死んでもらいます
状況を整理するとこうだ
現在、独占権はセツ、サユリ、ユウ姉、リュウ、チコちゃんの順らしい
タルパ協定には決まりがある
俺に拒否された場合、無理矢理それを行うことはできない
俺の意思に反して、命を奪う又は奪われる等の条件下に晒すことはできない
俺が気付かないような力を使い、意思を操作することはできない
一応、俺の人権はある程度尊重されてるようで安心したのは言うまでもない
「ちょっとこの時を戻したりってのは俺の知らない力なんだが?」
(嫌なら元に戻す)
「セツ様!この薄汚い下僕に慈悲をかけて頂き誠にありがたき幸せでございます!」
それはそれは見事な土下座だったそうな
「つまり俺に出来ることはチコちゃんを嫌いになるしかないのか?」
(超えた認識は戻すことはできない)
万事休すか
(一つだけ回避出来る方法がある)
「なんだその方法って?」
セツの眼鏡が光る
「すみませんセツ様!どうかこの薄汚い下僕にその方法をお教え願えないでしょうか!」
あかーん、自分のプライドなど気にしてられる状況ではないのだ
「セツに足を舐めろと言われれば喜んで舐める!」
あ、いや舐めさせて頂きます!
足を舐めようとした俺の顎に見事な蹴りが決まった
アウチッ
(足を舐めろなんて言ってない)
はい、させん、下僕モードになってました
(なんでもすると以前言ってましたね)
そんなこと言ったか?
(突如、頭に流れ込んでくるビジョン)
涙目になりながらセツに訴えていた
もちろんロリっ子になってもコヨリは世界一可愛い、それは世界が滅んでも変わらない
セツには悪いことをしたと思っている
俺に出来ることならなんでもする、だから
頼む…
「確かに言ってるね」
眼鏡を指でクイッと上げてセツが言う
(望、あなたには死んでもらいます)
「な、なんだってー」
待て待て、それはタルパ協定に反することだろ!
メモしていた協定を確認する
俺の意思に反して、命を奪う又は奪われる等の状況下に晒すことはできない
「俺の意思に反して…」
何をさせるつもりか知らないが、いいだろう
こんな協定がなくても俺はきっとこう言うはず
「この俺の命など、いくらでもくれてやるさ!」




