雪だるまのマフラー
雪が積もった公園で
手にしもやけができるぐらい
一生懸命作ったの
大きな大きな雪だるま。
バケツの帽子に
黒い丸い石ころのボタン。
枯葉のついた枝は腕さ。
目はうーん…
みかん?じゃがいも?
いいや、違う。
さっき拾ったまあるい、まあるいクルミの殻。
鼻はうーん…
空き缶?それよりも素敵なものさ。
見て見て、プリンの入れ物だよ!
口はうーん…
さっき、拾った赤〜い落ち葉。
ペタッとはると、にっこり、雪だるまが出来た!!
一緒に遊ぼうと雪だるまが言う。
うん!いいよ。と僕が言う。
2人でソリして遊んでいるとだんだん暑くなってきた。
雪だるまくん、暑くない?
僕はまだまだ寒いよ?
なら、マフラーを貸してあげるよ!!
ありがとう!
さらっと巻きつけたマフラーは、雪だるまくんによく似合ってた。
帰ってきて、お母さんにマフラーのことを聞かれて、あ!
雪だるまの飾りにしちゃった…
明日、ちゃんと取ってきなさいって怒られた。
朝、雪だるまくんのところに行くと、
マフラーのところにたくさんのドングリや木の実が入ってる。
どうしたの??雪だるまくん
昨日の晩、寒がりな小鳥がやってきて
「雪だるまくん、いいなぁ、暖かそう。僕は寒くて凍えそう」
なら、中に入りなよ。
「いいの?わーい」と中にはいってぬくっぬく。
その後、寒がりなリスがやってきて
「雪だるまくん、いいなぁ、暖かそう。僕は寒くて凍えそう」
なら、中に入りなよ。
「いいの?わーい」と中にはいってぬくっぬく。
さらにその後、寒がりなうさぎがやってきて
「雪だるまくん、いいなぁ、暖かそう。僕は寒くて凍えそう」
なら、中に入りなよ。
「いいの?わーい」と中にはいってぬくっぬく。
一晩、小鳥とリスとうさぎがマフラーの中であったまり、お礼にって、ドングリと木の実を置いてったんだよ。
そうだったんだー!
僕は、今日もマフラーを雪だるまくんに貸したまま。
きっと、明日も、明後日も、みんなでぬくぬく。
あったまろう。
お母さんだけ、ツノを生やしてぷりぷりしてた。
童話というか、絵本