないわ。」

「よっしゃ!おかわりできるか!?」

「残念おかわりはありません。」

「んだとヴァーン!?」

「その必要もないくらい1個が大きいのよ。」

「まじか!」

「お兄ちゃんが満足するくらいの大きさなら、私食べられない。」

「大丈夫だ。俺がリリーの分も食ってやる。」

「お兄ちゃん、食いしんぼだね。」


こんな魔王さん、初めて見ました。リリーナさんが一緒だからでしょうか。ルーシャも唖然としています。


「イ、イメージが…崩れていく…」

「ルーシャ、しっかりして…!!パパ達を見てればあれが1つの夫婦の形って分かるはずだよ!!」


ルーシャの中で崩れていっている物はたぶん、父親の形ではなく魔王の形です。ですので香奈にはどうすることもできません。


「よし、焼けたわ。熱は冷めないように(時を)止めているから、おいしく食べられるわよ。」

「おっしゃ!早く食おうぜ。飯はよそっておいたからすぐに食べれる。」


この白米はシホン産のお米をランドお姉ちゃんが好きに改良し、家で栽培している物です。水はキュリスお姉ちゃんとランドお姉ちゃんがミネラルと栄養たっぷりのを与え、田もランドお姉ちゃんが最高の土壌にした所で育てているのでとっても美味しいのです。これはもう反則といってもいいかもしれません。


「それじゃ―」

「「「いただきます。」」」

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