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人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
プロローグ
3/710

マスタースミス

 主人公ブラックは最強の鍛冶師


伝説の鍛冶師、ホワイトの腕に惚れ込み、ブラックは何日も玄関の前で土下座した


「頼む!俺をあんたの弟子にしてくれ!」


その願いが通じたのか、はたまたホワイトの心が折れたのか


ホワイトはブラックを弟子にした


「留守は頼んだぞ」


ある日、ホワイトは希少な鉱石を手に入れるため旅にでた


師匠の留守中に玄関の扉がひらく


そこには、ボロボロの姿で剣を創って欲しいと、必死に訴える若者の姿があった


若者は大切な人をオーガに奪われた


オーガとは遺伝子改変されたモンスター


その力は普通の人間の10倍はあるとされている


伝説の鍛冶師ホワイトの剣を求め、わざわざこんな山奥までやってきた若者


しかし、ホワイトは旅に出ている


ブラックは思っていた


毎日師匠の技を見ていた、今の俺になら創れるのではなかろうか?


そしてブラックは若者に剣を打つ



 数日後


旅から戻ったホワイトは、ブラックに折れた剣をみせた


「帰りの山道で仏さんを見つけてな」


なんでもその仏さん、最強の剣だと言ってオーガの洞窟に向かったそうだ


村の依頼で、娘はワシが救出したのだが


娘の話しでは、その仏さん、オーガの一撃で剣ごと真っ二つにされたらしい


ブラックは泣き崩れた


渾身の力で打った剣が一撃で折られたからではない


なまくらを信じて戦った、勇敢な若者を想い、泣いた


ホワイトはブラックが打った剣だと見抜いていた


「ついてこい」


工房に消えるホワイト


後を追うブラック


ホワイトは鉄を通じて、ブラックに鍛冶のなんたるかを教えた


一週間、身の丈ほどのハンマーを振り下ろし


ホワイトとブラックは、ついに伝説の剣を打ち上げた!


ブラックは伝説の剣を使い、オーガを全滅させ、みごと若者の仇を討ったのだが…


その噂はあっという間に広まってしまう


伝説の剣を狙う、忍びの里のくノ一


ホワイトを殺し、ホワイトの剣を奪った忍の里の棟梁「ジーク」


師匠の仇を討つために、ハンマーを片手に旅を続ける「ブラック」


ブラックの命を狙う、忍びの里の刺客「コヨリ」


最強の鍛冶師、ブラックの運命やいかに!


というのが、俺が好きだったアニメの話し



 マスタースミスを見ながら昔のことを思い出していた


すると妹が


「お兄ちゃんこのアニメ大好きだったよね、いつもコヨリコヨリ言ってたし」


外ではコヨミのことを口にしない俺だが、家では普通に声に出していたようだ


「正直キモかったよ」


くっそ、妹に俺の黒歴史をキモいと言われるとは一生の不覚!


なおコヨミは現在いまも健在のご様子


いたたまれなくなり自室に避難した


部屋でネットサーフィンしていると妙な違和感を覚えた


さっき妹がなんて言ってたっけ?


そんなことを頭の片隅におきながら某巨大掲示板を見ていると


【さっき郡山駅にコヨリちゃんがいた】


なんだこのスレタイ


そのスレにあった一枚の画像


そこにはコヨミの姿が写っていた


コスプレというレベルじゃない完璧美少女のコヨミ


テレビ福島で再放送されているからか、コヨミを知る人も多いのかもしれない


そして俺は違和感に気付いてしまった


「俺はいつからコヨリのことをコヨミだと勘違いしていた?」


頭がどうにかなりそうだった


告白が成功して浮かれていたのか


でもコヨリは確かに此処に…


部屋の中にコヨリはいなかった


こんなことは初めてだ


「マイフェイバリットコヨリがいない!」


俺は家中を探し回り、そして家を飛び出した


暗闇の中、ルシファーズハンマーを走らせ、必死にコヨリを探し続け


やがて警察に補導され


親父が迎えに来たころには涙も枯れていた


帰りの車の中で親父が俺に何か言ってたが、何も理解できなかった


コヨリが俺の世界から消えた、中二病真っ盛りの14歳の秋だった

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