アイアンのクエスト
祝!一周年祭り二日め!!(*゜▽゜)ノ今回は短めです。
「イサミ、今日はどうする?」
昨日、部屋に戻った後にヤシロにお酒を上げてそのままベットに横になると自分が思っていた以上に疲れていたのか、そのまま眠ってしまった。そして気持ちよく起きた後、エルミアとルドルフさんそしてノアさんを含めた四人で朝食をとっている所で、エルミアが聞いてきた。
「“ギルドに行ってクエストでも受けてこようと思う”」
「そう、私とルドルフは旅の準備をしてくるわ。三日後ぐらいには港町に向かって出発するから、イサミも気をつけてね?」
俺は頷いて答える。すると、横で食事していたノアさんが立ちあがり俺たちに礼を言ってきた。
「ご馳走様でした。俺はこれから一度、獣人の国に向かうつもりだ。今回は本当にお世話になった、機会があればまたよろしく頼む。」
「えぇ、此方こそ助かったわ。気をつけてね。」
「あぁ、では。」
結局最後までノアさんの顔が見れなかったなと思いながら後ろ背中を見送る。ノアさんが出発した後、俺たちも行動を開始する。エルミア達は旅の準備の為に道具店や情報屋に、俺は冒険者ギルドに向かうために準備する。と言っても俺は剣を腰に差してローブを深く被るだけだ。準備が出来たので、宿を出ようとすると後ろから
「あっ!行ってらっしゃい!!イサミさん!!」
「気をつけて行って来るんだよ!」
リルリカちゃんとリレーアさんが笑顔で俺を送り出してくれたので俺は手を振って返事をしつつ宿を後にした。
---冒険者ギルド---
再びやって参りました冒険者ギルド、相変わらず朝だというのに飲んだくれている冒険者達が大勢いる。それも最早冒険者ギルドの名物なのかもしれないと思いながら1人掲示板の前に行く。
「(えぇっと、アイアン、アイアンっと…)」
俺のクラスは最低ランクのアイアンだ。なので受けられるクエストも大したものがなく数も少ない。数あるクエストの受付紙を探しても1つ2つしかなかった。一応、ブロンズのクエストも受けられるが安全と俺の性格からアイアンを選ぶ事にしている。やっぱり最初はコツコツとやっていくのがRPGの醍醐味だよね!
「(アイアンのクエストはこの2つだな。)」
俺は2つの受付紙を掲示板から剥がす。
1つは町の掃除という奴だ。
クエスト内容:町の清掃(一区画の清掃)
最近、町の排水路にゴミが溜まってきている。このままだと、異臭も漂い始めそうだから早く片付けてくれ!
クエスト報酬:銅貨小8枚
「(まぁよくあるあるって感じだな。でも異臭かぁ、俺には思った以上にきつそうなクエストだなぁ。)」
2つ目は収集クエストだな。
クエスト内容:薬草の収集(薬草5個)
薬草の収集をお願いしたい。出来るだけ根や葉を傷つけないで持ってきて下さいね。
クエスト報酬:銅貨中2枚
「(こっちは先程よりも報酬が良いな。その分、薬草の場所とかを知っていないと苦労しそうだけど。)」
どちらも誰にでも出来るようなクエストだ。まぁ最低ランクのアイアンなんてこんなものだろう。どっちを受けようかと迷っていると横から、声が掛けられる。
「どけよ、デブ!」
「(ででで、デブ!?デブって言った!?)」
やや怒気が篭った若々しい男の声だった。すぐに俺は横を見るとそこには恐らく年は俺と同じぐらいの若者が立っていた。
「(うわぁ、イケメンだ…。関わりたくねぇ…。)」
男にしてはやや長めの茶髪をしており、顔は女好みの顔をしたイケメンだ。身長は170ぐらいか?まぁ正直この手のタイプは元いた世界で風紀委員長(名前…なんだっけ?)で見慣れているのでそこまで驚かない。
「っち、図体でかいくせにボーッとしてんじゃねぇよ。」
俺がその場から動かない事に苛立ちながら掲示板の前に行く。そして、俺と同じように掲示板に張ってあるクエストを確認し始めた。こいつも冒険者なのだろう。
「っち、今日は良いのがねぇな。」
少しイラついた声で呟いている。俺は出来るだけこの手のタイプとは関わらないほうが良いと昔からの経験から悟っているので、早いとこどちらかを受けるか決めようと改めて受付紙を見ようとする。
「ッ!?」
「何の受付紙を持っているんだ?見せろよ。」
急に横から俺が持っていた受付紙を若者がぶんどってしまう。そして、すぐに受付紙の内容を見て「ブハッ!」と噴出して笑い始めた。
「アハハ!なんだコレ?アイアンかよ!それも子供でも出来そうなクエストじゃねぇか!」
「……。」
「何だお前?素人か?或いは無能な冒険者か?どっちにしても、こんなクエストを受けようとしてたのか?ウッハ!こんな奴はじめて見たわ!」
何が可笑しいのか腹を抱えて笑い始める。周りの冒険者もなんだ?と思っているが席を立たないところを見るとこういったことは日常茶飯事なのかもしれない。
「子供のアイアンの冒険者だってランクを上げるためにすぐにでもブロンズのクエストを受けるってのに、あんたみたいな図体がでかい奴がアイアンを受けようってか?しかも、誰も受けずにいつか消えていきそうなクエストをよ!」
ひとしきり笑い終えた男は2枚の受付紙を俺に向かって放り投げ、俺の足元に落ちた。
「まっ!せいぜい頑張んな。それくらいしか出来ない冒険者君。」
「……。」
男は適当に受付紙を1つ剥がして受付を終えた後、ギルドから立ち去っていった。
「(フゥ…。)」
俺は心の中で溜息をつく。普通なら「何だアイツ!生意気な!」とか「うっぜぇぇ!!」とか言うのかも知れないけど俺はそんな事は思わない。むしろ
「(やっと行ったか。)」
『…よく耐えたな、イサミ。』
「(別にどうって事はないさ、ヤシロ。)」
あの手のタイプは自分以外の劣っている人をバカにしないと気がすまないタイプだ。あそこで俺が反論してもアイツはずっと俺に文句を言うだろう。それならアイツに好きなだけ言わせておいて勝手に満足させてほっておくのが一番だ。…まぁ、言い返すも何も俺、喋れないけどさ。
さて、あんな奴の事は忘れることにして俺は地面に落ちた2つのクエストを拾い、受付場に向かう。受付場には何時もの受付嬢ではなく、違う女性(うわぁ、この人も綺麗だなぁ)が受付していた。
「クエスト受注ですか?」
俺は頷いて答え、2枚の受付紙を出す。
「はい、確認します。…アイアンのクエストを2つですね、分かりました。それでは、ステータスカードをお願いします。…はい、ありがとうございます。少々、お待ち下さい。」
ステータスカードを受け取った受付嬢は受付紙と一緒に水晶玉に入れて光るのを確認すると取り出し、受付紙に判子を押してから俺に渡してくれた。
「こちらをどうぞ。それでは依頼、がんばってください。」
ステータスカードと受付紙を仕舞うと頷いて答えて出口に向かって体を動かそうとする。その時「あ、あの!」と後ろから受付嬢が声を掛けてくれた。
「あ、あの!アイアンのクエストだって立派なクエストです。恥じることなく依頼をこなして下さい!」
恐らく、先程のやり取りを聞いていたのだろう。俺は受付嬢にペコリと頭を下げてから改めて出口に向かった。
クエストだよ!誰もしなさそうなクエストを受けるのって楽しくない?それが最低ランクでも最初ならぜんぜん構わないぜ!
( ̄Д ̄)ノ シャクカセギ?ナンノコト?




