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ビットさんが荷ほどきをするようなので眺める。
A4位の大きさの袋から10枚ごとに紐でまとめられた大量のパムと呼ばれるフラワートルティーヤとワインボトルに似たビンが続々と取りだされて驚く。
とてもそんなに入っているように見えなかったのに……
「ビット……一度机に出さずに保管室で取り出して、そのまま保管庫に移しては楽なのでは?
シェフ?どうされました??」
「え!?あ……ごめんなさい、袋の大きさに合わない量が出てきたからびっくりしたの」
「あぁ、ビットが使っているのは収容物容積圧縮の魔法が付与された荷袋です。これも一般に広く普及しておりまして軽いが嵩張る物の運搬に重宝されています」
「へぇ~……便利そう」
「便利ですよ。買い物の必需品!町の奥様たちのお伴!! まぁ、重量圧縮が無いので軽い物の時しかですがね」
ビットさんのおどけた口調に思わず笑ってしまう。
重量圧縮ができる物は高級品らしく、備品としての購入を希望されてしまったがアクアさんが首を横に振ってしまった。