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人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
プロローグ
2/710

初恋の人

 ある朝


目が覚めると、遠くに行きたい気分に駆られ


俺は愛車「ルシファーズハンマー」に乗り風になった


目的地などない、ただ風になりたかっただけ


いつの間にか、目の前に都会の街並みが広がる


「福島の中心地にきちまったようだな」


ここは福島県郡山市


駅前にチャリを止め、街をただ歩くだけ


気付いたら俺の後ろをコヨミが歩いてついてきた


少し遅いお昼ご飯をコヨミと一緒に食べる


VR世界に飽きていたのか、久し振りに一緒に遊ぶコヨミはとても嬉しそう


駅の近くにある展望台に上り、夕焼けに染まる街を見下ろしながら


俺はコヨミに告白した


「俺と恋人として付き合ってくれ」


コヨミは驚いて真っ赤になり


少し涙目になりながらも嬉しそうに笑って


「はい」


と一言、俺の気持ちに答えてくれた


なぜだろう


勢いと言われればそれまでなのだが


仮想現実に飽きていたのか、本当に久し振りに一緒に遊んだコヨミがとても愛おしく感じた


ただそれだけなんだ



 今の俺は無敵だ、ここから飛び降りても生きていられる自信がある!


高層ビルの22階にある展望台の窓際に立ち、本気でそんなことを思っていた


帰りの足は軽やかだった


郡山から西郷までは山を3つほど越える


峠道をマッハ500で走り抜ける


当然、警察に止められた


中学生が夜遅くに、チャリで山道を爆走してたのが悪かったのだろうか


本当にマッハ500も出ちゃったのだろうか


そんなことを思いながらビクビクしていると


「ちょっとちみたちー、二人乗りはだみだよおー」


は?


いやいや、確かにコヨミを乗せてチャリ漕いでたけど


もしかしてこの警察、コヨミが見えてるのか?


しかし、次の瞬間


「あんれ君一人?さっぎ後ろさ誰が乗せてねがったけ?」


やっぱり見えてないようだ


「いえ一人ですけど、今から西郷まで帰る所なんです」


すると警察は驚きながら


「西郷ってこごまでチャリで来たんけ?」


大層びっくりした様子で、気を付けて帰んなさいよ、と言い残し去っていった


そりゃ驚きもするだろう、西郷から郡山まで車でも1時間弱はかかる距離だ



 家に着いたのは20時過ぎ


親父はまだ帰っていない


リビングで爆笑してる妹に飯はあるかと聞くと


「保管庫にあるから温めて食べて」


などと冷たく言われてしまった


自室で食べようかと思ったけど、たまには妹と会話でもしてやろうと思い、リビングで食べた


21時になると妹がテレビ福島にチャンネルを変えた


そして俺は驚いた


テレビから流れてきたのは、俺が大好きだったアニメ「マスタースミス」だったのだ

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