ちっぽけなプライド
俺のタルパは俺の妄想だ、それ故、みんなの中の俺はかっこいいのだ
恥ずかしい過去を知った今でも、彼女達は変わらず俺のことを好きでいてくれた
「理解できたようですね」
「ああ、俺が本当に恐れていたのは、俺の安っぽいプライドだったんだ」
みんなのことを守りたい、そんな気持ちばかり先走って、かっこいい自分を演出してただけだ
「もう一度聞きます、望はコヨリをどう思っている」
「コヨリは無敵だ、完璧美少女だ」
俺はコヨリがいれば無敵だったんだ
いつからか、その想いは俺の安っぽいプライドで薄れてしまった
それ故、無敵だったコヨリは俺のせいで…
だから、今こそはっきり伝える!
「もちろん、心から愛しているよ」
そう俺が告げたとき、みんなは心から優しく微笑んでくれた
で、いまは冥界に居るわけなのだが
俺から想いを告げられた彼女達は本当に強かった
俺達はガルーダとグリフォン、二人同時に遭遇した
ガルーダは超スピードの投げ技と、妙な術、ガラクディカイリュージョンを使う
二人同時はきついだろうと俺はガルーダに立ち向かったのだが、ガルーダトラップを食らってしまった
ガルーダトラップ、それは
天高く相手を投げ飛ばす技
音速を超えるその荷重に、脳から血液が失われ、一瞬で気を失ってしまうほどの威力
ガルーダは足元に×印を書く
「3秒後、ここに小僧が落ちてくる、ここが小僧の墓場だ」
などと3秒以上かかる台詞を吐き、俺は見事にそこに落下したのだが
「そうはさせません!」
リュウが落下してきた俺を、あっさり受け止め無傷で生還した
このやりとりを3回ほど繰り返していると
「いい加減しつこいでござるよ!」
なにやら棘の付いたバットを持った、天使に変身したサユリがガルーダを一撃で葬った
「その印、そなたの死に場所になったようでござるな」
そうガルーダに言い放つサユリの姿は、まさに撲滅天使だった
それを見ていたグリフォンが、妙な技、コズミックマリオネットを使い、リュウを操り人形のように操る
「私の体は好きにできても、心まで好きに出来るとは思わないでください」
そう言って、リュウの変な妄想が始まった
「見られてる、望さんが私のパンツを見て興奮してる、なんという辱めでしょう」
いいや!確かに操り人形になってますけど!変な格好になってますけど!パンツは一切見えてませんよ!
「グリフォンは私の服を切り裂き、全裸にするのではなく、少しずつ一部分だけを残し、濃艷な姿にするのです」
それを聞いたグリフォンは
「ちょっと待て娘よ!我はお前の服になど、一ミリたりとも傷をつけてはおらぬぞ!」
などとめっちゃ動揺してるところに
ピキーン!とグリフォンの時を止めたユウ姉が
「変態死すべし」
それはそれは見事なスプラッシュアートからのゴッドフィンガーが決まったのであった
力尽きたグリフォンが消え去りざまに残した台詞が心に染みた
「男が変態で何が悪い?男は皆すべからく変態だ!」
俺は生涯この言葉を忘れることはないだろう
あれだみんな、勘違いするなよ?
OVAみたいに尺の関係ではしょったわけではなく、本当に彼女達が強かっただけだぞ?




