排水路の掃除
祝!一周年祭り三日目!!まだまだ行くぞぃ♪(o ̄∇ ̄)/
最近、近所のボランティアに参加してないです。(ノ△・。)
冒険者ギルドを出てから先ずは、町の清掃のクエストを行うために依頼の紙を見ながらクエストを発注した人の元に向かう。驚いた事に先程までは受付紙には書かれていなかったはずなのに、チラリと見ると発注者の情報や場所について書かれてあった。恐らく、クエストを受けた際に水晶玉に入れて光った時に追加されたのではないだろうか?無駄にこういうところは高技術だな。
「(ご丁寧に地図まで書かれてるし、スゲーな。でも、薬草のほうは発注者の居場所だけで薬草の場所までは書かれていないか。このクエストが終わったら薬草の場所を聞きに行くかな。)」
地図を頼りに城下町を歩いていく。地図に書かれてある場所は比較的落ち着いた感じの場所で、スラム街とかではなかった。ちょっと安心。
「(ここかな?)」
目的地の家に着いたので、俺は扉をノックする。ノックしてから暫くすると、中からちょっと怖いおじいさんが出てきた。
「なんじゃ?おまえさんは?」
「“クエストを受けた者です。”」
文字に書いて意思を伝えながら、受付紙を老人に渡す。暫く、受付紙を見ていた老人は思い出したように「あぁ。」と言うと、家の中に入って中からシャベルのようなものと袋を何枚か持ってきた。
「やっと、クエストを受けてくれる者が来たか。最近はギルドに頼んでも、こういった事は誰もしてくれなくなったからな。まったく!最近の若いもんは!」
ご老人特有の文句を聞き流しながら、俺は道具を受け取る。多分、これで排水路のゴミを取り出して袋に詰めろって事なんだろう。昔、近所のゴミ掃除やった事あるからなんとなく分かる。
「やり方は知っておるか?そうか、知っておるならさっさと掃除して来い!ゴミを詰めた袋は排水路の傍に置いてといても構わん。終わったら報告せい。汚かったら報酬は払わんからな!」
そういって扉を閉めて家の中に入っていった。ううむ、なんて素っ気無い。
「(まぁいいや。さて、それじゃやりますかね。)」
俺はシャベルを肩に担いで排水路に向かった。
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町の生活排水を放出している排水路。いまさらだが、排水路があるということは町の水源がある程度上手く巡回できているという事なのだろう。思っていた以上にこの世界の生活水準は高いのかもしれない。日本だと、初めて排水路的なものを作ったのは江戸時代だっけ?
「(よいしょっと。あぁ、長靴とかあれば排水路に足を突っ込んで掃除できるのに…。)」
俺は排水路の溝の部分に脚を置いてシャベルを使って掃除を開始する。泥やゴミが混ざった排水路特有の匂いに加えて、これは…多分糞尿だろう。ものすごい異臭がする。まだ水が流れている分、匂いはそれほど強烈ではないが確かにコレはほっておくと強烈な異臭を放ち始めるだろうな。
「(は、鼻がぁぁ。口で息をしないとコレはやってられない。)」
シャベルでそこからゴミをすくい、道路においてある袋に入れる。それだけの作業だが、思った以上にコレは体力仕事だ。腰と腕にかかる負担が半端ない。それに匂いも凄いし…、コレって絶対服に匂いが付きそうだな。帰ったら洗濯しないとな。
「……。」
俺は黙々と仕事をこなす。最初は疲れるだけの仕事だったが、掃除を進めればその分ちゃんと綺麗になっていく様子を見るとちょっと楽しくなってきた。
「(良し!ここはこんなもんだろ!)」
綺麗になって透明な水が流れ匂いもなくなった排水路を見ながら俺はちょっとした達成感を味わっていた。すると、横から声がかかった。
「排水路を掃除してくれたのかい?ありがとうねぇ。」
横を見ると、おばあさんが笑顔で俺にお礼を言ってきた。俺はちょっと照れくさくなって頭を下げてからすぐに違う排水路に向かって体を入れて作業を開始する。先程、礼を言われたことが自分でも思った以上に嬉しいのか体に力が入り、効率よく掃除を行っていく。その光景を、先程のおばあさんがニコニコと微笑みながらベンチに座って見つめていた。
先程の倍くらいの速度で排水路の掃除が終わった。気がつけば、おばあさんの傍にはご老人達増えていて、皆ベンチに座って笑顔で俺を見ていた。ううむ、こうして見られているのは正直慣れていないからちょっと緊張してきた。とにかく動かないと落ち着かないのですぐに次の排水路の掃除に移る。
黙々と掃除をしていると、途中袋の口が変な方向に向いてしまいシャベルですくったゴミが入れづらくなった。仕方ないので、一度シャベルを置いてから袋の位置を直そうとすると手が伸びてきて俺が直す前に袋の位置を直してくれた。排水路に入っている状態なので、上を見上げるとそこには先程のおばあさんがいた。
「はい。これで良いかしら?」
「“ありがとうございます。”」
「あら?もしかして喋れないの?…そう、大変でしょうけど頑張ってね。」
俺は頷いて礼を良いながらシャベルでゴミをすくう。そしてすくい上げたところをおばあさんが入れやすいように袋の口を持っていてくれた。手が汚れるであろうに気にしていない。優しい人だなぁ。そんな事を考えていると、他のご老人達も桶を持ってきて俺が少しこぼしてしまったゴミなどを排水路に水で流してくれていたり、ゴミが詰まった袋を一箇所に集めてくれたりしてくれた。流石に排水路に入ろうとした人は止めたが。
ご老人達の手助けもあってすぐに依頼主の老人に貰った袋はなくなり、この辺りの排水路は綺麗になった。俺は額に流れる汗を顔が見えないようにこっそり拭いていると、最初に声を掛けてくれたおばあさんが労わりの声を掛けてくれる。
「ご苦労様でした。最近はこういった掃除をしてくれる若い人がいなくて困っていたところなの。本当に助かったわ。」
「“これも依頼なので気にしないでください。”」
お互いに頭を下げてその場で別れる。うむ!良い仕事をしたな!その後、手伝ってくれた老人達一人ひとりに礼を言ってから、依頼人の元に向かう。太陽は真上に上がっていてちょっと熱かった。
「…ん、だれかと思えばお主か。なんだ?もう諦めたのか?まったく最近の若いもんはコレだから…。」
「“違いますよ。依頼を達成したので報告に来ました。”」
「なっ!なんじゃと!?まだ昼だぞ!?そんなに早く終わるはずがないじゃろう!」
そういって、早歩きで家を出て俺が掃除して回った排水路を見て回り始める。一つ目を見たときは、「ふん、最初は誰でも頑張るわい。」と言いながら2つ目の時は「ほぉ、まだ頑張っていたようじゃの。」と、三つ目に至ると「む、むぅ。」としか言わなくなった。
「…お前さん、余った袋はどうした?」
「“全部使いましたが?”」
「なんじゃと!?全部で20枚はあったのじゃぞ!?嘘を言うでない!」
そんな事言われても困る。そう思っていたときに、手伝ってくれた老人の1人が俺に気付いて話しかけてくれた。
「おや、どうしたんだい?忘れ物でもしたのかい?」
「おぉ、聞いて下され!こやつが排水路の掃除を全て午前だけで終わらせたとホラを言いましての…」
「ホラ?確かに、そこのお人はこのあたりの排水路を全て掃除してくれたが?」
「な!?なんですと!?」
信じられないといった顔で俺を見る。だからさっきからそう言ってるっての。まぁ、俺1人だけでやったわけじゃないけどさ。依頼人の老人は先程の老人に礼を言ってから家に向かって歩き出していた。そして、家に着くと奥からペンを持ってきて「受付紙を寄越せ。」と言ってきたので渡すと、サラサラっと文字を書く。見ればご老人の名前が書いてあった。
「…まぁ、ご苦労だった。疑って悪かったの。」
「“いえ、気にしてないです。”」
「ふん!受け取ったらさっさと行け!まぁ、暇ならまた来い。茶くらい出してやる。」
ご老人のツンデレなんて誰得…。だけど、なんだか嬉しくなった俺は頭を下げてから依頼人の家を後にした。今度はすぐに扉を閉められる事無く、最後まで俺を見送ってくれた。
次は、薬草集めですね!どんなハプニングを…(。 ̄x ̄。) ゴホンもとい、どんな物語にしようかな。 ( -ω-)フムゥ
イサミ「ちょっ!」




