女の子が好き!
「望氏、ホモが嫌いな女子なんかいないのでござる!」
サユリが顔を真っ赤にしてそんなことをいう
サユリの衝撃の告白に耳を疑った
俺はいま、高祖父が残した秘密の部屋でサユリと二人で居る
なにやら俺に見せたい物があるらしい
「これを見るでござる!」
サユリが俺に手渡してきた箱を手に取る
梅トリック
なになに、梅トリックとは
女子校のクラスメイトA女とB女は、C女とD女が仲良くしてるのを見て嫉妬してしまう
A女とB女は、他の女子たちとは絶対にしないことをしようと提案
A女とB女は恋人となり学園生活を満喫する学園ラブストーリー
よくわからんが同性愛ストーリーのようだな!
ちょっと待ておい
驚くのも無理はない、かなりあれなシーンが満載なのである
思春期高校生にはちょっとあれなのですよ
「てかこれで全年齢ってマジ?」
そう、この作品は大事な部分は映らないのだが、かなりきわどいのだ
「驚くのも無理はないのでござるよ」
これは当時、地上波でそのまま放送されていたのでござる
「うっそだろおい!」
こんなのがお茶の間に流れたら空気が凍りつくぞ
「そこは深夜帯なので心配ござらん」
おう、なんて素晴らしい国なんだ日本よ
俺は日本人に生まれて本当に良かったと心から思う、ありがとう日本
「サユリ、愛してるよ」
梅トリックを見終わった俺は、サユリをソファに押し倒して抱きついた
「拙者も望氏のこと、あ…愛してるでござる」
そう言って瞳を潤ませながら頬を染めるサユリ
なんて可愛いんだちくしょう!
俺はそんな可愛いサユリの唇に(はい、ストップ)
部屋に入ってきたセツに止められた
なるほど梅トリック、こいつは素晴らしい作品だ!
同性愛の世界を創り出した、完璧な作品と言える
この世界を創り出した創造主に、心から敬意を込めてありがとうと伝えたい!
こんなにも完璧な作品なのに、あまり世間には知られていないらしい
きっと本編の出来が完璧すぎて、二次創作や妄想の入る余地がなかったのだろう
完璧な作品ゆえに、多くの人の注目を集めることなく終わってしまった
この世界を知って、俺の中に何かが溢れている
俺はこの気持を押さえることができない
立ち上がり、いまここに宣言しよう
「百合が嫌いな男子なんかいないのでござる!」
かつて同性愛は違法、または異端視されることが多かったらしい
しかし現代では何も問題視されていない
高祖父の時代、国連人権理事会で承認されたジョグジャカルタ原則
性的志向並びに性自認に関連した国際条約
これにより世界一般に広まり、常識的な事象として広がった
つまり俺が女になったとしても、普通に女の子との恋愛は許されているのだ!




