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リカーナの学園生活  作者: 中沢 文人
1学期
23/47

こだわりと萌え

「というか、瞳の色に合ってる水着なんて普通は売ってなくない?それならオーダーした方がいいと思うんだけど…っていうか、香奈達はなんでこんなに水着にこだわってるんだっけ?」


水着よりも靴下にこだわりたいです。


「それは…あれよ。子供の内にできることは全力でやらないといけないじゃない?そういうことよ。」

「それなら別に6歳からじゃなくったって…」


この歳では映えることもないと思いますが。しかし、青春(?)にこだわりを持つルーシャ。


「小さいからこその魅力があるの。大きい大人が小さい子どもの真似をしていたらゾッとするじゃない?」

「それは…そうだけど。でもなんで水着?」

「もうすぐしたら夏じゃない?夏になると、プールとか海とか。上流の川に遊びに行きたくなるでしょう?春だと、お花見とか、今度いくけどピクニックとかがメインでしょう?春の行事は持っている服で春っぽい感じにすればいいけど、夏、海に行った時に服しかなかったら泳げなくて困るでしょう?値段も安い方がいいし、なにより、この季節に水着のオーダーする人なんていないでしょ?」

「う…うん。」


うーん、まだ少し不服ですが…


「まぁ、水着はオーダーするって決まったんだし、デザインは家に帰ってからじっくり考えましょう。今日は…そうね、普通に楽しみましょうか。」

「そうだね。最初はどこにいく?」

「さっき、春には春っぽい服って言ったでしょう?まずはそれを見に行きましょうか。」


ミンストには大きく分けると3つの服屋があり、それぞれに対象とする客層があります。一般的なのはユニシロ。正式名称はユニシロアルヴテリア出張ミニス店で、香奈はどこかで聞いたことがあるのですが…気のせいでしょう。ユニシロが対象にする客は庶民です。上質な素材を安く仕入れ、安い値段でシンプルなデザインのを売るという大変お求めやすい値段になっていて、パパがアルヴテリアで最初に買った服はユニシロのだとか。次にチェッカーで、この店はスポーツをやる人向けの服が多く、素材もサラサラしていて軽く、通気性、吸水性、乾燥性に優れたものです。この店は服の他にも、スポーツ専用の靴や手袋、サーフボードやスケートボード等も売っていて、服屋というよりもスポーツ用品専門店です。最後に、上流階級、紳士淑女が対象のヘリエスです。その対象からか、素材も最上級のものをさらに厳選したもので、値段も高いです。しかし着心地は抜群。全てが買い主に合った物を作るべく、採寸はもちろん、どのような場所で何に使うかを聞き、用途にあった動きを快適にできるよう手縫いで生地の薄さや生地を変えていきます。デザインももちろんオーダー制で、買い主の好みの色や用途にあった色合いと柄、装飾を決めます。そして、香奈達が行くのはその3つではなく大手子供服メーカーのフェルナでした。



「うーん、水玉かぁ。ルーシャには物足りないよね。もっとこう…フリフリフワフワの服が似合うよ。」

「歩くのよ?社交界ならいざ知らず、野外で動くための服なんだから、そんなにフリフリでフワフワの服だったら邪魔で転ぶわ。」

「だよねー」


ルーシャは金髪金眼で、凄くお姫様っぽいです。金髪は金髪碧眼のお母さんから、金眼は黒髪金眼のお父さんからです。


「ラフな格好かぁ。上は…茶色のコートにして、中は白いシャツ、下は水色のスカートにしよう。」

「コートは家にあるわ。カーナはそうね…上は紺色のパーカー、中は黄緑色のセーター、下は薄ピンクのフリルスカートにしましょう。」

「パーカー持ってるから…買うのは白いシャツと水色のスカート、黄緑色のセーターに薄ピンクのフリルスカートだね。店員さ~ん!」


すぐに気づいた店員さんが来てくれました。


「なにかお探しですか?」

「はい、白いシャツと、黄緑色のセーターと、水色のスカートと、薄ピンク色のフリルスカートです。」

「白いシャツと黄緑のセーターと水色のスカートと薄ピンク色のフリルスカートですね。こちらです。」


店員さんについていくと、まずは白いシャツのところに案内されました。


「んーこの猫の柄がいいかなぁ。」

「ちょ、ちょっと…私には似合わないわよ…。」

「そんなことないよ?」


いわゆるギャップ萌えという奴ですね。


「それじゃぁこっち?」

「無地がいいのだけれど…」

「こういうのを着れるのも子供のうちでしょ?」

「うっ…」


さーてどれにしよっかな?


「あっこのウサギの柄がいいんじゃない?ルーシャウサギ好きでしょ?」

「なっ、なんでしって-」

「店員さんこれくださーい。」

「はい、承りました。次は黄緑のセーターですね。こちらになります。」

「ちょ、カーナ!?」

「わかった、わかったって。ルーシャの好きなブドウジュースを奢るから。」

「何もわかってないじゃない!?」

「大好物のスペシャルパフェも付けるけど?」

「そ、それなら…えへへ…じゃなくて!!」


む、しぶといなぁ。


「シャンゼのパンケーキも付ける!」

「…………わかったわ。それで手をうちましょう。」

「黄緑のセーターはこちらになります。サイズ確認をしてください。」


歩きながら交渉していたので、店員さんはルーシャとの交渉が済んだ所を見計らって、というかルーシャが断りづらいタイミングで案内してくれました。この微笑みはルーシャの可愛さへの微笑みと、確信犯の微笑み。少し遠回りしたのがその証拠です。


「黄緑色のセーターはこれだけかぁ。まぁセーターにバリエーションがあったら凄いと思うけど。」

「そうね。カーナは当然SSサイズでしょ?」

「うーん、ブカブカのセーターもかわいいよね。大きくなっても着れるし。」

「なら1つ上のサイズにしましょうか。」

「うん、店員さん、Sサイズください。」

「はい、次は水色のスカートですね。これらの中からお選びください。気に入った物のところに案内いたします。」


そういって、店員さんはパンフレットを差し出しました。


ルーシャに似合いそうなのは…っと。なるほど、パンフレットで一覧するだけはあって、柄や丈が違うものがいっぱいあるね。


「あ、このチェック柄のいいんじゃない?」

「そうね…これにするわ。」

「はい。では次に、こちらの中から桃色のフリルスカートをお選びください。」


ふむ。どれも可愛いなぁ。


「あ、これはどう?フリルは多くもなく少なくもないし、デザインもいいわ。」

「そうだね、これにしよっか。」

「承りました。取りに参りますので、レジにてお待ち下さい。」

「はーい。」


スタンプカードと、ポイントカードは、と。


ここへはよく来るので、レジに迷わずに向かいます。

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