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人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
真理の扉の鍵
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地獄極楽落とし

「そろそろ課題をはじめるわよ」


いつの間にか俺の背後に立つユウ姉


背後を取られるとは、まだまだ俺も未熟だな


などと思い


「もうそんな時間か!?」


瞳を閉じる


セツの物騒な話しに考えこんでいて気付かなかった


瞼の裏に映る時計を確認すると7時55分の表示


いまの俺の生活リズムはこうだ


6時起床、7時まで朝食、8時から12時まで課題、13時まで昼食、休憩、13時から19時まで課題、19時から夕食、20時から風呂、22時まで休憩、22時~0時まで課題、0時就寝、翌朝6時起床


といった感じになっており、仮想現実に居たころより過酷な状況に置かれているのだ


しかし今日くらい休ませてくれても良いじゃないか


タルパは寝なくても大丈夫なのだ


だが生身の俺はそうはいかん


昨日寝たのがたぶん5時過ぎでしょ?


暗黒空間の中で目覚めたのが6時だとしたらまったく寝ていない計算になる


そんな俺の主張は却下され、ユウ姉に部屋まで仔牛のように引きずられて行くのであった



 眠いし重いし


何故か俺はユウ姉の膝の上に座り両肩に乗っかるマシュマロの重さに耐えプロジェクターから表示される課題をユウ姉に教わりながら頭の中で必死に煩悩と戦い課題をこなしている


体はがっちりとホールドされ逃げ出すことなど不可能だろう


時計は10時を表示している


休憩などない


一日12時間課題をしなければタイムリミットまで間に合わない計算なのだ


こうしてる間にも、今日の分の課題も学校から送られてくる始末


日々減っては増える課題に、俺の体は果たして耐え抜くことが出来るのであろうか


しかも昨夜は無理を言って休ませてもらってる


今日は死ぬ気で課題をやらなければ…


逃げ出そうものなら、大人ボディになった銀河最強ユウ姉の必殺ゴッドフィンガーが待っている!


まさにこの世の地獄

  

万事休すである



 睡魔に耐えられない俺の肩に、ぷにぷにと重たいマシュマロが乗っかる


フラフラと頭を揺らす


ふ、んぅ


なにやらマシュマロから色っぽい声が聞こえる


ついに幻聴が聞こえるほど俺は限界を超えてしまったようだ


や、ばい…


意識が吹っ飛ぶ


刹那!


プチンッという音とともに両肩のマシュマロが重みを増した!?


「ぐぅっ…おぉぉぅ…」


まるで大焦熱地獄の如く、熱を帯びたマシュマロが俺の両肩を焼いているかのようだ


いまの俺にそのマシュマロを耐える力は残っていない


「ちょっともう、ブラが外れちゃったじゃない」


ユウ姉のブラはフロントホックだったのか…


そそくさと部屋を出ていくユウ姉


吹き飛ぶ意識のなか、地獄から開放された俺の瞳には極楽浄土が見えていた

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