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人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
プロローグ
17/710

お父さん@がんばらない

 一人暮らしをはじめたころ


俺の食事はすべて地味子アカネに任せていた


アカネは玄関でそれを見つけ出し、調理してくれていたのか


ありがとうアカネ、君がアニメ化したら必ず見るよ!


そうこうしてる間にタクシーが到着する


タクシーの荷台にルシファーズハンマーを積み込む


いつの間にか消えていた親父が袋を手にして戻ってきた


中には大量のお菓子


「これで2、3日は飢えをしのげるだろう」


まじ助かる


このお菓子がなくなるまでがタイムリミットか


それまでに親父がいう幸福を探し出さねばなるまいて


俺は親父に感謝と別れを告げタクシーに乗り込もうとした


その最中、親父が言う


「お父さんは失敗して諦めた、望も無理に頑張らなくて良いんだよ」


高祖父が残した真理に何の意味がある


そんな物に人生を賭ける価値が本当にあるのか


タルパと共に生涯幸せに暮らす選択肢もあるんだぞ


「うん」


親父はきっと後悔してる


俺に同じ思いをさせたくないという気持ちからなのか


それとも…


タクシーに乗り込みドアを閉めた


運転席にあるAIに目的地を告げる


モニタリング管理された自動運転のタクシーが当たり前の時代なのだよ!


家に着くまで少し脳を休ませよう



 タクシーから外を眺めていた


郡山から西郷に帰るには山を三つほど越える


一つ目の山を下りた先にあるカーブ


そこで俺とコヨリは警察に止められたっけ


あの警察、コヨリのことを一瞬でも認識していた


今の俺は完璧なタルパを作れる


話すことはもちろん、こちらから触ることも出来るようになっていた


コヨリに手を引かれ、背中を押してもらってた頃とは違うのだ


もっと早くに気付いていれば…



 俺は消えたコヨリを再度具現化しようと試行錯誤を繰り返した


俺の能力はコヨリと共に過ごしたことで力を増した


タルパを誰よりも理解したのだ


プライドスナッチは認識の力


自身が在ると認識する力が強ければ強いほど、より強くタルパを具現化できる


俺は過去に神を具現化した


神を使えばコヨリをもう一度具現化できると思っていたのだ


しかし神の力は弱く期待はずれだった


親父は言った


【規模が問題なのだ】


今なら理解できる


ネットにあったマイナーな小説の神は、最強と設定付けられるクラスの神だった


しかし、小説故に想像力が足りず、神の力は弱く、失敗したと思っていた


それは間違っていたんだ


マイナーすぎて人の認識が少なすぎたため、その神は弱かった


認識が多ければ神の力は強くなるのだが、他者の認識が強いとタルパは消えてしまう


俺の認識はどれだけ強くなっても所詮は一人分の認識しかないのだ


「我思う、故にコヨリ在り」


峠を走るタクシーの車内で、そんなことを思うのであった

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