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花屋亜種~たたかうはなや~  作者: ささあきら
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序章・主婦ときどき戦闘員

初めまして、ささあきらと申します。


子育てを終え、モノを書きたくなりました。

気楽に笑って読めるお話を

綴って行こうと思います。


どうぞよろしくお願いします。


*** はじめに ***


このお話は創作であり、

登場人物はすべて架空の存在です。

実在のお花屋さん並びにホームセンター、

その他の関係者様との関わりは、

一切ございませんのでご了承下さい。

(作者より)


*************


【序章・主婦ときどき戦闘員】



最近はどうだか分からないが、

ちょっと前までの幼い女児たちへ、


「大人になったら何のお仕事したい?」


と、ベタな質問をしたとする。



その結果を集計した中にはいつも、

ケーキ屋さんや玩具屋さんらと並んで、

“お花屋さん”が、ランクインしていたものだ。



私はヒネた少女であったので、

そんな可愛らしい願望は持たなかったが、

動植物は好きだったから、

花屋という職業に対しては、


「ああ~、綺麗なお花に囲まれてイイよね?」


くらいの好感はあったと思う。



が・・・・・・



現在の、パート勤め主婦の私がもし、

過去の私に会えたとしたら、

その無知を指摘し、考えの甘さを叱責するだろう。



そう。



花屋とは、襲い来る多種多様な敵と、

日々、最前線で戦い続ける過酷な職業。


少なくとも、現在の私の職業欄には、

“主婦兼パート戦闘員”

そう記載しても良いと確信する。



と言ってもまあ、

元々お花が大好きで、

努力の末、個人開業したお花屋さんには

当てはまらないのかも知れない。


また、街でよく見かけるような、

お洒落な生花専門のお店も違うのだろう。



私の働く花屋とは、

ホームセンターの一角に設置された、

大型小売店の一部門としての花屋。


言わば、花屋であって花屋にあらず、

“花屋亜種”とでも呼ぶべきかも知れない。




では、普通の花屋と我々の違いはどこか?


色々挙げるとキリが無いが、

まず大きいのは、客。


花専門店に来る客の多くは、少なくとも

花好きな人、あるいは花好きな誰かに贈る

プレゼントの購入が目的で、店を訪れるだろう。


ウチはそうではない。


ホームセンターは、幅広い分野の商品を置いている。

だから、全く花に興味が無い人や、

花が嫌いな人だって来る。


花売り場は大体が、店舗の入り口付近にあり、

来店する客は全員、花売り場の前を通る。


ヘタすると、花売り場の真ん中を

目的の売り場への近道に利用したり、

最悪、子供の遊び場として利用される事もある。


嫁の長い買い物を待つ、

ヒマなダンナの時間潰し場所になり、

我々女性従業員は、恰好のダベり相手にされる。


入口近くに居るために、売り場を案内させられたり、

ワケの分からない工具や薬品の質問、

不良品への苦情、客用トイレの汚れ報告、

迷子の相手までが降りかかって来る。



まったく理不尽である。



普通の花屋に職を求める人は、


お花が大好きです!

お花に触れて働きたい!

花の知識と扱いには自信があります!


みたいな意気込みがあるのだろう。



しかし、我々の場合はレジとか雑貨とか、

そんな職場かなぁ~?

くらいの、軽い気持ちで求職に応じたら、

振り当てられたのが花売り場でした。


残念!


っつーノリで働き始めた。



それでも客は、我らに求めるのだ。


『花屋さんの女性は、花好きで女らしい』

『きっと優しい人ばっかりだ』

『笑顔が似合う、愛想の良い店員さん』


そんな理想の花屋像を。



あえて言おう。


答えは NO! だ。



理想通りの花屋を求めるならば、

どうぞ生花専門のお店へ行って頂きたい。


それを拒み、ホームセンターの花屋を選ぶ客よ。

あなたが求めるものは、ズバリ!


“価格の安さ”


そこだろう?


だったら、我々に普通の花屋と同等な、

高品質サービスを無理強いするのは間違いだ。


ま、仕事ではあるので、

そこそこの対応はする。

頑張って、する。


・・・しているつもりだ。


つまり、それが理想通りの対応じゃないなんて、

クレームつけられては心外というもの。


だってここは、花屋であって花屋にあらず。


『花屋亜種』 の店なのだから。



このお話は、こんな職場で日々戦っている、

我らパート戦闘員の日常である。



*** 続く ***


次回から本編スタートです。


色んなキャラが登場しますので、

よかったらまた覗いてみて下さい。


ではまた次回。

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