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人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
真理の扉の鍵
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すき焼きの思い出

 俺の前に運ばれるほっかほかご飯


プレートには豆腐、しいたけ、白菜、ネギ、白滝などが大量に残っている


俺はそれらをおかずにご飯を食べようとしたのだが


「そうです!」


パンっと手を叩くリュウ


貸してくださいと俺のお茶碗を取り上げ、ご飯を水で洗う


折角のほっかほかご飯に何をしてくれてけつかるのかこの子は


すき焼きプレートに水洗いしたご飯を投入


そのまま混ぜ混ぜ


溶き卵をそれに流し込む


これはもしや、すき焼き雑炊!


とても美味そう、だが肉はない


「ふっふっふ」


突如リビングに木霊す不敵な笑い声


「何奴!?」


「この時を待っていたでござるよ!」


サユリが取り出したのは小皿に盛られたすき焼き肉!


お主、後で食べようと隠し持っていたな


雑炊の上に肉を並べるサユリ


「あなたが神か…」


蓋をしめ、待つこと数分


卵が程よく固まった黄金色に輝くすき焼き雑炊が完成した



 お茶碗によそってくれるリュウ


サユリが残しておいてくれた肉を一口食べる


プレートの中でじっくり蒸された肉はとても柔らかく、雑炊の味を引き立てるまさに主役的存在!


くたくたになった長ネギを口に運ぶ


すき焼き汁を存分に吸い込んだネギは口の中でとろけ、まるでフォアグラを食べているかのよう


いやフォアグラなんて一度も食べたことないんだけどね


白菜も白滝も同様、実に美味である


ぐつぐつとプレートの中で煮込まれていたであろう豆腐も、未だ原型をとどめている


流石は焼き豆腐といった所か、中まで味が染みた豆腐は畑のお肉の名に恥じぬ一品


水菜も人参も食欲をそそる色合い、実に良い仕事をしている


なんといってもこのしいたけ!


すき焼き汁を吸い込み、ちょっと濃いしいたけの味が良いアクセントになり箸が進む


美味い、涙が出そうなほどリュウとサユリの優しさを感じた、のだがしかし…



 量が半端ない


一キロ近くあったという肉をほぼ完食した彼女らはお腹いっぱいのご様子で


みんなも食べて良いよと聞いても


「お腹いっぱい召し上がれ」と返されてしまった


頬を叩き気合を入れる


男、二瓶望!出された飯は残さず食べる!


すべてを腹に収めた俺のお腹は、まるで妊婦のようだったそうな

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