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「いかがですか?使えそうな物でしたでしょうか?」
「あ、はい。野菜充実してますしなんとかなるかと……あ、芋類、豆類、果物です。
ただ肉が……」
「肉がいかがしましたか?王宮に納められている物と同等の物を用意したのですが」
一通りのチェックが終わったところでアクアさんから声がかかる。
つい野菜と言ってしまったら通じなかったようで怪訝な表情が見えた。
「高級品を用意して頂いていて申し訳ないですがこのままでは使えないですね……
こちらではこの状態の肉を料理するのですか?」
「恐らくそうかと……申し訳ありません、私は料理人ではないのではっきりとはわかりかねますが」
あいまいだけど恐れていた答えに頭を抱えたくなる。
死後硬直中の肉を調理していたらどれほど上質な肉でもガチガチのパサパサで美味しくないだろうに……
「アクア、保管庫に居るのか?言われていたパムを持って来たぞ」
突然の大きな男性の声に二人して驚き、顔を見合わせて厨房に戻ることにした。