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転生ライフ!オークライフ!?  作者: エケイ
第四章 : 王都 クエスト
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ひざ当て

更新が不定期で本当に申し訳有りません。m( __ __ )mスイマセン

 王都の大きな門を抜けると目の前には広大な土地が広がっている。王都から出ている大きな道の周りには、牧場のようなものもあれば小さい村のようなものも少し離れたところに存在している。今回の目的である森もまた王都の近くに幾つか存在しているモノの1つで、歩いて暫くすると見えてくる。


 森の中は静かで朝日の木漏れ日がとても綺麗だ。最初にいた森の中では光すらまともに入ってこなかった為に薄暗くて怖かったが、こういう森の中だと気分が落ち着いてくる。


「この辺りなら大丈夫かな?」


 俺は辺りを目と鼻で確認する。目視では特に何も見当たらない。嗅覚でも近くには動物もいないようだ。


『問題なさそうね?それじゃあ、やりましょうか。あっ、イサミちゃん今回は――』

「よっしゃ!いくぞ!《豊穣の息吹!》』」


 俺は未だに僅かに疼く右手を突き出して呪文を発動させる。豊穣の息吹は取り込んだモノに応じて大地が御返しをしてくれると言う魔法で、この前は腕から花が出現して蕾が開くと中からアイテムが出てきた。花が出現したとき、なんだか溜まっていたモノを噴出す感じで少し気持ちよかったのは秘密だ…。


「……あれ?発動しない?――ッ!?グオオオ!?」


 発動言語を言ったのに何も起こらない事に不思議に思った瞬間に、右手が物凄く疼き始めた。見ると腕の服の下でニュルニュルと蔓のような物が蠢き始めて腕に締め付けられるような強烈な痛みを発し始める。い、一体なんだこりゃぁ!?


『ああもう!勝手に発動させて!イサミちゃん!右手を大地に付けてゆっくりと溜まった魔力を吐き出して。』


 俺はマリンに言われたとおりに痛む右手をゆっくりと地面につけて、少しずつ右手に溜まっている魔力を開放するように地面に流し始める。


『イサミちゃん、暫くの辛抱よ。』

「く、くぅぅ!?」


 俺は目を閉じ、歯を食いしばりながら魔力を必死に流す。最初は「意味があるのか?」とも思ったが、襲う痛みは魔力と共に流れているのか、暫くすると痛みは徐々に無くなっていき、今度は逆に痛みが無くなった事によっての開放感とも言える快感が俺を包み始める。


 遂に魔力を流し終えると完全に痛みが消えて、残ったのはマッサージの後の気持ちよさに似た心地良さだった。「ふぅ~。」と息をついてから汗を拭って目を開くと先ほどとは違う光景が目に写った。


「な、ななな!?なんじゃこりゃ~~~!?」


 目の前には先程まで無かったはずの大樹が存在していた。




---五分後---


「なるほど、つまりコレ大樹は俺の《豊穣の息吹》で作られた樹だってことだな?」

『そうなるわね。私もここまで立派な樹が出来るとは思ってなかったけど。』


 マリンが言うにはこの大樹は溜め込みすぎた《豊穣の息吹》によって生成されたものだと言う。以前の花と違ってすぐに消えないのは生成時の魔力が高すぎたせいらしい。よって、この樹はずっとこのままとの事だ。…街の中でしなくて良かった。


『ほら、ボーっとしてないで。大地のお礼が来るわよ?』

「おっとそうだった。」


 俺は改めて大樹をみる。とても幅広い少なくとも大の大人が両手一杯に広げても足りないくらいだ。高さとしても、周囲の木と比べても抜きんでており、森の中で一本だけニョキッと出ている感じだ。葉もとても青々しく見るものが見ればご神木と言われても可笑しくない位の樹だった。


 そんな樹の一部に場違いのような大きな実が1つプクーッと急激に成長してプツンと落ちてきた。落ちた場所は丁度俺の前辺りで、桃の形にそっくりなソレを拾い上げるとパカッと開いた。


「…なんだこりゃ?…仮面?」


 桃の中から出てきたのは桃○郎…ではなく、1つの仮面だった。仮面はいわゆる鬼の様な角と睨むような形の目が造られており、顔上半分のみの仮面だった。特徴的なのが、鼻に当たる部分が俺の鼻の形とそっくりと言うところだろう。


 …これは、俺に付けろと言うとるんじゃなかろうな?こんな小さい子供が見れば泣き出しそうな仮面を?いやいや、無いわぁ。露理魂紳士である俺がこんなものつける筈がないっての!


 俺は鼻で笑いながら仮面を仕舞うと軽く伸びをしてから立ち上がる。どのような効果がある仮面なのかは分からないが俺には関係なさそうだし今は考えないでおこう。


「ん~!さて!この後は、渡辺さんと会う約束してた…んん?」


 不意に光の反射が視界にはいる。光を反射した物は俺が作り出した大樹の根元にあった。それはひざ当てだろうか?よく分からないが恐らく防具の一種と思われる物で片方のみだった。


「なんだこ――」

『なぜそれがここにある!?』


 俺が拾い上げようと屈んだ瞬間に、ヤシロが大きな声を出した。急に大声を出した事にも驚いたが、ヤシロの声には今までに無い程の動揺の感情が含まれていることの方が俺には驚きだった。


『なぜ!?なぜ…?』

「ど、どうしたんだ?ヤシロ?」

『イサミ…、悪いが我を召喚してくれ。』

「うん?分かった。《契約具現!》」


 俺の掌の上にヤシロが出現する。ヤシロはスルスルと俺の体から降りるとひざ当てに近づきマジマジと見つめる。


「マリン。あれも《豊穣の息吹》によるものなの?」

『…いいえ。恐らくこれは《ペテロの裂け目》でも取り込むことが出来なかったんだと思う。それにあれは…。』


 マリンもそれ以上に何も話そうとしなくなり、俺は1人その場に立っていることしか出来なかった。




---------



 どれくらい経っただろう?あれからまったく動かないヤシロが心配になり俺は何かを言うべきかと考えていると、ようやくずっと防具を見つめていたヤシロがゆっくり此方に頭を向けてきた。


『イサミ、コレを持っていてくれはしないだろうか?』

「…別に良いけど。それは何なの?」


 確かにとても綺麗な金属で出来た装備品だと思うがそれだけで、呪われたといった感じはしない。


『これは…我が友の形見の1つなのだ。』

「えぇ!?な、なんでそんな大事なものがここに?」

『多分だけど、前回の洞窟で知らないうちに取り込んだんじゃないかしら?』


 マリンに言われて俺は洞窟でのやり取りを思い出そうとするがあの時は、無間暴食でそこらじゅう荒らしまわったから、いつ取り込んだのか正直分からない。


『どちらでも良い。イサミ、頼む。これを持っていてくれ。装備していけば邪魔にはならないだろう。』

「分かった。…でも良いの?形見の品を装備してもしかしたら傷つくかも…」

『その心配は無い。これは頑丈に出来ているからな。』


 まぁ当の本人が良いというのならこれ以上言うのは失礼だろうと思い、俺はひざ当てを左足に付ける。…なんだろう?妙に違和感が無いな。普通なら少しぐらい違和感があっても良いと思うんだけど?


『どうだ?問題ないか?』

「あ、うん。こっちは問題ないよ。それよりもヤシロの方は大丈夫?」

『…あぁ、大丈夫だ。心配をかけたようだな、イサミ。』


 ヤシロはそう言いながら俺のほうに這って近づいて来たので俺は手をヤシロの前に置くとヤシロは俺の手を伝って肩まで登ってきた。ちょっとくすぐったいが我慢、我慢。


『さぁ、戻るとしよう。ワタナベとか言う小娘と会う約束をしていたのであろう?』

「あっ!そうだった、急がないと!!」


 今から戻れば昼を少し越えるぐらいだから急いで戻らないといけない。そう考えてから俺は急いでその場を後にした。


『……。』


 ヤシロは肩の上でひざ当てがあった場所を見つめていたが、すぐに視線を逸らすとイサミの肩の上から霧が晴れるように消えた。


次回は渡辺さんと会う話ですね。しかし、エルフの国には何時行けるんだろう?

( ・`ω・´)マァ、オサッシデスヨネ!

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