未来予想図
(起きなさい望)
セツか?
目覚めると腕の中にセツを感じていた
俺の背中には柔らかい2つのマシュマロの感触
まだカオリは寝ているようだ
(混沌の始祖のことで何か分かった?)
セツは俺の真我に宿るという混沌を見に行ったのだ
(望、お尻に何か当たってる)
うむ、すまんな
それで何か分かったの?
(望の人格を構成する存在)
全ての混沌の始祖
カオスが愛を満たしたことで世界に混沌が生まれた
混沌とは闇と光、男と女、裏と表、ラバーズ
愛は巴であり魂に刻まれた真理
魂が完全になる条件は、純粋持続を超える奇跡が必要になる
純粋持続とは、時を超えた永遠の時
人は愛を見ることができない
(つまりどう言うことだ?)
(それより望)
ああ、いや待ってくれたぶん分かった
愛ってのは元々1つの状態が正常だってことか
魂に刻まれた愛が、何者かによって2つになったと
その愛を1つにするために、男と女が愛し合うってことだな!
(そう)
その純粋持続ってなんだ?
(時を超えた永遠の時)
魂は時の概念を持たない
時間は人が時を認識したとき、そこに創られるただの概念
歴史は形を変え、無限の可能性の中に存在している
不可逆なエントロピー
(つまりタイムスリップは別の世界の歴史ってこと?)
(そう)
それより望
(ってことは未来人が未来を予言してもあまり意味が無いんだな)
予言したことで未来が変わるってのは、別の世界の未来だからか
そりゃ歴史が違うんだから未来も変わって当然だよな
(未来は認識により変化する事象)
(どういうことだ?)
(それより望)
(いいや、わかった気がするぞ)
未来を予言したことで歴史が変わったのか!
(厳密には少し違う)
人は予言を知ることで未来予想図を創り出す
予言の未来通りになりたい認識
予言の未来通りになったら困る認識
認識同士が争うことで未来が変わる
(つまり多くの人が購入することで、配当額が変わってしまう宝くじみたいな物か)
(そう)
10億のくじが2人だと5億になり、十人だと一人1億しか手に入らない
(キャリーオーバー10億独り占め出来るほうが良いもんな)
流石セツ、わかりやすい
(望の愛は何者かの意思により一つになろうとしている)
(俺は自分の意思でみんなを愛してるぞ?)
コヨリは消えてしまったけど、コヨリの分まで俺はみんなを大切にしたいと思ってる
(その首にさげてる物はいつから存在しているのか)
私の能力でも引き出せない事象
セツに言われ首元に手を当てると何か勾玉のような物があった
(なんだこれ?こんなの買った覚えも付けた覚えもないぞ?)
(恐らくコヨリ)
この世界は一つではない
純粋持続の時の中に無数に波打つ世界の一つ
コヨリの愛が望と一つになりたいと願っている
(まじか!)
なんでセツにはそんなことがわかるんだ?
(この世界には私の能力で理解できない事象が存在している)
神の意思、因果、高次元の存在、真理の世界
これらを分析した結果、それはコヨリの意思である可能性が極めて高い
真理の世界か…
(扉の先に行けば解るってことだな!)
コヨリにまた会えるなら俺は神を敵にまわしても構わん!
(それより望、お尻に硬い物が)
違うんだよセツさん、聞いてくれよ!
俺も必死になんとかしようと頑張って色々考えたんだけど、生理現象には逆らえなかったんだよ!




