ゴブリン討伐作戦
(・ω・o)「今日も平和ですねぇ。」
???「方法はどうしましょう?」
(^・ω・^)「ん?」
冒険者ギルドから出た後、俺はそのまま依頼紙に書いてある依頼人(依頼人の名前はナタルスと書いてある)の下に向かう。今回の依頼人はこの町の自警団の人間なので、向かう場所は自警団本部だ。
「ここが自警団の本部ですよ。」
渡辺さんが道案内してくれたので、道に迷うことなく自警団本部に到着する。ちなみに自警団とは俺の世界で言う警察のようなものらしい。本部の形も何処と無く俺の世界の警察署のような形をしている。大きく違うのは、コンクリートでは無く、完全に木だけで作成されていて、警察のマークの変わりに大きな盾に白い鳥が描かれた旗が立っている事ぐらいだろう。
入り口に立っていた人に依頼書を見せて依頼人の元に案内される。中は冒険者ギルドほどではないが多くの人たちが忙しそうに働いている。自警団の制服を着た人たちが中庭で訓練している姿も見ることが出来た。ううむ、男ばっかりで華が無い…と考えていると1つの扉の前で案内していた男性が立ち止まる。
「この扉の奥にナタルス様がいらっしゃいます。ではこれで…」
案内してくれた男性は案内が終わると去って行った。残された俺たち三人はお互いを見て頷いてから渡辺さんが扉をノックする。すぐに「どうぞ。」と声が返ってきたので扉を開けて中に入る。
「ようこそ、いらっしゃいました。貴方達は…ゴブリン討伐の依頼を受けた方達でしょうか?」
比較的落ち着いた口調で聞いてきたのは、青い髪の短髪で髪と同じ色をした瞳をした男性だった。自警団の制服をキッチリと着こなしており、姿勢もしっかりしていて「これぞ警察!」と言えるような男性だ。ちょっと同じ男性から見てもカッコイイと思えるぜ…ハッ!?エルミアちゃんが危険だ!(危険では有りません。)
「えぇ、その通りです。貴方が今回依頼されたナタルスさんで間違いないですね?」
「はい、私が第二自警団副団長を勤めさせていただいているナタルスです。今回はよろしくお願いします。」
俺が1人深刻?に悩んでいるのをよそに、「此方こそ。」とエルミアちゃんもナタルスさんと同じく落ち着いた口調で話している。その姿はまさに大事な仕事相手と話している姿そのものだ。その姿を見て、俺は少しだけ安心するのと、自分の浅ましさに嫌気がさして…否!浅ましくなどないぞ?これは男として当然な…!!
「よかった。これで求めていた三つのパーティを揃えることが出来ました。早速ですが今回の依頼についてお話します。此方へどうぞ。」
ナタルスさんは俺たち三人を部屋の中央に置かれた椅子へと案内してくれた。椅子に座ると迎いにナタルスさんも座り、秘書官らしい女性が飲み物を一人ひとりに配ってくれた。ううむ、秘書官って聞くだけで卑猥な事を思いつくのは俺だけだろうか?
「今回依頼にあったゴブリンの群れが目撃、或いは被害があった場所はここです。」
テーブルの上に大きな地図を広げてナタルスさんはあらかじめ×印が記載してあった場所を指差す。俺たち三人は身を乗り出して見る。
地図の中央が恐らく、この城下町だろう。簡略されてはいるが大きな城下町から少し離れた場所に×印が記載されている。×印がある所は複数あり、恐らく被害があった場所は目撃された箇所なのだろうが、どれも同じような場所に集まっていた。大きな交通路である街道に描かれていたり、近くの森…であろう箇所にも幾つか描かれている。
「ご覧の通り、恐らく街道の近くの森の中にゴブリンの集落が出来たのだと思われます。今回、貴方達に依頼するのはゴブリンの討伐は勿論、このゴブリンの集落の探索及び、破壊です。」
ナタルスさんの言葉に俺たち三人は頷く。
「既に来られた2つのパーティの方達にも説明しましたが、今回は三つのパーティを利用して簡易ですが包囲戦を行います。」
ナタルスさんは、三つの凸型の置物を用意してから街道の近くの森を囲むように並べる。そして、三つの置物をゆっくりと中央に近づけるように移動させる。
「このように今回は討伐を行ってもらいます。ご想像できるように、この作戦には多少の危険が付き纏いますが、街道の安全の為にも作戦実行をして頂きたい。」
そう言うと、ナタルスさんは頭を下げてきた。危険とはゴブリン自身の討伐は勿論、作戦実行中に逃げた多くのゴブリンに1つのパーティが鉢合わせしてしまう危険があると言いたいのだろう。これが、実力の低いブロンズ或いはアイアンであろうものなら厳しくて依頼を断るだろう。でも…
「安心しなさい、私達の内、2人はシルバークラスの冒険者よ。ゴブリン相手に遅れはとらないわ。それに、このワタナベは勇者よ?負けるはずがないわ。」
「ちょっ、そ、そんな大げさに言わないでくださいよ、エルミアさん。」
「ゆ、勇者?本当ですか!?」
フフンッと自信満々に答えるエルミアちゃんの可愛さに打ちひしがれながらも、俺は渡辺さんの肩をポンッと叩いて促す。
「は、はい。私がその勇者です。そそ、そんな大した力はありませんけど…。」
「いえいえ!そんな事はありません!勇者様!お力をお貸し頂き、本当にありがとうございます!」
おぉ、ナタルスさんの瞳がキラキラと輝いてる。やっぱりこの国の人にとって勇者と言うのは特別な存在らしい。
「それでは早速待機させているほかの冒険者達に連絡を取ります!追って作戦開始を人をやって連絡しますので、ワタナベ様達はこの場所で待機していてください。」
ナタルスさんは三つある置物の1つを指し示す。場所としては街道から少し南西の方角に移動した箇所だな。
「分かりました。」
「お気をつけて!吉報をお待ちしております!」
ナタルスさんが頭を下げて見送る中、俺たち三人は部屋を後にした。
---2時間後---
俺達はナタルスから貰った地図を元に指定された場所で待機していた。
「(ゴブリンか…。)」
子鬼と呼ばれるモンスターはこの世界では雑魚の部類に入る。だが、その雑魚相手にこの世界に来たばかりの俺は殺されかけた事があるので、正直言って全然油断できない相手、いやむしろ全力で倒すべき相手だ。そう思うと、俺は自然と腰に差してあったブロードソードを確認して剣の状態を確かめる。…いや、剣の状態なんて初心者の俺にはわかんないけどさ…。一応刃毀れとか、ヒビが入ってないか確認する。…うん大丈夫だ。
「真剣だね、イサミ。」
後ろからエルミアが声を掛けてきた。渡辺さんは少し離れた場所で連絡が来ないか辺りを確認している。よってこの場には俺とエルミアの2人だけだ。そっとエルミアは俺に近づいて少し小声で俺に話しかける。
「ね、イサミ。今朝はその…怒鳴ったりしてごめんね?」
俺は気にしていないと首を横に振って示す。
「ん、ありがとう。…本当になんで怒鳴ったりしたのか、私にも良く分からないの…。(こんな気持ち初めて…。何故かイサミとワタナベが必要以上に仲が良いと思うと何故かイライラして落ち着かなくなって…それで…どうして私じゃないの?って思ったなんて言えないよ~!!)」
耳まで顔を真っ赤にしながら前と同じように両手の人差し指の腹同士を合わせながら、話してくる。エルミアちゃんは俺を萌え死にさせたいのだろうか?
「なんて言ったらいいのか…。その…えっ!」
まぁ、エルミアちゃんが言いたいことはなんとなく分かる。恐らく、お気に入りのペットが主人の自分でなくて他の人に懐いてしまったことが気に入らなかったのだろう。でも、心配しなくても俺にとって一番はエルミアちゃんだと教えるために、俺はそっとエルミアの頭に手を置いて、ゆっくりと撫でる。
「そ、その、イサミ?」
元々、赤かった顔がさらに赤くなっていくのが面白い。止められる事も無かったので、俺は何度もゆっくりとエルミアの頭を撫でてから心配要らないと伝えるように頷く。
「~~~っ!!」
恥ずかしさが限界に達したのか俺が手を離すと、エルミアは背を向けて走り出した。う~む、流石に子供扱いしすぎただろうか?怒ってなきゃいいけど。
そんなエルミアとの会話があった後の30分後に、ようやく連絡係の人がやって来た。
「お疲れ様です!各パーティの待機が完了したようなので、ご報告に来ました!今から暫くすると、大型火炎魔法が森の上空に放たれます。それが合図です。では、私はこれで!御武運を!」
連絡係の人は言い終わるとすぐに去っていく。俺たち三人は互いに頷き、自身の武器を構える。そして、
ドドオォォーーーーン!!
大きな音と共に森の上空に大きな火の玉が炸裂した。作成開始の合図だ。しかし、かなり強烈な火炎魔法だな。
「さぁ!行くわよ!」
エルミアの掛け声を受けた俺と渡辺さんは頷いてから森の中に入っていく。さぁ!ゴブリン討伐の開始だ!
ナタルス「それでは作戦開始の合図として一本の火矢を…」
=(」゜□゜)」「その話!待ってもらおう!」
ナタルス「なっ!?貴方は一体!?」
( ´_ゝ`)「フッ何、通りすがりの者だ。開始の合図と言ったな?合図ならばもっと分かりやすいものの方が良くはないか?」
ナタルス「そ、それは勿論そうですが。方法が…」
(っ´∀`)っ「安心しなさい。この私が火炎魔法を使って合図としようじゃないか。」
ナタルス「え?」
(`・ω・´)「合図と言えば…爆発だ!!」




