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公爵令嬢行方不明になる  作者: 悠月
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腐敗した王宮での即位。ジークは信頼もクソもないしなぁ。と、思いながら何を先にしようかと、思っていた。


「国情を簡潔に知りたい。10日で優先順位を付けて報告を。外交、財政、内政、軍備辺りを知りたい。不逞を働いた元妃と王子は後回しで行こう。それは些事であるし、重要でもない。」


「では、仕事をしていただけるということで宜しいですね。」


「ここに座って高みの見物する為に帰ってきたのであれば剣が喉元を貫くだけだ。やると決めた。」


それに・・・と若き王は当初の自分を思い出しながら言った。


「川から落ちてそこから軍隊でもあまりしない行軍しながら生き延びたから体力と少ない睡眠時間でも平気だから付き合ってほしい。」


原因となったティアナは何処吹く風で壁際に突っ立って聞いていた。座りたいだけでここまで振り回されたのなら首ぐらい切り落とすよなぁ。王としてのうんぬんかんぬんではなく取り敢えず仕事という姿勢は評価されるだろう。本人畑仕事で体力付けてるし。


「殿下、いえ陛下・・・」


「キルシュタイン公爵、好きに呼んでくれ。敬意とかはその意志があれば自然と頭も下がるし、口調も改まる。側近となる者は私を認めてくれるまで敬意などは捨て置いて鍛えてほしい。儀礼より実務を優先する。」


執務室に行くと各長官達がどうするか。と、話し合っているとアルバートがドンっと書類を積み上げた。


「一晩で読破。明日の朝所見を伺うので。」


「分かった。」


多分これで全部終わるはず。叔父様が拵えた畑でジークが政を行う。民には何も気付かせず戦争を終えたようなものだ。自分はもう公爵家に帰るかな。

やることはやったし、后には絶対にならないし。野山を馬で駆け回って国を見るのもありかな。結婚願望ないし。


邸に帰るとユフィリアが出迎えてくれた。


「リヒトはまだかかるみたいだよ?」


「ティアナ様何故帰ってこられたのですか!?ジーク様、陛下は。」


「即位したから帰ってきたんだよ。王様の后にはならないもの。」


「ジーク様不憫!!ティアナ様酷い!!」


そんなに酷いことしたかな。ティアナはそれよりも。と、ユフィリアの肩を組む。ユフィリアはしまった。と、顔を反らせる。


「ようこそ、キルシュタイン公爵家へ。ユフィリアの為に片付けて来たんだから楽しませてよね?結婚式。叔母様も張り切ってくるだろうからさ?」


悪魔の微笑みでしかなかった。ティアナの言葉にメイドは来た!!!と、野暮なことは聞かずに結婚式の支度、規模がどうなるか楽しそうに話し出した。


「リヒト様決断早い!!お嬢さまは!?」


「うん、私が武芸で負けたらその人と結婚するよ。」


メイドはブレないお嬢さま・・・と、ため息をついた。ティアナは私より従兄弟の嫁と積もる話でもしたら?と、部屋に引っ込んでしまった。




ジークが汚いやり方で即位したし、これからどうしよう。ベッドで横になり、天井を見上げる。領主しようかな。私、直系のお嬢さまだし、叔母様に全て任せきりはよくないわ。叔母様には商いで頑張ってもらって政治は私がするのも良いかなぁ。新しい事挑戦するのもありか。落ち着いたら叔父様に書類作ってもらわないと。


ティアナはふぅっと息を吐き出して寝よう。と、そのまま眠りについた。面倒ごとはまだまだ続くし、文官でもない自分には関係ないことだ。


「うん、領地に帰ろう・・・領主として野山走ろう。」





領地に帰りたいことを叔父にちゃんと伝える。


「構わないが、何をするんだ?」


「叔母様を商い重点にして領地運営でも。」


問題は無いので代行の命令書を受け取り旅支度をする。


「ティアナ様!?」


ユフィリアはなんで!?と、見送りではなく引き止めに姿を見せた。ティアナは何?と、返事をする。


「ん?領地に帰るよ。暇になったし。」


ティアナは結婚式は呼んでねー。と、あっさり帰ってしまった。ユフィリアは引き留めることも出来なかったので事情を知っているリヒトを待つしかなかった。


「お嬢さまの事なんで、いつもの事ですよ?」


「そうですよ、お嬢さまは自由人なんでいつもの事ですよ。」


いつもの事で片付けられてしまう。どれだけ自由な生活をしていたのだろう。







ユフィリアはリヒトに聞こうと思ったが、疲れてるようでベッドに横になられてしまった。


「リヒト様、ティアナ様が・・・」


「また家出?何処行くって?」


「領地で領政を・・・」


「おや?真っ当だった。何か問題ある?」


「だって、陛下が・・・」


「アレもそれどころじゃないさ。放置で良いんだよ。ユフィ、俺よりティア?」


可愛い!!!!!リヒトの無防備な問いかけが可愛すぎて首を横に振って否定する。リヒトはじゃあ俺だけ見てれば良いじゃん。と、軽く言っていた。


「/////リヒト様、どうしてサラッと言えるのですか?」


「え?変な事言った?顔赤いし。」


素で言えるのが怖い。ユフィリアは膝に婚約者の頭を置いて上着をかける。ベビードールのような薄手の寝巻きを着ると風邪をひかないか心配する反面膝枕を堪能する為に離れない。


「そんなに違いますか?膝・・・」


「ん?俺のこだわりみたいなものかな。そりゃ綺麗な足とかなら沢山いると思うけど俺好みの脚ってのがある。それだけだ。」


「・・・私の脚で宜しければ。」


「ユフィがいい。」


リヒトはご満悦だった。憧れの人が婚約者で膝の上にいることの現実だけを見ることにした。疲れきっているのだから仕事が落ち着くまで待てる。行動は少し制限されているけれど邸内であれば何でも許された。

屋外、市街地での行動での制限が少しある程度なら何も問題なかった。


「俺の好みとか気にしなくても・・・代々妻は1人しか娶らないし、側室を持った先祖はいない。俺はユフィリアが良いと決めたんだ。何を気にしてるかしらないが、ユフィリアがここを出るのは俺に嫌気を指した時くらいだよ。ユフィ、俺が毎日愛を囁けば満足するのか?」


「へ?」


「何を心配してるのかなぁって。父は母に対して「愛してくださるなら放っておいてください。私も愛しておりますので愛想つかさぬ限り出ていきません」って言い切ってたけど。父がそれでベッタリ辞めたら母がイキイキと商売しだして母からくっつくようになったとか。肉体関係ないから?」


「ち、ちがっ/////」


「俺がどうしたら曇った表情は晴れるのかな?俺が悪いのは分かってるけどさ・・・我儘言ってくれないと・・・俺ばっかだろ?我儘言ってるの。」


リヒトは人の表情の細かな変化にも気づいてしまうが故に今の部署で落ち着いている。情報量が多すぎるから宰相よりはこの仕事が向いている。昔、ティアナを引き取ってからティアナの精神的に落ち着かなかったから些細な変化を見逃さないための習慣が抜けなくなってしまった。身体を起こして抱き締める。


「ユフィ?」


怒ってもいないし、心配に近い。動揺などの感情は読み取れても思考は読み取れない。


「今でも夢じゃないかって・・・リヒト様が・・・」


「ちゃんといるよ?俺が朝起きるの早いとか?・・・ちょっと痛いよ?」


唇を胸元近くに寄せて露骨にわかり易く跡を残した。


「・・・わっ!?」


「明日の夜はまた別のところ付けるから。」


「あの娘は大丈夫だから、疲れてる俺を構ってよ・・・」





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