表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
真理の扉の鍵
88/710

スメルノゾム

「痛いですユウお姉様、割れてしまいますう!」


必死にユウ姉の右腕にタップして解放された


「ちょっと、どうしたのよその手は!」


俺の両手は皮が焼け、真っ赤に火傷している


待ってなさいとキッチンに向かうユウ姉


俺は先にセツを冷やしてくれと頼んだ



「いったい何があったの?」」


俺にも何があったのかさっぱりわからないのだ


「脳内で会話してたら、セツがいきなり叫び出したんだけど」


心配になってリビングに来たらセツが倒れてたんだ


セツはいま、濡れたバスタオルに包まれリビングの床に寝ている


冷やしてくれとユウ姉に頼むと


大量のバスタオルを抱え戻ってきた


バスタオルをセツにかぶせ、そこに水をぶっかけたのだ


いまは落ち着いた様子で、とりあえず一安心と言ったところだろう


「やっぱいざというときは、ユウ姉は頼りになるな」


ユウ姉に火傷を手当してもらいながらそんなことを話していると


「私が氷水用意したんですよ」


ユウ姉に対抗意識を燃やしながらセツに水をかけ続けているリュウ


「リュウもチコちゃんもありがとね」


チコちゃんはセツの周りを拭いてくれている


サユリはまだ寝ているのだろうか


自力で立ち上がることもできないほど力を消耗してるサユリが心配になる


「のん坊、わかる範囲だけで良いから説明してくれない?」


ユウ姉が説明を求めてきたのだが、チコちゃんの前で説明できるわけがない


何がきっかけでたがが外れるかわからないのだ


「ごめんユウ姉、いまはちょっと」


「そう」


悲しい目をする


が、すぐにいつものユウ姉に戻って


「じゃあとりあえず着替えちゃいましょうか」


などと怪しい目をするのだ!



 俺の体は脂汗でびしょ濡れになったスウェットがセツの熱で蒸発して異臭を放っている


スメルノゾムとは俺のことだ!


ユウ姉が俺を抱き上げ自室に運ぶ


俺の部屋の光景を見たユウ姉から、一瞬、負のオーラを感じたのだが気のせいだろう


ユウ姉が俺のベッドに近付く


ベッドの上には、俺に抱きつかれたことで服が乱れ、汗で濡れたサユリが気持ちよさそうに寝ていた


俺を抱きしめる腕の力が強くなる


バイスを締めるが如く、徐々に強く、強く、強くなって…


「ユウお姉様くるしい、死ぬ、死んでしまいますう!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ