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エピローグ
暗い。
暗闇が包み込む通路には、ただ一人佇む少年がいた。
そこには一人の少年と一体の骸のみがあった。
冷たい石畳の冷気が素足から伝わり、少年の体温を奪う。
しかし、少年の両手は生暖かさに包まれていた。
突然、少年は右腕に鋭い痛みを感じた。
骨にまで届く様な傷み。
「……刻まれた」
少年は全身を包み込む悪寒に肩を震わせた。
少年は、生まれて初めて恐怖を感じた。
「…………寒い」
両手で肩を抱き、その場にしゃがみ込む。
ゆっくり瞼を閉じる。
そして次に瞼を開けた時、少年は立ち上がった。
暗い通路を一歩、また一歩と歩き出す。
初めて知る恐怖に抗いながら歩を進める。
果ての祭壇を目指して……
この作品を読んで頂きありがとうございます。
まだ、執筆に不慣れなので色々と不敏な点がございますが、次話からもよろしくお願いいたします。