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転生ライフ!オークライフ!?  作者: エケイ
第五章 : 次なる街へ
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犬探し

迷走中…じゃないよ?…多分。(。-ω-))…ZZZ


「ほほ~、そんな事があったんやね~。」


 俺が今日あった事を話すと、マロクは部屋に置かれてあった机に手紙を書きながら答えていた。何の手紙を書いているのかと聞くと、今日行った商人ギルドで手に入れた情報について書いているのだと言っていた。実際に書いている内容をチラッと見ると、何かの単価の変動についてや新しく入荷した物について書かれていた。


「(うわっ、マロクが真面目な事してる!に、似合わねぇ…。)」

「なんか今、ひっじょ~うに!失礼な事考えてない?」


 俺は慌てて首を横に振って否定するが、それをマロクは訝しげな表情で見ている。


「…まぁええわ。それで話を戻すけど、イサミはんはそれでええん?」

「“なにが?”」

「はぁ…、こりゃエルミアさんも怒るのは無理ないわ。」


 マロクは大きく溜息をついた後、手紙を書き終わったのか綺麗に折りたたむと懐に仕舞ってから俺に向き直る。


「ええかい?エルミアさんが人間族の事を嫌っているのは知っているやろ?」

「…。(コクッ)」

「そんなエルミアさんに人間族が、一緒にクエストを受けようと言ってきたんやで?普通、そんな時は仲間であるイサミはんがエルミアさんに代わって何とか断るもんやろ。」

「“でも、相手はシルバークラスだぞ?アイアンクラスの俺が意見を言ったら怒ってさらに厄介になるだけだ。」

「シルバーもアイアンもあるかい!そう言う時に助けてやるのが仲間やろうが!」


 ガタッ!と椅子から立ち上がって少し強めな口調になったマロクを俺は驚いた目で見ていた。言われてみると…確かにその通りかもしれない。日本に居たころは目上の人には逆らってはいけないという考えが自然と俺の中にあった為か、どうすれば問題にならないかとしか考えてなくて、エルミアの事を考えていなかった。


「(俺は…。)」

「…まぁ、イサミはんの考えは間違っていないで?でも、もう少しエルミアさんの事を考えたってや。…大事な仲間、なんやろ?」


 明日、エルミアに謝ろうと考えながら俺はマロクの言葉に頷いて答える。





---次の日---


 目覚めた俺はマロクと一緒に宿屋前でエルミア達を待っていた。残念ながら宿(タカナミ)とは違い、この宿では朝食は出ないのでクエストを受けるついでに街で取ろうと言う事になっている。ちなみに、当然だがルドルフさんはエルミアと一緒に、マロクは俺と一緒に行く予定だ。驚いた事にマロクは冒険者ギルドの登録をしており(ランクはブロンズだった。ちくしょう!)、クエストを受ける事ができた。


 俺達はその場でしばらく待っていたのが、何時まで経っても出て来ないので2人の部屋に行って扉をノックしてが返事はなかった。もしやと思い宿の主人に聞くと、どうやら俺達よりも早くに宿を後にしたらしい。


「(…ま、マジか…。)」

「あちゃー、こりゃ本気で嫌われたんじゃない?イサミはん。」


 1人落ち込む俺の背後でマロクは両手を頭の後ろに回して呆れ顔をしている。う、うるせぇ~!そ、そんな事はない筈だ~!


 兎にも角にもその場に居ても仕方ないと思った俺は、昨日受けたクエストを出した依頼人の下に向かう事にした。




「ええっと~、なになに?…なんやこんなクエストを受けたん?物好きやな~。」


 依頼紙に記載されてある地図をマロクに渡して、道案内を頼む。場所はこの街の住宅街にあるようで、一見すると何処だろうと思ったがマロクは迷うことなく1つの家の扉をノックした。


「こんにちわ~。クエストを受けた者なんですけど~。」


 マロクがノックした後、しばらくして扉が開いた。扉を開いたのは30代になるかぐらいの男性で、一瞬誰だ?という顔をされたが、マロクがクエストの依頼紙を見せると驚いた顔で「え?あ、あぁ!引き受けてくださったのですか!」と納得してから家の中に案内してくれた。


 家の中には編み物をしていた優しそうな女性が1人と小さな女の子が1人悲しそうな表情で椅子の上に体育座りの形で座っていた。


「ようこそ、いらっしゃいました。まさかあれだけの報酬で引き受けてくれるような方がいるとは…あっ!?す、すいません!」

「あぁ、気にしなくてもええんです。ワイも驚いていましたから。」

「は、はぁ?と、ともかく、ミィーム!アルルを探してくれると言う方達が来てくれたよ!」

「ホントッ!?」


 男性が少女に声をかけると少女はパッと顔を上げて駆け寄ってきた。…マロクに向かって。


「ねぇっ!ホントに探してくれるの!?」

「はいな。任しとき、嬢ちゃん。全部、こっちのイサミはんがやってくれるから。」


 マロクは親指で俺を指差すと、そこであっ、居たの?と言うような視線を少女だけでなく中にいた母親や家に招き入れたはずの父親からも向けられる。よし!マロクとそこの父親、表出ろや! 


「お、お願いします!アルルを探して下さい!見つけてくれたら私のお金、ぜんぶあげるから!」


 そこで、少女は走って部屋に行ってすぐに戻ってくると手の平を見せる。震える小さな手の平の上には小さな銅貨が三枚あった。


「これで!…えっ?ひ、ヒィッ!?」


 少女が俺を見上げる形になった為か、俺の素顔が見られてしまう。とは言っても見られたのは仮面を着けた顔なのだが、鬼の様な仮面を知らない大男が着けているだけでそれはそれで恐ろしいものだろう。現に少女は銅貨を落としたのも構わずに、傍にいた母親の後ろに隠れてしまった。


「す、すみません!冒険者の方!娘が失礼な事を!」


 父親は慌てて頭を下げて謝罪する。俺は気にしていないと手振りで示しながら落ちた小銅貨三枚を拾い上げて少女に近づく。少女は当然だが母親も少し俺に怯えているようだったので、少し離れたところで足を止めると、しゃがみこんでから腕を伸ばして銅貨を乗せた手の平を少女に向ける。


「ごめんな。…ミィームちゃん、やったっか?この人、イサミはんはこんな見た目しとるけど根は良い人やねん。怖がらんといてあげてや。」


 しばらくしても怖がって来ないので、見ていたマロクが後ろからフォローしてくれる。マロク、ナイス!


 ミィームちゃんは、母親の後ろからちょこっと顔を覗かせてからゆっくりと母親の服を掴みながら俺に近づく。そして、俺が銅貨を手渡すと少し慌てて、だが先程よりは落ち着いた感じに母親の後ろに隠れてから、


「その…アルルの事、お願い…します…。」


 と言ってくれたので、俺は頷いてから立ち上がる。その後、アルルという犬の特徴をミィームちゃんの父親から聞く事にした。


「アルルと言うのは最近、飼い始めた白いダグでして耳の先端部に小さなほくろがあります。先週、ミィームが散歩させているときに逃げてしまったのです。」

「(ダグ?)」

「…イサミはん、ダグッちゅうのは小さな犬の事で、よく人間族に飼われている動物のことや。」


 マロクが耳元に口を寄せて小声で説明してくれる。なるほどなるほど。


「居なくなった場所は近くの公園なのですが、私たちも探したのですが見つからず、結局娘が自分でお金を出すからと言って聞かなかったのでこうして依頼したまでです。」

「まぁ、予想しとったものの、もう少し親であるあんたらが出してもいいんじゃない?」

「お恥ずかしながら、その通りなのですが、冒険者達が来てくれるお金となるとそれなりの金額になります。それならば、娘が提示した金額で出す事で冒険者が来なければ娘も諦めてくれるだろうと考えていたのです。」


 そりゃあの報酬だと誰も引き受けないだろうな。それこそ、俺みたいな今の生活に特に困っておらず、物好きな冒険者じゃない限りな。


「失礼な事を言ってしまいました。ですが、失礼を承知でお願いします。どうか、娘の願いをかなえて上げてやってください。」


 男はそこで、頭を下げる。最初は娘のためにお金を出さないケチな親かと思ったが、決してそうではないようだ。俺は頷くと、マロクが「はいな。任しときぃ!」と返事を返してくれたので、そのまま俺達は家を後にした。




---近くの公園---



「っと、あんな自信満々に言ってしもうたけど、なんや探す当てはあるんかいな?」

「“ない。”」

「えー…。」


 最初は匂いで見つけられないかと思ったが、来て思った事がダグの匂いなんて分からないと言う事だった。


 呆れ顔をしているマロクをほっておいて俺は仮面に触れる。先程は、仮面があったおかげでそこまで大きな事態にならないで済んだ。今なら恐ろしい仮面をした怖い大男にしか見えないからな。当然、それはそれで嫌だけどもオークだってばれるとそれどころじゃない。最近、この仮面に慣れたせいか仮面をしていることを忘れてしまうぐらいだ。


「(まったく蒸れないし、風も素肌に当たるように感じる事ができる。変な仮面だな。)」

『それだけではないぞ、イサミ。どうやら、イサミが眠っているときで周囲に誰も居ない時は仮面が消えておった。』

「(なにそれ怖い。)」


 まだまだ謎が多い仮面だが、今は助かっているのでこのままにする。


「…おーい、イサミはん。聞いてる?」

「“聞いてなかった。もう一度初めから頼む。”」

「なんかイサミはん、ワイの扱い酷くない!?」


 ふむ、なぜだろうか?マロクってなんか仲の良い友人と話している気分になるんだよな。…もしこれが、マロクの能力だとしたら恐ろしくもあるが大したものだ。


「イサミはんのワイに対する対応改善を要求したいところやけど…まぁとりあえず今はええわ。それでなんやけど、無難に手分けして探したほうが良いと思うんやが、どないする?」

「“そうだな。”」

「それじゃ、イサミはんは、街のほうをよろしく頼むわ!」

「“わかった。マロクは?”」

「ワイ?ワイはこの公園でイサミはんの報告を待って…うそうそ!冗談やって!だからそない指の骨鳴らしながら近づかんといてぇ!」


 マロクの愉快な冗談に俺は笑いながら、近づくとマロクは顔を青ざめて引きつった笑顔を見せてくれた。ははは、さて冗談はここまでにしておいて探すとするか~。


「“マロクは向こう側を頼むぞ”」

「え?あっちって倉庫街でめっちゃ大変…あはは喜んで引き受けますとも!」

「“指を鳴らすたびに正直になってくれて俺は嬉しいよ。”」

「ははは…はぁ、んじゃ、見つからなかった夕方にここで集合でええかい?」


 マロクは俺が了承するのを見ると、「ほな、行ってくるわ。」と後ろ手を振りながら歩いていったので、俺も町の住宅街のほうに向かって足を進める事にした。


犬と言われて想像するのは何犬ですかね?((o>ω<))oワタシハ柴犬!

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