第13話:修学旅行
「ねぇ、ジジ抜きしようよ!」
かなり暇なのでトランプを取り出した。
新幹線の席は班と同じだ。
「おっけー!」
順番は、
→私→奈南ちゃん→雪菜ちゃん→楓笑→業戀→杉山→
となったわけだが
最後に残ったのは私と楓笑…。
「私達飲み物買ってくるね」
くっ…女子達っ!!
しかし、楓笑…可愛すぎる
「っ~~!ふぅ…っ~~!」
可愛い…しかし!
負けるわけにはいかんのだ!
「ニタァ…」
なぬっ!?
スペードの7だと…もうわかってるんだよ
二人になってからずっと7を引き合っている。
奈南ちゃんは、7を引き合っているのを見て
なんか頬を赤らめていたよ、可愛いね
すっごい想像力が豊か…そういう子、大好きよ
「くっ!騙したな楓笑っ!」
可愛い可愛い楓笑がっ!
憎たらしい…業戀みたいなことしたよ?!
「ふっふっふぅ!僕だっていつまでもやられてないよ!」
ぐぅぅうううう…
というか、まぁ私もいい加減学習しないといけないのだけどね
さっきからこの手の騙しをずっとくらってますからね
これ、着くまでに終わんないんじゃない?
「いい加減終わんないのー?
てか暇だしここまで長引いたしさぁ…
負けた方は1上がりの俺のいうこと聞いてよ」
ヘラヘラと赤い悪魔。
愛しいけどそれは嫌だ!
だって絶対…はっ!これはもしや敗北フラグでは?!
もう考えんぞ!
とりあえず、ニヤニヤしている。
楓笑の悩む姿が可愛すぎて私は鼻血が出そうですよ
何故なら私は女子力が高いので可愛いものには目がないんです。
少年少女たちが可愛い小動物のように見える時があるくらいだもの。
「えいっ!」
……ふっ!負けた…敗北フラグはやはり立っていた。
し、か、し、だ☆
別に私はいうこと聞くなんて約束してませーん
「あぁ、今日もいい天気だね。あの子たち遅いし、心配だからあとを追ってくるよ」
ガシッ
腕…掴まれた…だとっ!?
これは、もしやあれか?B級ホラー映画的展開か?
そして振り返るとそこには…
「きゃぁっ…もがっ…」
叫ぼうとしたらその口を塞がれ私は
命を吸い取られる感覚を覚えた…
くっ…目の前に立つのは血のような赤い髪の悪魔…
私の意識はそこで途絶えた。
さようなら、わたしの人生
というナレーションをしつつ内心その行為を嬉しいと思ってるのは内緒だよ☆
「ここは、一般の方もご乗車しておられるのでお静かにお願いいたします、お嬢様」
ブラックスマイルいただきました!
スマイル0円で良いんですか、いいんですね?!
…こんな関係がとても楽しく愛しく心地いい。
恋人になったらこんな絡みはきっと無くなる
今でも歯止めが効いてないんだから
好きすぎて、ふざけてもいられなくなって
依存して、壊して…
優しく器の大きい業戀はきっと…喬也みたいになる気がする。
だってさ、似てるんだもん。優しさが、暖かさが。
だから怖くて仕方が無い
話を聞いてもらってから前以上に業戀のことを考えてしまってる自分がいる。
今まで以上に警戒しないと駄目だ
恋人なんて…1番近くにいられるけど、少しの喧嘩で1番遠くになるんだよ。
1番愛しいと思うから、1番大切と思うから、1番知ってると思い込んでしまうから
何かあれば二度と戻れないんだよ
友達の方が、いい距離感で近くにいられる
優先順位は色んな事の下かもしれないけど
何があったって頼られたりできるんだよ
…なんて、夢物語か。
だけどやっぱり、間違いなく…友達って特別だと思うから。
「また、考え事?」
なぜわかるんでしょうか?
私そんなに分かり易いかな
「なんか答えて?」
口塞がれてて出来るか!
〈手離してくださーい。〉
念話って便利ね…
「ぷはっ…業戀に何されるのかなぁキャッこわぁい♡」
ちょっと挑発気味に言ってみた。
あるあるだよね、ブリっ子みたいなやつ
実際?怖いとも思ってませんよ
だってどうせパシリだし
一応自分で言うのも何だけど主だよ?
マスターだよ?
こき使うべき相手じゃないと思うよ?
「ふぅーん…怖いんだぁ
じゃあご期待に応えて…」
ドサッ
ほっ…ほわい?
なぜ私は押し倒されてるの?床ドンならぬシートドン?
「皆の前で俺の事楽しませてもらおうか?」
業戀、キャラ崩壊してませんか?!
私を助けて、誰か!
なぜみんな目を逸らす!
いじめから目を逸らすのはよろしくないんですよ!?
「っ…か…かれ…ん…///」
スカートがだんだん上にあげられていくよ?!
足、くすぐったい…
「なーんて、やらないよ」
べっ、と舌を出した
…恥ずかしさを返してぇぇえ!
「クスッ…様子見に来たら何してんの?」
笑いながら登場されたのはクソ野郎扱いされていた侑希くんでした
隣にいる可愛い子は誰でしょう?
侑希には勿体無いのでは[検索]:そうですね、勿体無いでしょう
検索結果はやはり私の考えていた事と同じでしたね。
そして、私には業戀が勿体無いのでは と調べたとしても結果は同じですね同じでしょうね
「業戀に襲われてますけど?
それより、その可愛い子は誰?」
短くてオレンジの髪。
少しだけ業戀に似ている気がする
まさか…本物の兄妹!?
私にライバル現るなの?そうなの?!
ニセモノ、お遊びの私には敵わんのでは…
いいやそれでも戦うが??
「あぁ、この子は俺の彼女」
……わい?ふぉわぁい?ほわい?
カノジョ?
カノジョって、あのよく女の人を彼女って例えるあれか。
「も、恥ずかしいよ///
あの…私は 凛堂 初楓です。
みんなには、凛ちゃんってよく呼ばれてます」
名字の方からあだ名来てるんだ…
にしても本当に可愛いな
業戀に少し似てるけど反応とかは純粋で凄く可愛い
女の子してるなぁ
「いちかってどういう字書くの?」
「あの、それより体制をどうにかした方が…」
あ、押し倒されたままだったの忘れてたよ
だってすごく普通に話せてたし
そしていつもの定位置(業戀の膝の中)に行って改めて尋ねた。
多分口で説明って難しいからメモ帳を差し出す。
「初めてに楓で、初楓です。一応凛堂はこういう字です」
なんか初々しいって言いたくなる字だね
ということで、お返しに私の字も書いて渡す
ついでにこの子が可愛いのでメアドとケー番も書いて渡す。
「明日日 花乃です!よければ電話とかメール待ってるよ」
「さり気なく人の恋人をナンパしないでよ」
ん?今なんか言ったかな?
濃い人?
「ん?ん?なん…
なんつったぁあああ!?」
自主規制…
「凛ちゃんは、俺の恋人。彼女。愛しい人。」
なんですって?
どうかしちゃったの、初楓ちゃん…
貴方ならきっと俳優とかハリウッドの人おとせる可愛さだよ?
というか、綺麗さだよ?
「初楓ちゃん、今からでも私と付き合わない?」
女の子に興味があるわけじゃありません。
恋愛とかそういうんじゃありません
でも危ない道に走ろうとしている子を助けるのがヒーローだろ!
「えっ…///」
あ、かわいい…照れてるよ。
もっとからかいたくなっ…うぐっ…
腹が締められる…痛い痛い痛い!
なにこれ、緊箍児の腹バージョン??誰か呪文唱えてる??
「人の彼女くどかないのー」
こうして、新感線での出来事もとい人生が終わった…
その後私の姿を見たものはいな…
いや、死んでないけどそのくらいの勢いでお腹締め付けられてたんですけども?
ということで、ついたぞー!
荷物も置いたし出発だ…
前来た時とは違う楽しみがあるよ、今は。
「今日は抱っこ迫んないんだね?」
…ふっふっふっ…!
よくぞ聞いてくれた…
いやまぁね、ほら…恥ずかしいから…
「たまには、手を繋ぐだけも良いかなって」
はい、恥ずかしいなんて素直に言いませんよ
言ったら業戀は絶対に抱っこしてくるだろうし
それに、さっきの締めつけのせいで腰も少し痛いし…
「ふーん、まぁこれはこれでいいか」
業戀は、もしかして抱っこしたかったとか?
察してあげられなくてごめんね
しかし…私は京都に来てまで抱っことか…。
いやなんていうか、抱っこされるのも好きだったんだけど
修学旅行を節目として
一応同い年の女子なんだよって思い知らさせて…
て、これじゃ私が業戀を好きみたいじゃない!
いやすみません、好きでした。
付き合いたいみたいじゃないか!
そんなこと私は認めますけど…怖いのは嫌いなので遠慮したい
「ねぇ、ずっと思っていて聞かなかったんだけど
明日日さんと赤崎くんってお付き合いしてるの?」
…ピキッ
なにかにヒビが入った。
友情に?愛情に?空気に?心に?
一番触れてはいけないところだと思う。
別に過去ありとか、そんなんじゃないけどさ…
私にとって、恋人とかお付き合いとかそんなもんさ
ただの地雷とかその類のものなんだよね。
「付き合ってないよ」
ぺったりきっちり、隙の無い貼り付け笑顔。
逆にあからさますぎるくらいのね
「そうなんだ…」
からかわれて照れる事ができるほどまだ回復してない
業戀を好きといいつつ、
実際、喬也のこと振り切れてないから多分恋が怖いんだろうな。
考えすぎるのはよくないけどついつい考えてしまう
私は、本当にめんどくさい。
「あっははー☆
私が業戀の事大好きっていうのはお兄ちゃん的存在としてだよ」
空気に耐えられない
まぁ自業自得なんだけどね
吸血姫とかじゃなくてエアクラッシャーの生まれ変わりなのでは??
「俺も花乃のことは、世話の焼ける妹としか思ってないよ」
前、恋愛対象として好きって言われた
だから多分この言葉は私を気遣ってくれてると思いたい。
…あれ?もしや、私今でも既に業戀に苦労かけまくってる?
「二人からは兄妹オーラが溢れてるもんね。
あ、あの店とか美味しいものありそうだよ」
楓笑は空気を察してくれる
空気を読むのがうまいのだろうか…
私とは真逆だね☆
「あ!ほんとだ!いこ、花乃ちゃん!雪菜ちゃん!」
甘味処と書かれたお店
どこか懐かしさを感じさせる木造だ。
「抹茶とあんみつの白玉入りパフェ∞を6つください!」
なんて名前だよ、∞って…無限って…何その面白センス
しかも、男子に許可取らずに頼んじゃったけどいいのかな?
食べれないとか…
「はい、おまち」
意外とボリュームあるな…まさか∞ってそういうこと?
私こんなの食べれるか心配なんだけど
甘いものは好き、お腹も人並にすく
けど、吸血鬼になってからはあんまり人の食べ物を
胃が受け付けてくれないんだよね…
「いっただっきまーす!」
あ、でもおいしい…
「甘すぎなくてちょうどいい!」
興奮気味に言った言葉は女子3人がハモった。
まぁダイエット中の方にはおすすめできないね、美味しすぎるから止まらない
「ごちそうさまでした!」
食べ終わるまでに30分経っていた
ボリュームが本当にすごかったからね…
「2人で一つくらいのほうがよかったね」
雪菜ちゃん…その割には食べ終わるの一番早かったよね
私の少し手伝ってくれたし
「だねー」
その後適当に食べ歩きをして回った。
お腹いっぱいになって旅館に戻ったものだから、夕食を食べられなくて、あのチャランポラン先生に怒られたけど…。
「じゃあ、温泉いくぞー」
クラスごとにはいるのだが、E組は最後なのでのんびり入れる。
でも、温泉大丈夫かな…
目を凝らさなければ胸の傷は見えない。
ほかの小さな傷もバレない可能性はあるけど…バレる可能性のが圧倒的に高い
「生理の女子は各部屋の風呂か…よかった」
あんな変な担任でも私の事情は知っててくれてちゃんと考えてくれてる。
裸の付き合いだー!なんて叫んで、他のクラスの先生に怒られてたけど
色んなこと考えてる、凄い人だと思う。
…楽しかった日もこうして終わっていく。
私達は日々変わっていく
なのに私はあの場所から進めていない
進めているようで、あそこで立ち止まってる
その私の手を引いてくれるのが業戀ならいいのにって思う
私がまた歩き出せるようになるとしたら
業戀の手引きしかないと思ってる
でも多分 業戀にもなにか大きな秘密がある
それは私や侑希、リラや迷みたいに人外であるとか、そんな程度じゃないんだと思う
ふぅ…さっぱりした…。
みんなはいつごろ戻ってくるのかな
待ってるあいだ…寝てようか…




