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人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
真理の扉の鍵
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片隅ポーズ

(起きなさい、望)


ん、なんだセツか?


あれからみんなで寝てたのだろうか、時計は16時を表示していた


(ユウキが洗濯物を取り込みに行った)


部屋を見渡すとあられもない姿のみんなが布団の上に寝ていた


ナノチップのRECボタンを操作するが、なぜだ、AIが動かんぞ!


(阻止します)


くそったれめ!


セツの前ではAIは無力なのだ


せめて俺の網膜に焼き付けておこう


眼福発動!


(そろそろ良いかしら)


まだだ、あともう少し、あとちょっとだけ!


ズビシッと迫るセツの指


だがしかし…


見える、俺にもセツの指が見えるぞ!


(私の指を避けるとは、どうやら回復したようね)


そういえば、体の痛みも消えてるな


昨日の超人的な感覚も戻ってる


肉体的にではなく精神的にだけどね


煩悩チャージ恐るべし!



(作戦を説明する)


いまからサユリとユウキを連れてあの部屋へ行きなさい


そこで水ザッパーを探すのです


(セツさんちょっと良いですか?)


水ザッパーンと聞いた俺はすかさずトイレに行きたいですと主張した


(許可する)


あのあと、謎の青色の液体をセツに飲まされまくって気付いたら寝てたんだ


酒じゃないぞ、例えるならポーションみたいな感じだ


あの部屋の手前にあるトイレまでは、リビングから庭が見える廊下を通るのだが、そこでユウ姉を見つけた


庭には大量のバスタオルやら布団やらなにやらが干してある


トイレ行ったら手伝おう



 手を洗い廊下に出ると、ユウ姉が縁側に洗濯物を取り込んでいた


「おはようユウ姉、手伝うよ」


縁側に取り込んだ洗濯物を廊下に入れる


「あら、のん坊ありがとう」


雪が残る庭に干されていた洗濯物は、寒くてもしっかり乾いてるようだ


「風通しを良くするのがコツよ」


ユウ姉が優しく教えてくれた


天日干しされた布団もふかふかになっている


廊下で洗濯物を畳むユウ姉の姿は、西日に照らされすごく幻想的に映る


俺は夕日でキラキラ光るユウ姉に、気付いたら片隅ポーズを向けていた


「なあに?お姉ちゃんを撮りたいの?」


片隅ポーズとはカメラマンがやるあれね!


「あ、いや、綺麗だったからつい」


咄嗟にそんなことを口走ってしまったが、ユウ姉はまんざらでもなさそうだ


しかしすぐに、ふっふーんと怪しく光るユウ姉の目!


このあと、取り込んだ布団に押し倒され、めちゃくちゃされたのは言うまでもない

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