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人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
プロローグ
18/710

セキュリティは万全

 家に到着し、タクシーからルシファーズハンマーを降ろす


料金は体の中に埋め込まれたナノチップが自動的に支払う


家は貧乏だと思っていた、しかし実際は大金持ちだったのだ


親父め、よくも騙した、騙してくれたな!


資産はすべてAIが管理している


俺が使える月の上限は5000円


小学生のころは週に100円の月500円だったのだよ


子が何に使うかを親が設定すれば、子はいくらでもそれを使うことができるのだ


これからはタクシー使い放題だ、やったぜ!



 玄関の鍵を開け中に入る


家の中はシンと静まり返っていた


引きこもっていた俺は、外から誰も居ない家に入るなんて久し振りだった


とりあえず玄関を探索


自慢じゃないが、家は平屋の一戸建てだがかなりでかい


玄関の規模は大人10人が一度に腰掛け靴を履くことができる広さだ


田舎だから土地が余ってるんだなと思っていた


しつこいようだが実際は大金持ちだったのだよ


なのになぜ


レンチンの一つも無いんだちくしょう!


在るのは解凍装置のみ


家の家具はレトロな物で溢れている


テレビは最新式なのだが、キッチン、洗濯、風呂、トイレ、その他すべての家具がレトロなのだ


生活で一番重要な部分を最新型にするのが普通だろ


貧乏だからと我慢して使っていたが、これらはすべて、ただの親父の趣味だったとは



 玄関のかなり目立つ所に解凍装置を発見


今まで邪魔な箱だとしか思っていなかったその箱こそ、俺が求めていた物だった


BGM:望はミールを解凍することが出来るようになった


脳内ファンファーレが鳴った気がしたのは言うまでもない



 さて、まだ寝るには早いな


時計は午後9時


ひとまずあの部屋に行くとしよう


リビングのセンサーに向けて腕を伸ばす


リビングに明かりが灯る


その刹那、何かが見えた気がした


「え?」


体が固まる


何かが居るんだ


気配でわかる


泥棒か!?


俺はナノチップが埋め込まれている腕に力を込めた


通報すれば警察がマッハで駆けつけてくれる


文字通りマッハで飛んで来るのだ


しかし待て、古い家とは言えどもセキュリティは万全なはずだ


外部からの侵入者があれば家族と警備会社に連絡がいく


鍵はオートロック


外部から侵入した痕跡は一切ない


タルパ…か…


俺の本能がそう直感していた

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