ここで死ねるなら俺は本望だ
目が覚めた俺は暗黒空間にいた
光も射さない、まるで宇宙のようなその空間は呼吸をするのも困難な状況だ
体も何者かに押さえつけられ、まったく身動きが取れない
「このままでは窒息死する!」
命の危険を感じた俺は、必死に左腕を何かから引っこ抜いた
その手を俺の顔に覆いかぶさるなにかに思いっきり押し当てる
「なんだこのでかいマシュマロみたいなもんは!」
沈み込む俺の左手
少し空いた隙間から酸素を吸い込む
そしてさらにそのマシュマロのような物を押し上げたのだが、これ以上びくともしない
どうやらこの小さな隙間が俺の生命線のようだ
俺は死ぬ気でその生命線を維持していた
んふぅ、あっ
生命線を必死に維持していると、奇妙な音がマシュマロのような物から聞こえてきた
弱っているのだろうか、その音に力は無い
いましかない!
と、左手を力いっぱい上に押し上げた
「ちょっとのん坊、ユウお姉ちゃんの胸をこれ以上どうするつもり?」
突然、視界が拓けた
俺は暗黒空間から無事に脱出することが出来たようだ
目の前に現れたのはロリじゃない、紛れもないあの巨乳のユウ姉だった
咄嗟にコヨリポスターを見る!
ポスターに写るコヨリのおっぱいは大きく、柔らかそうな膨らみが戻っていた
うおおおおお!
やったぜ!ついにやった!やり遂げたんだ!
俺はリビングに居るであろうセツに、感謝を伝えるため部屋を飛び出した
リビングについた俺の目には、元の姿に戻ったリュウ、サユリ、セツ、チコちゃん
チコちゃんはわかりにくいけどきっと戻ってる!
「ありがとうセツ、本当にありがとう」
セツに感謝の気持ちを伝え、自分の席に腰掛ける
後からユウ姉がリビングに現れた
目の前に座るサユリが不思議そうな顔で俺を見ている
そして
「今度はおねしょたでござるか…」
失礼な!
体は小さくなっても頭脳は大人な俺がおねしょなんてするわけがなかろう
俺の背後に立つユウ姉
ユウ姉に抱え上げられ思いっきり抱きしめられた
「きゃわいいいいいいいい」
万力のような力で俺を抱きしめるユウ姉
「キまってるからね首がキまっちゃってるからね!」
そういえば世界がロリ化してから一ヶ月あまり
俺はこの体に慣れすぎていて、今まで気付かなかったのだが
なぜだ!?
なんで俺だけ小さいままなんだよ!




