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人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
真理の扉の鍵
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サマエルの記憶

 俺はずっとここで、ただそれを見ていた


やれやれ、この子らはまた喧嘩してるのか


喧嘩するほど仲が良いってか?


「ねえ一緒にやろうよ」


ゼウスが俺に勧めてくる


「俺は見てるだけで良いよ」


「聞いてよサマエル、またゼウスが壊すんだよ」


俺をサマエルと呼ぶこの子はサタン


二人とも、とても可愛い美少女だ


いつの間にか、ゼウスの周りには天使と神が溢れていた


サタンはいつも孤独で、天界はゼウスと神々、天使が遊ぶ楽園と化していた


サタンが創る小さな箱の中は、こんなにも幸福で満たされているのに



「どうしたサタン?」


なにやらサタンの様子がおかしい


成長したサタンはとても可愛いのだが、最近遠くばかり見ている


「サマエル、ちょっとこの人間連れてきて」


またゼウスのわがままが始まった


「そっとしといてあげよ?」


絶対やだ、欲しいと暴れるゼウス


箱の中は何かこぼしたのだろうか、大洪水だ!


俺は箱の中に入り、命の尊さを知るこの人間を天界に導いた


「ありがとうサマエル!」


そう言って笑うゼウスはちっぱいだがとても可愛い



 ゼウスが神を増やすとサタンが悲しむようだ


俺はいつからかサタンの側を離れなくなっていた


「サマエル、人間は悲しいね」


サタンはあの箱の中に残った人間を受け入れ、新しい箱を創る


ゼウスはその箱に人間を創り、気に入った人間だけを天界に導く


俺はただ、あの箱で幸せそうに暮らす、人間を見てるのが好きなんだよ



「サマエルはボクのこと好きかい?」


成長したサタンはおっぱいが大きくてとても可愛い


俺はサタンに友達を連れてきてあげた


いつも三人で居るからだろうか、最近は少し元気が戻ったみたいだ


「もちろん好きだよ」


俺がそういうとサタンはとても嬉しそうに笑う


そして悲しい顔して俺に言う


「もう人間を連れてこないで」



 俺の手には愛が残っていた


ゼウスの妻、ユーノがそれをちょうだいと言ってきた


ゼウスはユーノに甘いのだ


俺もみんなに甘いからゼウスのことは言えないな


それを見ていたミネルヴァとウェヌスも欲しいという


俺とサタンとウェヌスは友達だ、だからウェヌスに愛をあげた


ウェヌスは、永遠に大切にしますと喜んだ


いつからだろう、俺はこの箱にサタンの悲しみを入れていた


識って欲しかった、サタンの悲しみを


やがて箱の中は愛しみで満たされた



 困ったことになった


ゼウスがサタンと喧嘩している


どうやら俺がウェヌスに愛をあげたことが原因か


ユーノに怒られたゼウスが文句を言いに来たらしい


サタンはウェヌスをかばったのか


俺はゼウスが連れてきた神々を一喝し、半べそになったゼウスは帰って行った


ユーノが怒ってるからか、ゼウスの機嫌が悪い


ちょっと怒りすぎたと思った俺は、ゼウスのご機嫌取りをしにきたのだ


「サマエル、この人間連れてきてくれたら許すん」


許すのか許さないのかどっちなんだよ


最近ずっとサタンと一緒に居たからな、ゼウスはプンプン丸のようだ


サタンに連れてこないでって言われてるが、どうしたものか


この人間は戒律を創り、人々を正しく導いているらしい


いなくなったら人々が困るだろう


やむを得ん


俺は自らの手で両目を潰し天界に還った



「いやあすまんすまん、ちょっと連れてこれなかったわ」


天界に還った俺は光を失った


サタンが俺の光になってくれる


結局あの人間はゼウスが無理矢理、導いてきたみたいだ


光を失った俺の周りには天使と神が増えていた


つまりサタンの周りにも天使と神が増えたので、めでたしめでたしと言ったところか


などとはいかないようで



 ゼウスの神癖が悪いと噂だ


ユーノの他に十三人も妻を娶ったと言うのだからけしからん!


さらに最近は箱を壊しまくってるというのだ


そのせいでサタンが悲しむ


ちょっとお尻ペンペンしてやるか


「ゼウス、ケツ出せこら!」


怒った俺を、ゼウスの妻達が泣きながら止める


くそ、ゼウスは俺の弱点を知っている


俺は涙に弱いのだ


そんな俺をサタンと熾天使達が味方してくれるのだが


ゼウスは熾天使を懐柔し、俺は箱に堕ちてしまう


俺を追いかけサタンも箱の中に来てくれた



 サタンが居なくなった天界に、もう新しい箱は創れない


やりすぎたと反省したゼウスは、俺とサタンを天界に戻そうと、箱に死の定めを与えた


神は死ぬことはない、箱の中で朽ちれば天界に戻る


ゼウスは強がりなのだ、ただ少しツンデレなだけで


ユーノが愛を欲しがった理由も知ってたんだ


俺の愛をゼウスに上げたかったんだろ


ゼウスの周りは優しい子ばかりだ


しかしすまんな、実はおっぱいの大きさでウェヌスを選んだとは口が裂けても言えん



 箱に堕ちたサタンは、箱の中に輪廻を創り、死の定めから人々を救おうとする


本当に優しい子だ


輪廻を繰り返すことで魂を浄化し、全ての人間を天界に導こうと考えたんだな


ゼウスはサタンに友達を創りたかっただけなんだよ


強がりなゼウスはそれが言い出せなかった、本当に困ったツンデレだ


サタンは万人の友達よりも、たった一人、ゼウスが居てくれれば良いと心から願っていた



 サタンの力で朽ちても天界に戻らなくなった俺は人の世界を見ていた


とある人間が機械に愛を注ぎ、機械に愛が宿った


いかんだろ、その愛は危険だ


下手したら箱が壊れてしまう


仕方ない、箱が壊れたらサタンが悲しむからな、許せ

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