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といってもティアナではなく恐らく普通のお嬢様には無理なので、2人でせっせと穴を掘って護衛と賊を埋める。
放置しておくには問題ありだし、死んだら平等の扱いだ。そこまで鬼ではない。
「全員出血多量による死亡だったよ。状況確認しようがない・・・」
「お姫様は?」
「無理だって・・・普通の人にそれ求めるの。」
と、ザクザクと穴を掘って埋める。それから馬に跨り行くかー。と、置いていく。
「あ、あの助けてください!!」
「助けただろう?お姫様養う程懐暖かくないんでね。このまま道を下れば街には出る。そこで人に助けを求めるなりしてくれ。俺たちは北に向かうし。」
「無理よ!!!」
「「関係ないし、知らないし・・・」」
やってもないのに無理言うなし。ティアナはこのボンボンお坊ちゃんまだ普通だったんだなぁ。と、思いながらかつて川に飛び込んで拾われた薬師兼王子様を見ると気まずそうな顔はしていた。
「ティーダ、俺が何か?」
「いやぁ、何処の誰かさんとは違うなぁって。」
「褒めてくれてるならありがとう。」
どうしたものかな。襲われていたから助けたけど、この態度は助けたくない。
「私はユフィリア・フィリス子爵令嬢と知っての狼藉ですか!!」
あなたの目の前にいるのは王子様と公爵令嬢です。二人して思ったがそれは言わないと決めているのではぁ・・・と、適当に返す。
「何なんですか!!」
「助けられといて狼藉とかいわれてもな・・・」
「別に謝礼目的でもないし。」
「御礼なら出来ますわ!!!」
だからいらないと。2人はまぁいいや。と、置いて行こうとしたがユフィリア嬢はティアナにしがみついて年若い娘を放置して罪悪感もないのですか!?自分が貴族だと喚いているのでティアナはその手を払った。
「民に貴ばれるのが貴族だ思っているなら甚だ間違いだし、民を領民を尊び、護るのが貴族だ。勘違いするな。後は自分の問題だろ。野宿でもして生き延びる方法なんて腐るほどある。」
振り切るが無理ー!!!と、ティアナにしがみつく。
「だから、俺らはアンタを家に届けるつもりは毛頭ないし、行くところも決めてんだよ!!」
「私だって家に帰れませんわ!!!金のために嫁ぐなんて真っ平御免です!!!」
じゃあ謝礼の話は嘘かよ。矛盾が発生する。ユフィリアは私を連れて行って下さい!!!と、しがみついていた。めんどくさい。
「ジークどうするよ。」
「いや、素直に街に降りて助け求めなよ・・・俺ら野宿ばっかだし、獣狩ったりするし。というか何出来るんだ?」
使い道があるなら連れて行っていいかもしれない。程度だ。こっちに向かうと言い出したのもジークなのでジーク主導に決めることは出来る。
「わ、私は・・・」
「ジーク、日が沈むから取り敢えず野営場所確保するよ。」
「そうだな。面倒だけど・・・」
取り敢えず野営する為にこのお嬢様を担いで適当な場所を探す。
「足が痛い・・・歩けないわ・・・」
お構い無しに2人は野営の支度をする。毛皮の毛布と焚き火、馬を繋いで食事の支度。慣れたものでお互い必要な事を始める。
「ティーダ、肉いる?」
「ここで何取れるか分からないしなぁ、獣見た?」
「鳥くらい。弓は苦手だからティーダに任せた。」
「じゃあキノコとか採取任せた。」
さてとー。と、2人は別方向に歩き出した。少し歩けばものは見つかるからまだ食事には困っていない。
「置いていかないでっ!!」
「うるさい。食事が逃げるだろーが。今日は助けてやる。黙って馬が逃げないか見てろ。」
ティアナは鳥を二羽、ジークは食べれる果物、栄養を補助する木の実やキノコ。
「はい、羽毟って。」
「ん。葉物しかないし、腹持ち良いのがないしな。」
血抜きはしてあるから血はないが内臓を抜き取る。お嬢様なヒッ!!と、声を上げそうになるが手で口を抑えて堪える。切り株に腰掛けて火にあたる。
「ティーダがいたら肉に困らないからいいよなぁ。俺だと草になるし。」
「毒の有無が分かる方がいいと思うけど。お嬢さん、これで良ければ。」
「かぶりつけと!?」
「嫌ならいいけど。皿に盛り付けされたものが出ると思ってるなら餓死しろ。」
言葉に詰まったユフィリアは肉にかぶりつく。ジークはこれが普通の貴族だよなぁ。と、思いながら王妃に最も近い女性を見ると気品はないように振舞っているがガツガツと食べていた。
「それで、お嬢さんは何で私たちに貢献できるんだ?」
「一宿一飯は助けた手前世話するけど、明日の朝には俺ら出発するから。」
「う、・・・ば、馬鹿になさらない?」
「聞かないと分からないだろ。」
「わ、私画家ですの。趣味ではありますが、フィリス子爵家は芸術一門。絵も自信ありますが、目は子爵家で一番と自負しておりますわ!!」
こんな旅人に何自慢しているのかしら。絵画とか審美眼とか絶対いらないわよ!!!捨てられて死ぬのよ・・・
「ティーダ」
ティアナはうーんと考えてジークに耳打ちをする。
「どうする。」
「その審美眼の信用性は?公的能力なければ意味がない。」
「これでも審美眼には一家言を持っておりますわ。宝石の鑑定から真贋の見極め整形や化粧まで。フィリス子爵家で芸術関連で影響力はあります!!」
「んじゃあ、何で嫁に出されてんの。有能なら家で抱えるんじゃないのか?」
「画材やら宝石を買いすぎてお金が・・・」
金銭管理出来ないだけか。ティアナはうーん。と、考えてユフィリアを見る。
「私達は北の旧ヴェルディ男爵領を目指してる。それからまた色んなところを回る。街にはあまり寄らない。離れたいならそれでもいいし。」
「あら何故ヴェルディ男爵領へ?アソコは禁域というか、誰も行かないわよ・・・人がいるかすら・・・あ、でもアソコ未開の土地だから顔料とか山だからあるわよね・・・というか名乗りなさいよ!!旅人!!」
「ティーダ」
「ジーク」
それだけ。
「貴方達何処から来たの?」
「・・・キルシュタイン公爵領。」
「いいなぁ、温暖で裕福な土地じゃない。リヒト様素敵だし、カッコいいもの・・・」
リヒト語りが始まった。ユフィリアは渡された毛布に包まり暫く聞かされることになった。ティアナは第3者から自分のところの自慢話を聞かされるとは思わず右から左に流していた。
「ティーダ、こっちこい。冷えるから。」
ティアナは普通にくっついてもたれ掛かって眠りについた。何かあれば気付くし、警戒するにこしたことはない。
普通に抱き寄せてしまった。ティアナも普通に隣に来てくれるし。嬉しいけど、抱きしめて良いのか悩む。いや、寒いからくっつこう。寒いんだから仕方ない。モゾモゾと2人でくっついて眠る姿をユフィリアは頬を赤らめて見ていた。
ヤバイ・・・この2人・・・旅人というのは見た目でわかるけど、2人とも目鼻立ちが整ってるし、男2人で旅をして寝るときは身体を寄せ合うなんて・・・え?こんな素敵な状況確認見てていいの?ありがとうございます。やはりティーダが武芸が出来るから上かしら・・・細身なのに・・・見た目ならジークよね、どっちでも美味しいわ・・・
翌朝、ユフィリアは絶対付いていく!!文句も言わないから!!!と、頭を下げた。二人は文句言わないならいいか。と、取り敢えずヴェルディ男爵領へと向かう。
もう間もなく到着するけれど、その前に最後の街にはいる。ユフィリアの服をどうにかするためだ。ドレスで動き回るのは邪魔だ。
「服一式揃えたら金が・・・」
「仕方ない、後で支払ってもらお。こっからは街もないから山道の支度と寒さ対策だ。ジーク、ハサミ借りてきたから髪を直そうか。あの時私だけだったし。伸び方がイビツ。」
「私がします!!!」
ユフィリアが任せてください!!!と、ジークの髪を整える。適当に切った髪がスッと整えられて顔の端正さも分かるようになった。
「ティーダも!」
ザクザクとスッキリと思いっきり切られた。鏡を見て誰かに似ているような・・・
リヒトだ。騎士は鎧を付けるから髪を切っている。髪の色が少し違うがリヒトだ。
ティアナはヤベェと思いながらも切ってしまったものは仕方ないので振り替えりユフィリアを見ると鼻血を出してハンカチを真っ赤に染めていた。
「ヤバイ・・・幸せすぎる。」
ユフィリアが庶民の服に文句を言わなかったのは普段の創作活動はこういう服を着ることばかりらしい。
「血筋感じるな・・・」
「・・・やめて。それは・・・彼女審美眼あと思うけど、それで顔から判別されたら面倒だ・・・」
「確かに・・・」




