布団×まくら=投げる
福島は豪雪地帯だ
翌朝、あの部屋のソファで目が覚めた
体バッキバキやで!
伸びをしてリビングに向かう
「酷いです望さん」
「酷いでござるよ望氏」
椅子に座るリュウとサユリ
何やら俺が落ち込んでいたので励まそうとしてくれたらしい
「いやいや、ちょっとトイレに行きたくなってさ」
そのまま眠くなってあの部屋でね?
苦し紛れの言い訳をする
本気で怒ってはいないのだろう
「拙者が苦労してやっとリュウ氏を説得したでござるのに」
なるほど、サユリ氏の入れ知恵でござったか
おかしいと思ったんだよ
サユリはともかく、リュウが布団に潜り込むとか想像できん
しかし寝れるなら言ってくれれば布団くらいいくらでも用意するのに
「今日からはちゃんと布団用意するからそこで寝ようね」
二人をなだめて、朝食を食べる
今日も雪か…
朝食を食べ終えた俺は、チコちゃんコーヒーを片手に廊下に立ち
下半分が曇りガラスになっている窓から中庭を見ていた
昔あそこで妹とかまくら作ったっけな…
家の中はAIが管理しているので一年中快適に過ごせる
道も整備が進み、こんなクソ田舎でも凍結の心配はない
「二人をどこで寝かせようか」
妹の部屋にもう一人寝れるとして三人は狭い
親父の部屋は駄目だ
大切なタルパを親父臭くしたくない
高祖父の家はかなり広い平屋の一戸建てなのだが、部屋数は少ないのだ
その昔、書道教室を開いていた50畳くらいの部屋がある
「あそこに寝床を用意するか」
押入れから来客用の布団を取り出す
真空パックを開けると、俺の布団よりふかふかで良い香りがした
いつの間にかみんなで集まり寝床を用意していた
「望氏もこの部屋で一緒に寝るでござるよ」
「いやいや」
それは丁重にお断りさせてもらうなり!
悪意はない、スキンシップの類だろう
チコちゃん一人にするのもあれなので、三人ともこの部屋で寝てもらうことにした
布団を敷き終えた途端、まくら投げが始まったのは言うまでもない




