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人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
真理の扉の鍵
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最強の組み合わせ

「おかわりいりますか?」


なんだおかわりって


突然の言葉に理解が追いつかない


おわかりいただけただろうか?


いや違うぞ俺!


おかわりとは、もう一回頂きます、欲しい、プリーズの意味だ!


「おかわりいただけますでしょうか?」


俺がそう伝えるとチコちゃんはパタパタと嬉しそうにキッチンに向かった



 チコちゃんのコーヒー、これは素晴らしいものだ


店を開けば間違いなく行列ができる


俺はこのコーヒーに月の小遣い5000円を支払っても構わないと思えた


それがもう一杯飲めるだと?


こんなに嬉しいことはない!


コーヒーがテーブルに運ばれる


俺はコーヒーのおかわりをいただけた


コーヒーを飲みながらチコちゃんを見る


こんな小さな体のどこにそんな力があるのだろうか?


なるほど、コーヒーを作るのが得意なタルパ


これは強烈すぎて生涯忘れることはないだろう


親父のやつ、俺に隠れてこんな美味いものを独り占めしてたのか!


許すまじ


親父が死んだらあの箱は俺が貰おう



 チコちゃんのコーヒーで一気に目が覚めた俺は、他にやらなければならないことがある


そう、あの部屋の整理だ


素晴らしいコーヒーを手に入れることはできたのだが、コーヒーで腹は膨れない


人はコーヒーだけでは生きていけないのだよ!


秘密の部屋のメイド抱きまくらに「おはよう」と挨拶して中に入る


もう見慣れた


「幸福を探すか」


気合を入れて部屋の整理を始める


黙々と作業をしているとグーと音が鳴った


俺の腹の虫だ


部屋に戻ってお菓子を食べようと立ち上がり


振り向くとチコちゃんが部屋の角から様子を伺っていた


俺と目が合うと嬉しそうに


「コーヒーいりますか?」


「いただきます」



 キッチンに戻るチコちゃん


自室からお菓子を手に取り、リビングに向かう


テーブルに運ばれてくるコーヒー


俺はこのコーヒーに可能性を感じていた


お菓子と一緒に飲んだらこのコーヒーはもっと美味しいだろう


やはり俺の読みは間違っていなかった


この、ちょっと苦味が強い大人味のコーヒーに甘いお菓子がマッチする


俺はまだ高校生、お子様の舌なのだよ!


俺が絶対に、このコーヒーに合う最強の組み合わせを見つけ出してみせる!


新たな使命に心踊らせていたのは言うまでもない


そんな俺の姿を、チコちゃんは興味深く観察してるようだった

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