この話しには俺の暴露話が含まれている
「のん坊」
俺をそう呼ぶ、彼女の名はユウ姉
俺はユウ姉の世界を認識した
目を閉じ、その世界を構築する
ユウ姉と俺は幼馴染だ
子供のころ、俺とユウ姉はいつも一緒に遊んでいた
ユウ姉はガキ大将的存在で、とてもわがまま
いつも俺達に無理難題を押し付けてくる
ユウ姉の弟、コウジと俺はいつもそれに振り回される日々だった
ある日
川で溺れそうな猫を発見する
橋の上からそれを見ているだけしかできない幼い俺達
しかしユウ姉だけは違った
見てることしかできない俺達を尻目に、橋から川に飛び込んでその猫を助けたのだ
川から上がるユウ姉は震えていた
俺は上着を差し出しユウ姉を温めた
それから数日後
神社で隠れんぼをしているとユウ姉の姿が見つからない
鬼だった俺は必死にユウ姉を探し、奥の林で猫に襲われるユウ姉を発見
ユウ姉にまとわり付く猫を追い払い、無事にユウ姉を救い出した
ユウ姉は猫が苦手だったのだ
弱点を知られた俺を警戒するユウ姉
しかし俺は紳士なのだよ
そんな弱点につけ入ることもせずユウ姉の心をガッチリ掴んだ
旧家のお嬢様として育ったユウ姉は、ある日、全寮制の学校に移ることになった
子供ながらにその別れを惜しんだ
俺はユウ姉が大好きだったんだ
ユウ姉が居なくなってからも、毎日ユウ姉の家に通う俺の姿はさぞや滑稽に映っただろう
俺の行動はコウジに筒抜けだった
コウジが俺とユウ姉の仲を邪魔していたと知るのは大分後になってからなのだが
高校生になった俺の前に突如現れた謎の美少女
その美少女は成績優秀、スポーツ万能、家事も得意、おまけに巨乳という
そう、その美少女こそ俺が大好きだったユウ姉の成長した姿なのだ!
子供のころのように毎日遊ぶ俺達
やがて結ばれる俺とユウ姉
そして俺の家で皆と一緒に暮らすのであった
「計画通り」
これらはすべて俺の妄想なのだがね
これが俺のプライドスナッチの秘密
ユウ姉の世界を認識し、俺の脳内妄想とリンクさせる
ユウ姉の世界と妄想が現世に具現化する、それが俺のタルパだ!
故に現実世界に具現化したタルパは俺を昔から知っているかのように振る舞える
「隠さなくても良いんだぜ?」
みんなも同じような妄想したことあるんだろ、知ってるぜ?
何も恥ずかしいことじゃない
その世界に憧れ、その世界の主人公になる妄想
それをしたことがないなんて言わせない
え?そんな妄想してるの俺だけ?
ちょ、嘘だと言ってよマーニィー!




