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人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
真理の扉の鍵
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悪くないコーヒー

 俺の課題が終わったことなど知る由もない三人が、とても申し訳なさそうにしている


団子6兄弟まであと少しなのだが、だいぶ反省しているようだ


「ユウ姉ごめん、やっぱ課題消えてなくてさ」


俺は今まで起きたことを素直に話した


「人が悪いでござるよ望氏」


「すまんでござるなサユリ氏」


ユウ姉とリュウはセツに感謝している


チコちゃんはあまり関心がない様子


一安心と言ったところか


睡魔との戦いに限界を感じた俺は、リビングのテーブルに突っ伏しながら瞳を閉じた



「チェックメイトです」


目が覚めると外はすっかり夜になっていた


チェスでもしてるのかと思われたのだが、みんなでババ抜きをしていたようだ


そんなレトロなアイテムどこから持ってきたのかは謎なのだが


その様子を生暖かく見守る


どうやらチコちゃんが1抜けしたようだ


セツがチコちゃんに負けるなんてありえないだろうと思っていたら


「おはようございます望さん、さっそくですがお願いがあります」


わたしにコーヒーを淹れてください


チコちゃんにお願いされてしまった


状況が読めない中、チコちゃんに急かされコーヒーを作る



 ドリッパーにフィルターと粉をセットして


豆を挽いた粉の中心にお湯を入れ30秒ほど蒸らし、お湯が浸透しやすい状態まで待つ


中心にゆっくりお湯を回転させながら入れると、粉末状になったコーヒーがふっくらと膨らんでくる


このふっくら状態をキープしつつ、外側の粉の部分もゆっくりお湯を注いでいく


一杯分のコーヒーを抽出しドリッパーを外せば、チコちゃん直伝のコーヒーが完成するのである


その様子をじっくり観察するチコちゃん


チコちゃんが俺のコーヒーを一口飲む


「上出来ですが、まだまだです」


なぜだ!


確かに俺のコーヒーはチコちゃんの教え通り作ってもチコちゃんと同じ味にはならない


「何か間違ってるのかな?」


そう聞いてみるも


「それがわからないようでは一人前のバリスタにはなれません」


などと言われてしまう


奥が深いぜバリスタ道…


チコちゃんのコーヒーはコクと風味が絶妙なのだ


「でも、このコーヒーも悪くないですね」


そういって笑うチコちゃんに、抱きしめたい気持ちを抑えられなくなって

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