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人工未知霊体を好きになったらば  作者: はちみつなめるぷー
プロローグ
10/710

ひいひいじいちゃん

 親父の話しはこうだ


あの部屋は我が家のご先祖様、和成様が残したものらしい


俺の高祖父にあたる人が残した部屋だという


わかりやすく言うと、ひいひいじいちゃんだね!


高祖父の時代、日本のオタク文化はとてつもない規模になっていたそうだ


コミケとかいうイベントでは、日本各地から50万人以上もの老若男女が集まりオタク文化を広めていた


大昔、関ヶ原の戦いの規模が16万人ほど


それと比較すればどれだけの規模だか想像できるだろう


たった24万平方メートルの土地に、それだけの人間が押し寄せるとか今じゃ考えられない


そして経済効果もそれなりにあったそうだが、そこに目を付けたのが中国だという


年を重ねるごとにコミケの規模も縮小し、日本からオタクが消えてしまった


中国を恐れ、国が考えた政策が完全に失敗した


国はオタクから金を搾り取ろうと、すべてをデータ化してしまった


データ管理されたそれらのアイテムは、データの中でしか体験することができなくなった


管理されていないオタクアイテムを所持することは犯罪なのだ


今はそのふざけた法律もなくなり、誰でも自由にアニメを楽しむことができる


中国が圧力をかけたのだろう


日本より巨大なアニメ先進国になった中国では、誰でも自由にアニメを楽しむことができた


そして、国が状況を理解したときには後の祭りだった


オタク=悪を進めた日本は衰退の一途を辿り、誰もが諦めかけたそのとき


あの有名なロボットアニメが息を吹き返した!


そう、日本はロボット産業でアメリカと手を組み、急成長を遂げることとなる


しかし、国が残した傷はあまりにも大きすぎた


なんの魅力もない、つまらない日本に愛想を尽かし、若者がいなくなってしまったんだ



 一通り話を終えた親父はコーヒーを入れに席を立つ


親父は俺の返しを待っているようだ


「それで、俺にどうしろって言うのさ?」


ここまでの話を聞いて俺にできることは、あの部屋を維持することだけだろう


しかし親父は言う


「コヨリちゃん、消えてしまったんだな」


親父の口から出た言葉に息を飲む


やっぱり親父にはコヨリが見えていたのか!


しかしおかしい、俺の能力は他人が認識してしまうと効果を失う


どういうことだ?


「親父にはコヨリが見えてたのか?」


「見えてるというか感じたんだ、望の近くにいつもコヨリちゃんがいる気配を」


実はお父さんも昔、望と同じようにタルパがいた、タルパってわかるか?


「うん」


「この力は高祖父の時代オカルトと呼ばれ、世間ではあまり良くないものとされていた」


そこに無いものが見えると言うことは、それだけで世間から冷たい目で見られる


霊能力など、科学で証明できない事象は淘汰される


和成様はそれを研究していたんだよ

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