熱血脳筋な父登場
朝だ。
朝日というものは気持ちの良いものだ。
「あれ太陽じゃないよな・・・」
だってデカイし。色が赤いし。
「昨日の続きやるか・・・」
再び手に魔力を集める。
右手に紫色の炎が生成された。
今日はコレを飛ばすのだ。
さて、深呼吸。
大きく息を吸って・・・・
「ハァァアアアアアア!!」
しかし何も起こらない。
気合だけでは効果がないようだ。
ないようだ。
そんなことはないようだ。
「!」
火球はその形を変え、二重螺旋のような形を描きながら増幅する。
「まずいな、ウォーターボール的な何かよ、いでよ!」
右手で変な炎を出しつつ、左手で水のボール的なやつを生成。
それを右手にぶつける。
「ふぅ・・・」
炎はジューという音をたてて消えた。
よく考えれば、火を出すのを止めればいいんだった。
これはこれで、両手で魔術を使えるようになったからいいんだけどね。
「今の魔術、なんて言うんだ?」
参考にしていた「魔術教本 初級~上級まで」には、
上級魔術の「煉獄螺旋」だと書いてある。
やったぜ。
「詠唱が・・・って俺してないし」
詠唱があったらしいが、無詠唱で十分です。
それにこの本、炎の色を変える方法書いてないぞ。
不親切だな。
ともかくこれでファイアーボールとウォーターボールをマスターした。
土、風の方のボールもマスターしないとな。
まあとにかくこんな感じで俺は6歳になった。
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「アレクセエエエエエエエエエエエエエエエエイ!!!!」
「なんでしょう父上」
「剣術の時間だゾ!」
「そうでしたか」
うるさい父がやってきたようだ。
25歳、俺と同い年である。
前は騎士だったが、今は男爵あたりになっているようだ。
すごいな。
「いや違う!ブンッと振ってザンッと斬りこんで、そこでガッ!だ!」
「意味不」
「だから、ブンッ、ザンッ、ガッ!」
「大変申し訳ございませんが、理解不能にござりまする」
「いやいや、ブンッ、ザンッ、ガッだからなあ」
「はあ・・・・・」
父の言っていることはよくわからない。
あれかな、俗にいう脳筋ってやつかな。
俺は俺の勘でいかせてもらう。
「おおっ!良くなってきたな、さすが俺の子だ!」
とか褒められた。
褒められて伸びる子なのだよ、俺は。