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nadir 異世界で生きる為には  作者: BUBBLE KING
本編開始前  憑依~出会い
6/11

ギルド登録

「Light of the sun・・・・フッ、美しいdawnだ」


少し早起きし過ぎた。

まだ日は顔を出さず、外は青い靄に満ちている。


太陽ではないことは確実だが。






昨日、あの後連れて行かれた部屋は大きかった。


前世ではそこそこ裕福であった俺ですら「こりゃあでけえ」と思わせる大きさと豪華さ。

内装は予想通りというべきか、成金趣味である。


我が家は高い家格を持つ由緒正しき大貴族と聞いていたのだが。

昔なのだからこんなものなのかもしれない。



部屋は広く、天井は高く、吹き抜けほどある。

様々な装飾のされた豪奢な机と椅子、3人用ソファ、アホほど大きいベッド。


目が軽くキラついたが品質は最高。


ベッドの質感は特に良く、羽毛のようにふわふわでありながらしっかりと受け止めてくれる、その安定感。

今までのベッドとは比べ物にならないほどの品質の良さ。

これが金の力。



「ふわふわ!ふわふわ!ふわふわ!ふわふわ!」


ふわふわだ。


落ち着く。


落ち着く・・・・。



意識が遠のく。






俺は二度寝したのであった。








マリア視点 昨日 _____________







「――――――バルトロメイ様は既に隠居され、ご長男のルスラン様は家督相続を放棄されました。現在の当主様はバルトロメイ様の弟君、グスターブ様。しかし次の相続権はアレクセイ様でございます。成人まであと10年。何故相続放棄した者の息子を、と思う者も一族内だけでなく配下にも多くいるでしょう。ですから、それまでの地盤固めをお願いしたいのです。これはルスラン様からの願いです。もう自分はマーズ・フォルスター家の策略に嵌ってしまい、国境拡張戦から帰ってこれるかも分からない――――そう仰っておりました」


「フォウ。分かっておる。確かにアレクセイは不安定な権力の上に立つことになるじゃろう。勿論、本人にその意志があれば―――じゃがな。無理強いはせん。しかし、儂は何かをするつもりはない」


「――――そうでございますか」


「受け継がれるものは伝えよう。パーヴェル達この屋敷の戦闘員は全てアレクセイのものとしよう。じゃが、他の人員は自分で、アレクセイ自身の力で集めるのじゃ。儂からはそう伝える。ここで人を集められなければ、もっと大勢の配下を率いる、エストロビシア帝国が四大貴族サターン・ソレスティア家の跡を継ぐのは不可能じゃ。なにより儂も、グスターブもそんな当主は認めんじゃろう」


「力強いお言葉、ありがとうございます。ではわたくしが家臣の一人目ですね。私はアレクセイ様の未来を見てみたいのです」






アレクセイ視点_______________







・・・・・・・・・・ということなのだそうだ。



ハア~。コミュ力は前世では低い方だったと思うんだけどな~。

そも、俺、そんな当主なりたくないし。でも得られる権力は得たい。

マリア氏に詳しく話を訊くと、当主はお飾りの面が大きい、自由に行きられ、旅にも出られるとのこと。



「よし、7歳じゃあなにか言っても子供のママゴト扱いされるだけだ。今は実績を積もう。冒険者登録しよう!」





決めた。

すぐ実行しよう。





3階にある自分の部屋を駆け抜け、2階から外へ出る。

こういった城は1階は使用人スペースとされていることがほとんどなのだ、と小学生の頃本で読んだ記憶がある。


裏口は使用人用で、バルトロメイは空飛ぶからギルド裏手にあるらしいが、俺は正面口から出入りしなくてはいけないらしい。それでも近いが。


無駄に大きい庭園を抜け、門の守衛の横を通り、貴族街を抜ける。

それから街の大通りを歩く。


方向音痴の俺だが、ギルドは大きいのですぐ分かる。




「すいません、ギルド登録します」


5つある受付カウンターの、右から2番目、つまり左から4番目の場所にいるギルド受付嬢に背伸びしながら声を掛ける。

受付カウンターは高くて7歳児の俺には届かなかった。


「はい、登録料20000シェルです」


握りしめていた金貨2枚を渡す。

石貨:10シェル、銅貨:100シェル、銀貨:1000シェル、金貨:1万シェル、大金貨:10万シェルだ。



「承りました。ではこちらの水晶球に手をかざして下さい」


俺は届かないので他のギルドメンバーが踏み台を持ってきてくれた。

ありがたい。



それにしてもこの水晶球、何の効果があるのだろうか。

魔力値測定とか?

ここで俺は凄まじい数値を叩き出してバカにされることはなくなるのだ!


「こうですか?」


「はい。そんな感じです」



何か・・・温かいものを感じますね。

40℃くらい。



すると何かが水晶球の上に表示された。



名前:アレクセイ・サターン・ソレスティア 

性別:男

種族:古代魔族

冒険者ランク:D級



魔力値ないんかい。

簡潔すぎるし、色々ツッコミどころあるがまず古代魔族ってなんだ。

魔王とかいるのか。



「あの・・・魔族ってなんですか・・・」

とは聞かなかった。ファンタジー物での魔族は大体明らかにしてはいけない種族だ。




「えーと、D級最下位からのスタートとなります。がんばってください!」



受付嬢から激励の言葉を貰い、早速掲示板に向かう。

掲示板には、様々な仕事が張ってあるのだ。



「便所掃除・・・却下。汚い」


「あんま良いのないな・・・・いや、これいいな」


そうして俺は1枚の依頼書を剥ぎとった。


俺が選んだ依頼は「四葉のクローバーを探せ」というもの。


どうやら、四葉のクローバーを20個探すだけだ。

超簡単。

報酬は4000シェルとかなり安い。


討伐系は怖いし、実戦慣れしていないので最初のうちはこんな簡単な依頼を、掲示板に載っているものを「全て」受注し、次に討伐をやっていこうと思う。




色々興味はある。

モンスターとか仲間にできんのかなと思ったり。

召喚獣、とか。






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