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人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
プロローグ
16/710

調理方法は特殊なんだ

 無理ゲーすぎる


神ほどの力を以ってしても突破できない真理の向こう側


遺書にはそこに世界を救う術があるようなことが書いてあった


オタクを救うだっけか?


なんでも良いが親父の話を聞いてちょっとワクワクが止まらない


恐怖心より好奇心が勝るお年頃なのだ


「あの部屋の中の正解のルートを辿れば超能力者は必要ない可能性は?」


「その可能性は無きにしも非ずだが…」


天才的頭脳を持った自称宇宙人が導いたルートを行くことしかできなかった


タルパに敵意はない、従者を助けることがタルパの存在意義なのだ


つまり、自称宇宙人が親父を罠に嵌めることなどありえないのか…


チャンスは一度きりなんだ


そうなると人類を超え、宇宙人すらも超える知識を持った存在が必要ということになるなのだが


「神を創ったらどうだろうか」


親父は笑う


あの秘密の部屋の中に、神は無数に存在するらしい


神を題材とした作品は数多く存在する


全知全能の神と設定付けられたキャラクター


その神と同等か、それを超える知と能が親父のタルパだったそうだ


人間ってやつはとんでもない物をキャラクター化したもんだ


俺の浅はかな知識など、とうの昔に越えていたのだ


「これは今だからそうかもしれないと思えることなんだが」


親父は何か言葉を詰まらせながら


「愛が足りなかったのかもしれない」


愛ですかー


そこまで話したところで閉館時間を告げる放送が流れた



 親父はタクシーを呼んでくれた


施設の玄関前でタクシーを待つ俺と親父


俺は大切なことを思い出す


「俺、飯が作れないんだけどどうしよう」


親父は消えた料理上手の地味子の話しを思い出したようだ


そして


「ならあの部屋で幸福を探せば良いよ」


なんだ幸福って、もっと具体的に何かないのか親父よ


親父が調理方法を説明してくれた


食材は毎週家に届く


レンガを想像してほしい


レンガのようなミールと呼ばれる物体の中に食材がすべて凝縮されているのだ


そのミールを三等分した物が一食になる


レンチンと表現しよう


そのミールを容器に入れてレンチンすると食事が出来上がる


子供でも簡単に作れる


ならばなぜ俺は作れないのか


俺の家にレンチンする機械が無いんだ


ミールを解凍して食材に加工する装置はあるらしい


そりゃそうだ、なければ今までどうやって飯を食っていたというのか


しかし俺は、家にその装置を見つけ出すことができなかった


普通キッチンにあると思うだろ?


俺だって馬鹿じゃない、必死に探したさ!


でも見つけられなかった


なぜならそれは、玄関にあると言うのだから


設計ミスってんだろ畜生めー

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