フラップジャック
自室に戻りコヨリポスターの前に立つ
ポスターの中のコヨリはおっぱいがなくなってしまっても世界一可愛い
そんな俺の姿を、課題を手伝ってくれるユウ姉が見てる
「俺ってロリコンなのかな…」
思わず弱音を吐いてしまう
ユウ姉が諭すように返答してくれる
「のん坊はチコちゃんのことを女性として意識できる?」
わからない…
以前の俺なら即答しただろう
ロリータであるチコちゃんを女性として見ることなんてありえない
でも、チコちゃんと一緒に過ごしたこの三ヶ月あまりの時間
最高のコーヒーを作ってくれる
ふたりドゥビドゥバーが決まる
お詫びに背中を流してくれる
すき焼きでぴょんぴょん喜んでくれる
テレビにかじりついてまな板に夢中になる
本当に楽しそうに笑うようになったチコちゃん
俺が初めてチコちゃんを認識したときには想像も付かないような、そんな姿を見ているうちに俺は…
好きに、なっていたのかもしれない
でも
「ごめん、わからないよ」
今はこのとき、この瞬間が、俺にとってかけがえのない物だと思えるからだ
悲しそうな目をするユウ姉
「ならチコちゃんには近付かないであげて」
中途半端な優しさはお互いを傷つけてしまうから
チコちゃんに近付くなと警告された
ユウ姉は間違ってない、俺を一番に思って考えてくれている
それでも俺は…
「ごめん、今日は課題をできそうにない」
チコちゃんを、守る、側に居ると決めたんだ!
ちょっと不機嫌になるユウ姉
少しビビったが俺の決意は決まっていた
真っ直ぐにユウ姉を見つめる
「男の子ね、いいわ行ってらっしゃい」
どうせならハーレムを作るくらい大きな男になりなさい
ユウ姉が背中を押してくれた
「ありがとうユウ姉」
想いを告げに歩き出す
目指すはチコちゃんが眠る寝室
その扉を開け放ち
チコちゃんが眠る布団まで、約10メートルあまりの距離を全力でダッシュする!
「ちーこちゃーん!」
ダッシュした俺はチコちゃんの布団にそのままの勢いでダイブした!
俺のあまりのスピードにぶかぶかになったスウェットが空中分解する
トランクス一丁になりながら宙を飛ぶ俺
刹那!
目下に立ちはだかる怪しい2つの影!?
気付いたら俺は2つの影に抱えられツープラトン・フラップジャックを決められていた
薄れ行く意識の中に見えたリュウとサユリの姿に
「オンドゥ…ルラ…ギッタン…ディス…カ…」
などと、言葉にならない声を発していた




