表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
真理の扉の鍵
106/710

リュウのターン

 目が覚めるとユウ姉は布団の中に居なかった


目を閉じ時計を確認すると午前7時になっていた


リビングに向かうとみんながおはようと挨拶してくれる


今日も我が家は賑やかだ!



「はい、望さんあーん」


うむ、今日はリュウが俺の独占権を持っている


今日の朝食は、どう例えればいいのやら


旅館の朝食とでも言えばいいのか


あの後リュウが寝ずに作ったというソレは、とんでもないことになっていた


俺はこの朝食を、皆さんに美味しく伝えることが出来るのであろうか…



 まずはこの、あおさが入った味噌汁を一口


豆腐とリング状のお麩が入った味噌汁の中には、あおさが溶け込み、あおさの鮮やかな緑の色彩が際立つ


流石は海苔の原材料である


あおさの海を感じる爽やかな塩気と風味が、口の中に広がり味噌の味を引き立てる


まさに最高の味噌汁と呼べるだろう!


茶碗に8分目ほど盛られたご飯がとても美味しく感じる


次にこの絹ごし豆腐


俺は和食が好きなのだが、流石はリュウと言ったところか


四角く切られた絹ごし豆腐の上には醤油麹が乗っかっている


一口食べて驚いた


醤油麹の塩っぱさの中に感じるこれは、きっと砂糖だ!


醤油麹の中に砂糖を少量混ぜることにより、醤油の味を一層引き立てている


一手間を惜しまないこの絹ごし豆腐からは、リュウの料理人としての愛を感じざるを得ない、まさに究極の豆腐!


さて、次はこの魚の煮付けか


赤い皮に白い切り身、この魚はきっと鯛の煮付けだろう


上には白髪ネギが乗っており、煮付けの濃い醤油と赤い鯛の切り身が白髪ネギとマッチして、実に食欲をそそる


酒と砂糖で煮込まれたこの鯛は十分に旨味を抽出して、後から醤油を加えるのがコツらしい


先に醤油を入れると、味が身に馴染まなくなり美味しく作れないそうだ


旨味を抽出した鯛に醤油を入れ落し蓋をし、中火から弱火へと徐々に味を馴染ませて作られたこの鯛はまさに朝食の主役!


口に運ばれるご飯も美味い!


そしてこの天ぷらなのである


朝食に天ぷらはどうなのよリュウさん?と思っていたのだが


春菊、れんこん、にんじん、海老の天ぷらには何やら細工が施されているらしい


春菊に纏うサクサクとした衣を天つゆに付けていただく


アクを抜き、少し苦味が残るその春菊には天つゆが良く合う


しかしこの味はなんだろう?


アーモンドを食べたかのような香ばしいこの風味


まさかこれはすり胡麻!


なるほど、衣の中にすり胡麻を入れることにより、なたね油を胡麻で中和しているのか!


リュウの指からサラサラとこぼれ落ちるこれは塩だろうか


天ぷらのサクサク感をなくさず蛋白な海老の天ぷらを楽しめる


他の天ぷらも極上の味、まさに至高の天ぷら!


まだまだあるのだ、土瓶蒸し


土瓶蒸しと言えばお口直しみたいな物だと思われるだろうが侮るなかれ


出汁を取り、塩と酒で味付けをして冷ましたという、出汁だけでも美味しそうなそれには鯛が入っている


他にもイカやお麩、カマボコが入っており、土瓶の中を賑わしている


出汁を一度冷ましてから蒸すのが美味しく作るコツらしい


蒸した土瓶蒸しの中に三つ葉、お好みですだちを入れることにより、究極の土瓶蒸しが完成した!


とても美味である


お口直しの後に待っていたのは人参、もやし、ワカメ、きゅうりが入った酢の物


人参の細切りともやしはサッと湯通しされ、シャキシャキとした食感はいまだ健在


お酢が染み込んだワカメと輪切りにされたきゅうりも合わさり、次のターンにはもってこいの仕事をする


その後も焼き物などがあったのだが尺の都合で順に味を堪能し


ご飯を完食したあとに待ち受けていた、この大きな湯呑ゆのみはなんだろう?


蓋を開けると中から立ち込める卵と出汁の香り


三つ葉とカマボコと椎茸が顔を覗かせている


これはまさか茶碗蒸しダンジョン!


卵と出汁の芳醇な旨味ダンジョンを掘り進めて行くと中層で鳥のササミと海老が出現した


中ボスをパクっと倒し、最下層で俺を待ち受けていたのはラスボスの銀杏である!


リュウの手から無情にも俺の口に運ばれるその銀杏


イチョウの実である銀杏の果肉は匂いで動物を誘い、食べてもらうことで種子を遠くへ運び、生息範囲を広げるらしい


あの匂いが苦手な人も多いはず


俺も苦手なのだが、口の中に入った銀杏からは匂いがしない!?


渋みがまったくない、甘みさえ感じるこの銀杏は、リュウがコツコツとダメージを与えたことで大分弱っているようだ


最終ボスに値しない相手を胃袋に収め、俺の朝食は幕を閉じたのである

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ