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リカーナの学園生活  作者: 中沢 文人
1学期
13/47

君の命なんて…背負いたくないから。

「平民風情から王族へとなれるのだぞ?チャンスだとは思わないのか?」


カッチーン。ちょっと6歳だからって(香奈もだが)調子に乗りすぎだよ。王族だから甘やかされてるんだろうけど。この勝負、受けよう。


ルーシャ、横やりはやめてね?と、ルーシャの方を見ます。ルーシャは分かった、と言うように36人を流します。というか魔王さんは何をしているの…


「うん、いいよ。受けて立とう。」

「ふんっ、初めから受けておけば良いものを。それでは、いくぞ!カーナよ!」


うわ、気持ち悪い。愛称で呼ぶことを許可した覚えはないんだけどなぁ。


「ふっはっはっは!どうした、こんなものか!女の体法も落ちたものだな!女の首席が俺に手も足も出てないぞ!」


なかなかやるね。流石男子の次席。男子首席はどんな感じなんだろう。あと知らないのかな。香奈は体法首席・・・・だって。


「おらおら!俺に一発でも当ててみろよ!そんなものか?だったらあのマルスっていうやつも大した奴じゃないな!もうバテてきたのか?いたぶってやるぞ!」


わざとかすらせたり手加減しているのが分かります。そして、周りからの視線が痛いです。


「いまならまだ間に合うぜ?一回でも俺の求婚を断ったんだ。地に額をつけてディア様の求婚を断ってごめんなさい、これからは毎晩毎晩一緒に寝たいので結婚してくださいってなぁ!」


うわぁ、思春期本当に早いよ。最近の男の子ってみんなこうなの?ネットが普及している地球の日本人の男の子よりも早いんじゃないのかな。


周りが可哀想な人を見る目で見ています。そう、1人で騒いで1人で変な踊りをしている…デ…デ…デス?君を。


「それで、王子さんは1人で気持ち悪い踊りをして、誰と話しているの?」


うん、6歳とは思えない言葉使いをする王子に恥をかかせる作戦は成功かな。


「は?」

「聞こえなかったの?1人で踊ってて気持ち悪いっていったの。」

「なぜ、そこにカーナが?しかも無傷で…それじゃ、ここにいるのは…いない!?」


香奈の気に触れて頭がおかしくなったのでしょうか。ということはさておき、説明します。まず、香奈は魔法を一切使っていません。ではデス君はなにと闘っていたのでしょうか。正解は香奈の気です。気は上級者なら誰でも操れるもので、香奈にもできます。気というのは気配や体から漏れでる感情や仕草のことを言います。だから香奈はデス君と闘っている間、何も喋っていなかったのです。気は操れるようになると、相手を騙すこともできます。それを香奈は本気じゃない気をデス君だけに向けていたのです


「なに?まだ始まってもいないのに1人で踊って…あ、準備運動にイメージトレーニング?それにしても声に出す必要はないんじゃないかな?しかも大声で。恥ずかしい人だよ?」


うん、幼生学園で習った言葉をうまく使えてるかな。まぁ幼生学園で習う前に、生まれた時からこういう風に喋れたのですが。(*龍種は生まれた瞬間にある程度の知識を持つ。)


「な…な…なな、なんだと!?俺は恥をかかされたのか!」

「かかされたというか、自分でかきにいってたじゃん。幻影でも見てたの?保健室行く?」


クスクス、と周りから笑い声が。


「ふ、ふざけるなぁ!カーナ、お前はもう許さない!負かして泣かしてベッドの上で痛め付けてやる!」


うわぁキモい。周りも引いています。


「ふぅん、誰が誰を痛め付けるって?」

「え?いつの間に後ろに…バカな!転移か!?」

「さっきから当たらないブーメラン投げ続けて、痛くないの?転移じゃないよ。瞬間移動。それにさっきの言葉、香奈にも言えることだよ?別に、香奈があなたを負かして泣かして痛め付けても問題ないよね?だって、香奈を苛めようとしたんだもん。やる前にやられる準備をしないと、ね?昔の偉い、別世界を救った英雄は言いました。撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだって。ほら、その可哀想に思えるくらいの想像力で、自分より小さい女の子に苛められる想像をしようよ。」

「ふざけるなぁ!?」

「ほら、ブーメラン。あなたの頭と名前がふざけてるんだよ?昔の偉い人は言いました。名は体を表すってね。それじゃ、始まってもいない試合を再開しよっか。」

「絶対!絶対許さない!」


下手にプライドが高いとこうなるんだから。幼生学園で学んだことは多いなぁ。


「先、いいよ?」

「後悔するなよ?毎晩毎晩泣きながら孕んでと懇願するまで痛めつけてやる!」

「それじゃ、香奈は今でいっか。そっくりそのまま言葉を返すと性別が逆転するから、泣いて死にたい、殺してって懇願するくらいでいいや。」


孕ませるって、6歳の未発達な体で何ができるんだろう…家臣とかにヤってもらうとかな?それとも刺激するだけ?というか、どこからそんな知識が出てくるんだろう。香奈は生まれた時からある程度の知識は自動的に入ってくるし、幼生学園でちょっと習うし。

デス君は無謀に突っ込んで来ます。王族だからか、教育の一貫でちょっとだけ指南されたのでしょうか。なるほど、6歳とは思えない練度です。が、それは一般人と比べて。これじゃ、コーニス君の相手もできません。これでは体法の男子首席も期待できないですね。とりあえずちょっと、1%くらいの力を入れた一発をデス君の肩に。


「グッああぁぁぁぁ!」


そして砕け散った肉と骨を時魔法の再生で元に戻します。再生なので、傷は治っても痛みはあります。


「腕がぁぁぁ!腕が!!ある!?」

「どうしたの?ただの傷を癒す幼女パンチだよ?そっちが逝かないなら、こっちからいくよ?」


作った傷を一瞬で癒す幼女パンチですが。

お腹に幼女パンチをする直前、認識速度を0,3倍に。デス君の内臓なんて見たくもない。


「ぐほぉあ!腹が!ある?ぐがぁ!あしが!!あるだと!?ぐはぁ!胸がへこんで!ない!?なんなのぐぶぇ!」


しゃべってる暇があったら避ければいいのに。ちなみにマルスさんとの試合は全力・・でした。


「頭が飛び散って、ない!?なんなのだ!」

「次いくよー?」

「ま、まってくあ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」

「んー?バテるには早いよ?泣かせて痛めつけて孕ませるんじゃないの?」

「そうか、魔法か!?卑怯だぞ!?」


体法の場合、支援魔法、攻撃魔法感知機構が備わっています。あくまでも支援、攻撃魔法なので回復(?)魔法系統の再生は感知されません。


「感知されてないよ?大丈夫なの?頭。」

「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!いだい!くそがぁぁぁぁ!」

「トイレ行きたいの?漏らしちゃえ~。」


デス君の下半身を爆散させます。


「ぐぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!」


あ、デス君がおもむろに頭を下げようと………したところを蹴りあげます。


「が"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"!頭がぁ!」


飽きてきたなぁ。でも泣きながら死にたいってまだ言って(言わせて)ないし…それに一瞬で作った傷を作った瞬間に治してるから、周りには幼女にパンチされて過度に叫んでるようにしか見えないはずなんだよね。


「カーナちゃん、えげつない…」

「うわ、すげぇなこりゃ。」

「やっちゃえカーナ!」


まぁ流石にマルスさんと魔王さん、ルーシャには見えてるけど…コーニス君には赤いのが飛び散ったかな?くらいにしか思えないはずだし。ちょっと時空転移しよ。


と思って10分くらい時空転移(意識だけ)をします。


あ、まだやってるよ。デス君は泣いてるから第一関門クリアだね。次は死にたいって言わないといけないね。もうちょっと時空転移。


5分後


まだまだやってるね。


「死なぐふっ!」


あ、うん。時空転移。


3分後


「死なせてくれ!お願いだ!俺を…殺してくれ…」


あ、痛覚か精神が麻痺しちゃって痛みを無視して懇願してきた。そろそろやめよっか。


「君の命なんて背負いたくないから。」

「うっうあぁぁぁぁぁぁ!」


あ、倒れちゃった。一応記憶は戻しておこう。記憶だけだから、体はトラウマで反応しちゃうかもだけど。

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